シネレビューでは試写情報などをお送りします。
レポートは某情報誌ライターらのご協力でお送りしています。
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ラブ・アクチュアリー ![]() |
久しぶりに質の良いラブコメ登場です。 あまり語るところはありません。見て、幸せな気分になって下さい。 「ブリジット・ジョーンズの日記」「ノッティングヒルの恋人」「フォー・ウェ ディング」など正にラブコメの見本とも言うべき作品を世に排出し続けるスタジ オ「ワーキング・タイトル」。就職させてくれー。 私をはじめ、世の中の多くの女性の心をわしづかみにするその演出。 この映画でも、冒頭から全開です。 結婚式のシーンがあるんですが、その素敵なこと。理想の結婚式。 このエピソード、親友の花嫁に恋する男(アンドリュー・リンカーン、素敵!) は涙、です。泣いちゃった〜。あんなキレイな失恋、無いです。私のはいつもも っと醜くてみじめ。 多少、エピソードが多すぎて、途中こんがらがっちゃう節はありますが、お見事 な出来栄えです。 あいかわらず異性愛には恵まれてない私ですが、それでも家族愛やら友情やら、 身の周りにある愛に気付いて、心温かくなる映画です。 音楽もなかなか良い。帰り道「ラ〜ブ、ラ〜ブ、ラブ」と口ずさんでしまうこと 必至です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) ヒュー様、絶好調です。実生活でもぽっちゃり型が好きだったらいいの に〜。 |
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http://www.uipjapan.com/loveactually/ |
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2004/2/7〜 2003年イギリス作品 |
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ニューオーリンズ・トライアル ![]() |
高校生の時「十二人の怒れる男」という映画を見た。1957年の名作である。 その時、私は初めて「陪審員制度」を知った。 あれから時は流れ、訴訟大国アメリカの裁判も変わった。 何と、陪審員は無作為ではなく選ばれる時代になったのだ。 十二人の怒れる男たちも、さぞや驚いていることだろう。 クライアントに有利な判決をもたらしそうな人物を選んで、陪審員にする。 それが陪審コンサルタント。 無作為に市民の中から選ばれた陪審員候補者。その中から検察側・弁護側の代表 者がふさわしいと思われる人物を絞り込み、12人プラス補欠2人の陪審員が決 定される。 陪審コンサルタントは、その陪審員候補者の一人一人の性格、家庭環境、学歴、 仕事、日常生活のささいなクセまで調べ上げ、クライアントが希望する判決にし てくれそうな陪審員を選ぶのだ。 実際に、そういう職業の人がアメリカにはいるらしい。 最も有名な人はジョーエレン・ディミトリアスという女性。O・J・シンプソン の事件も彼女の担当だったらしい。 そんな現状をしっかり踏まえた上での原作はジョン・グリシャム。言わずと知れ た弁護士出身のベストセラー作家。「ペリカン文書」「ザ・ファーム/法律事務 所」「レイン・メーカー」など多くの作品が映画化されている。 原作がしっかりしているので、面白くて当然。睡眠不足だった私、スピーディな ストーリー展開に眠気も吹っ飛びワクワク、ドキドキ。 そして夢のようなキャスト!! ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマン、ジョン・キューザック、レイチェ ル・ワイズ!! 特にジーン・ハックマンの悪役。カッコ良すぎ〜。しびれたっす。ダスティン・ ホフマンとは何と!初共演。二人の対決シーンは見ごたえ120%。 見に行って絶対損は無い。充実の法廷映画です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) 実は今まで私はジョン・グリシャム原作の映画、あまり面白くなかっ たのですが、初めて面白いと言えるものに出会いました。ジョン・キューザック も素敵です。 |
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http://nt.eigafan.com/ |
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2004/1/31〜 2003年アメリカ作品 |
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ミスティック・リバー ![]() |
演技派男優勢揃い。ショーン・ペン、ケビン・ベーコン、ティム・ロビンス。 三人が演じる男達は幼馴染み。子供時代のある事件から、疎遠になってしまう。 大人になって再開した時、それもまた事件がきっかけだった。 皮肉にも、娘を殺された父親とその事件を担当する刑事と容疑者として。 監督はクリント・イーストウッド。名優にして名監督。 「許されざる者」ではオスカーも獲得。「パーフェクト・ワールド」は私も大好 きな作品です。 その緻密で丁寧な演出は、この作品でも感心するほど表れています。 三人の男優の演技も素晴らしい。特にショーン・ペン。彼はこういう影ある役の ほうが絶対良い。もっと悪役が見たーい。この路線で今後はお願いします。私が 一番好きなのは「デッドマン・ウォーキング」の死刑囚役です。監督はティム・ ロビンスなのよ。なかなか御縁がありますな。 ところで「ミスティック・リバー」ですが、いい作品なんだけど、犯人がちょっ とわかりやすいんだよね。 あと、話に希望がなさすぎてツライ。体調の悪い日に見るのは避けた方がいいで しょう。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) おすぎ的にはオスカーらしいけど、私的には監督賞ノミネートぐらいか なー。 |
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http://www.warnerbros.co.jp/mysticriver/index.html |
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2004/1/10〜 2003年アメリカ作品 |
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ジョゼと虎と魚たち ![]() |
私は、冬になると何故か「恋愛映画」が見たくなる。 寒いから人恋しくなるせいか、「ラブストーリー」ではなく「恋愛映画」なのだ 。 大きなスクリーンでのドタバタラブコメディではなく、ミニシアターで雰囲気の ある小作品が見たい気分になる。 ペットボトル入りの炭酸飲料じゃなく、カップに入ったミルクティが飲みたくな る様に。 この「ジョゼと虎と魚たち」は、そんな気分にぴったりの映画だ。 主人公は、立ったり歩いたりできない女の子。自称ジョゼ(池脇千鶴)。 ひょんなことから知り合った、ごくごく平凡な大学生恒夫(妻夫木聡)と恋をす る。 「重そうで、ちょっと…」と敬遠する人もいそうだけど、普通の恋愛映画よ。 食べて、恋して、キスして、セックスする。 ごく普通で、不変のテーマ。 そして、そのラブシーンのかわいくて、ちょっと切ないカンジ。 恒夫が言う「オレ、今泣きそう」普段、クチが悪いジョゼが言う「うち、あんた もあんたのすることも好きや」。忘れられません。 冒頭から佐内正史の写真でちょっと切なくなり、ジョゼの周りの人々のきっつい キャラで笑い、何が普通とか普通じゃないとかっていうことより何より、二人の ラブシーンが美しくて、ちょっと泣きそうになる。 今まで見た邦画に、こんなに愛しく切ない気持ちになるキスシーンは無かったと 思う。 見てから3日間くらい、ずーっとジョゼの空気が残ってました。 誰にでもある恋してる時のちょっとした感覚や、若くて、夢中になって恋愛して た時の思い出や、とにかく心のひだの奥にある、甘美で痛い部分が刺激される映 画です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★★ どちらのファンでなくても、女性は妻夫木、男性は池脇を好きになって しまいそうになる。普段ミニシアター行かない邦画見ない人たちにもおすすめ。 原作は田辺聖子、音楽はくるり、写真は佐内正史、監督は犬童一心。絶妙なコラ ボレートです。 |
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http://jozeetora.com/ |
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2003/12/13〜 2003年日本作品 |
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ブルース・オールマイティ ![]() |
久しぶりにジム・キャリーが戻ってきたって感じがするコメディです。 男前なのにヘンな顔、炸裂でっす。 ブルース(ジム・キャリー)は、地方のTV局のリポーター。 町の小さなネタを拾い集めて、お茶の間に笑いを届けるのが仕事。 言ってみれば、NG大賞にノミネートされそうなカンジ。 でも、いずれはニュース番組の司会者を夢見ている。 しかし、ライバルに司会者の座を持っていかれてしまったうえ、クビに。 しかも、恋人(ジェニファー・アニストン)とも大喧嘩。 「神様のバカ〜!」と罵ったところ、何と本物の神様登場。 一週間だけ、神様の能力を手に入れたブルース。次々とアホらしいことにその能 力を使ってしまう。 誰でも一度は「もー、何で私ばっかり。神様って不公平!」とか「神様ー、私の お願い聞こえてる?」とか思ったことあるよね。 私も、しょっちゅう思ってる。 「一生のお願い」ももう何回したかわかんないし、「神様のいじわるー」とか何 回も言ってスイマセンってカンジ。 そりゃ、ブルースみたいに神様の力が手に入ったら、しょーもないことしまくる よ。 まず、決して太らないナイスバディと、二重の目と、くせ毛じゃない髪の毛を手 に入れて…。 でもね、神様でも人の気持ちは操れないんだって。 いくら美人になっても、好きな人の心は手に入れられないってことよ。ショボン 。 離れてしまった恋人の心を取り戻すため、がんばるブルース。 そして、見失ってた自分自身も取り戻すために。 ジム・キャリーの顔芸&声芸。復活です。 ライバルを陥れるための「ベラベラ芸」。わかっていても笑えます。 かなりベタな感じですが、見終わった後には「あー、やっぱジムはコメディだよ ねー」と言ってしまう、デートにもお薦めの楽しい映画です。 (written by よこたようこ) |
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★★★ 恋人役のジェニファー・アニストンは、ご存知ブラピの嫁です。カワ イイですが別に他の女優でも良かったのでは? |
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http://www.uipjapan.com/brucealmighty/index.htm |
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2003/12/20〜 2003年アメリカ作品 |
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イン・アメリカ ![]() |
2004年、最初のおすすめ映画です。 大スクリーンで超大作を見るだけが映画ではないことを思い出させてくれる作品 です。 アイルランドから、アメリカン・ドリームを夢見てやって来たサリヴァン一家。 両親と、クリスティとアリエルの幼い姉妹の4人家族。 辿り着いたのは、NYのおんぼろアパート。しかも、「叫ぶ男」が住んでいる。 父は、俳優を目指し、タクシー運転手をしながらオーディションを受ける日々。 母は、一家の生活を支えるためアイスクリームショップのウエイトレス。 姉妹は、そのかわいらしさで、次第にアパートの住人や周囲の人たちに馴染んで いく。 しかし、一家にはアメリカに来る前に悲しい出来事があり、家族はそれをなかな か乗り越えられないでいた。 きっと、小さい劇場でしか上映されない作品だと思いますが、良い映画です。 心の奥に、じんわりとあたたかい灯りがともるような。 人生の中で、家族は、何度か試練に遭遇するものです。それは、誰にでも覚えが あることでしょ。 でも、お互いに優しさを忘れなければ大丈夫だよと、この映画は教えてくれます 。 天使のようなクリスティとアリエルを演じているのは、本当の姉妹なのです。 サラとエマのボイジャー姉妹。 彼女らの自然な演技は、本当に素晴らしい。 最近「ラストサムライ」の子役の演技の自然さに心を打たれた私ですが、このボ イジャー姉妹の演技は、それに勝るとも劣らない素晴らしいものです。 だって演技じゃないみたいに思えるもん。 監督は「マイ・レフトフット」「父の祈りを」のジム・シェリダン。 社会派で重い作品のイメージがありますが、今回の「イン・アメリカ」はそんな ことないです。 監督が、実際にアメリカに渡ってきた時に住んでいたヘルズキッチンを舞台にし た、自伝的作品。 そのためディテールや空気感にもウソが無く、丁寧に作られた感じが。 実際に体験した人が、それに根ざした作品を作るっていうのは、やっぱり込めら れたものが違う気がします。 小さくても、こういう作り手の想いが伝わってくるような映画は、やっぱり好き です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) 特に、クリスティが歌う、イーグルスの「デスペラード」には、心を揺 さぶられました。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/inamerica/ |
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2003/12/12〜 2003年アイルランド=イギリス |
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フル・フロンタル ![]() |
ソダーバーグっていう人が監督なんですけど、この人、何かと賛否両論分かれる 人なんですよねー。 ま、この話もね、簡単に書くと有名プロデューサーの誕生日パーティに集まる人 々の1日を描いた群像劇なのよ。 でもね、劇中劇ありの、ブラッド・ピットのカメオ出演ありの、遊び心見せすぎ の演出がイヤな人にはイヤなんだろーなー。 しかも、私事なんだけど、いつも眠くなっちゃうんだよねー、ソダーバーグ。「 トラフィック」なんて5分ぐらいしかもたんかった。睡眠不足だったからかな〜 。「セックスと嘘とビデオテープ」と「オーシャンズ11」も途中ちょっと意識 が…。 一瞬も寝なかったのは「エリン・ブロコビッチ」。「エリン…」はストーリーも はっきりしてわかりやすいし、単純に面白いし、好きだなー。ソーダーバーグフ ァンには「ハリウッド的!」とか言われて軽蔑されそうだけど。 今回も、映像は相変わらずオシャレよ。ドキュメンタリー風と普通の映像を混ぜ たり。 あー、でも、また寝ちゃった。ごめんなさい。 そんなカンジの歯切れのワルーい、みぢかーい感想しか書けない映画「フル・フ ロンタル」。ぜひ、皆さんの感想をお待ちしています。 (written by よこたようこ) |
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★★ 良かったのはジュリア・ロバーツのヅラとブラピの使い方かな。 |
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http://fullfrontal.jp/ |
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2003/12/20〜 2002年アメリカ作品 |
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ラストサムライ ![]() |
かなり良かったです。ハリウッド的時代劇。 日本のコテコテ時代劇ファンは、いっぱいもの申したいと思います。 しかし、これはあくまでハリウッド映画。 そりゃ、ツッコミだしたらきりがないよ。 あの時代、サムライがそんなに英語しゃべれるわけないとか、ね。 でも、そんな小難しいことは置いといて、エンターテインメント作品として見れ ば、なかなか上手くできてます。 しかも、これ見た海外の人たちは、かなり日本人に対して好感度アップだと思い ますよ。 武士道もわかりやすく描かれてるし、日本の若い人たちにもサムライ・スピリッ ツを忘れるなと教えてくれます。 アカデミー助演男優賞候補確実と言われている渡辺謙の演技は確かに素晴らしい 。でも、トム・クルーズも予想以上にがんばってました。 いつもの演技派気取りなところもなく、異国の文化に翻弄されつつも、同じ戦う 者として武士道を理解していくところが自然に表現されています。 同じような理由で、私が苦手としている真田広之も、今回は忠実な部下を良い感 じで演じていて好感度アップでした。 忠実な部下と言えば、トム演じるネイサンに常に影のようについてまわるお目付 け役がいるんですが、この人、何と斬られ役一筋40年という福本清三さんとい う役者さんなんです。 いつも名もない役で、ずっと日本の時代劇を支えてきたベテランが、ハリウッド 映画に出演。 ここでも名も無い役ですが、とても印象に残る素晴らしい演技です。 そんなこんなで、日本って素晴らしいなーって改めて感じられる映画です。 サムライたちのスピリッツに胸が熱くなり、目頭も熱くなります。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) 今まで、こんなに日本を上手く表現した外国映画は無かったと思います 。出演者達も皆名演技だと思います。 |
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http://www.lastsamurai.jp/ |
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2003/12/6〜 2003年アメリカ作品 |
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ファインディング・ニモ ![]() |
もう、ニモったらかわいいんだからー。 アンチ・ディズニー派の私をメロメロにした、魚たちの大活躍をぜひ劇場で見て 下さい。 ディズニーアニメで好きなものと言えば「モンスターズ・インク」ぐらいしか無 かった私。「トイ・ストーリー」や「バグズ・ライフ」など、ピクサーの作品に は注目してはいましたが。 大体、キレイな王子様とお姫様のハッピーエンドのくっさーいミュージカルとか 、もう飽き飽きだよ。 カップやポットが喋ったり、初対面の二人がハモったりとウソ臭すぎるんだよー と夢の無いことを吐き捨ててた私。ハッキリ言ってヒガミです。 しかーし、ニモは私が幼い頃に感じていたこと、そのものなんです。 私は瀬戸内の田舎に育ったので、幼い頃から魚はいーっぱい食べて過ごしてきま した。 そんな時、子供心に、「お魚さん。家族とはぐれて、たった一人(一匹?)で釣 り上げられて、うちの食卓にやって来たのね。寂しくて恐かったでしょ」とか考 えていたのです。 でも、しっかり食べてたんだけどね。 ニモのストーリーは、正にそれ。 食べられはしないけど、お父さんとはぐれて、人間に捕まってしまうのです。 うわーん。そこで、既に泣きそうに。(実は、その前にも泣きシーンあり。) しかし、ニモはがんばり屋さん。その姿に再び涙。 ほんでもって、そんなニモを探しまわる父親マーリンの姿に涙。 でも、そこはピクサー作品。笑いのシーンもたっぷりあります。 脇キャラもみんなかわいくて個性的。 笑って、泣いて、その海中の映像の美しさにため息ついて。 老若男女楽しめる、傑作アニメです。 (written by よこたようこ) |
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★★★★★ 大好きだー、ニモ。タレ目フェチの私。ニモのタレ目でキュートなふくれ っ面、かわいくてなりません。グッズ購入必至です。 |
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http://www.disney.co.jp/nemo/ |
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2003/12/6〜 2003年アメリカ作品 |
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キューティ・ブロンド ハッピーMAX ![]() |
私が、初めて、この「シネレビュー」に書かせてもらった映画が「キューティ・ ブロンド」でした。 あれから早2年。何と、続編公開です! 記念すべき(私だけ)作品であると同時に、大好きな作品でもあります。 女の子、がんばれ!! この映画の主人公エルちゃん(リース・ウィザースプーン)は、自分の思いに素 直で、真っ直ぐに進んでいく女の子。 前作では、恋人に「ブロンドは頭が悪い」と言われたのを見返すために、ハーバ ード・ロースクールに入学。弁護士への夢に目覚めるというがんばり様。 しかも、どんなにがんばってても、決してオシャレの手を抜かない。ここが、私 をはじめ、多くの女の子の心を捉えて離さない点でしょう。 今回も、ピンク炸裂です。 シャネル、ドル・ガバ、ヴェルサーチ、マーク・ジェイコブスなどなど。カワイ イです。ホントに。 今回は、前作で恋人同士となったエメットとの結婚も決まり、弁護士事務所に無 事就職するも、動物愛護を訴えてクビに。しかし、転んでもいつもタダでは起き ないエルちゃん。 動物実験反対法を作ろうと、ワシントンに単身乗り込みます。 ワシントンでは、前作同様、頭でっかちな同僚たちに意地悪されるけど、負けじ とがんばるエルちゃん。 「ワシントン流がダメなら、エル流でいくわ!」 確かに、皆がエルちゃんみたいに恵まれてて、トントン拍子に行くなんて、そん なこと思ってない。 「所詮は映画の世界。現実はそんなに甘くない」と思っている人も多いはず。 でも、毎日、会社や学校で「私って何やってんだろ」と自分を見失いがちな私達 に、「私も何か夢中になることを見つけたい」と思わせてくれるのが、この映画 なのだ。 エルちゃんの持ってる明るさや素直さ、周りの人と仲良くなっていく方法は、誰 もが「私もそうなりたい。周りの人たちにも、こんな風に必要とされたい」と思 うはず。 しかも、その方法がオリジナリティに富んでいる点も、愛される秘訣でしょう。 見ていてホントにパワーをもらえます。元気になれる。 そして、今回のもう一人(一匹?)の主役がエルの愛犬ブルーザー君。犬好きの 人は絶対見に行くべきです。ブルーザー君のファッションにも注目!「フィフィ &ロメオ」というブランドの衣装、キマってます。 私生活でも、俳優ライアン・フィリップの妻で、2児の母でもあるリース。相変 わらずアゴは気になりますが(前作よりはマシ)、仕事もプライベートもオシャ レも充実させてて、エルちゃん同様、私達の憧れです。 ぜひ、女の子たち!映画館へGO! 前作をレンタルしてからの方が良いでしょ う。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 洋服もですが、靴がたまらんカワイイです。ジミー・チューです。華奢 な足にしか似合わない感じではありますが、欲しい!! |
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http://www.foxjapan.com/movies/happymax/ |
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2003/11/15 2003年アメリカ作品 |
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ポロック 二人だけのアトリエ ![]() |
ジャクソン・ポロックという画家の話です。 芸術家の精神は、繊細で壊れやすいということが2時間に渡って描かれます。 見ていてツライです。 ジャクソン・ポロックの絵を見たことありますか? 私は、アメリカに旅行中、見ました。 抽象画です。 キャンバスに、絵の具を散らしたような。 最近まで、私は抽象画はあまり好きではありませんでした。 絵画を見るのは好きで、美術館などにも比較的よく行く方だと思います。 多くの日本人同様、美しい印象派の絵が好きでした。ゴッホやモネやユトリロな ど。 しかし、最近、TVで絵画の描かれた背景を紹介する番組を何回か見るうち、突 然、抽象画を理解する方法がわかったのです。 心で感じればいいんです。見るのではなく。 そこに描いてあるもの、美しい風景や人物ではなく、三角や四角や形すらないも のを見て、感じたままでいいんです。 意味を求めるのではなく、怒りや喜びや悲しみを感じればいいんです。 画家の気持ちが、そのまま表現された絵画、抽象画。そんな絵を描く人なんだか ら、普通の人より感情豊かなのは当たり前です。 彼を支え続けた妻もまた画家でした。 ポロックの才能に魅了され、全てを受け入れ、愛した人。 何度も繰り返される、酒に溺れたポロックとの激しい口論。でも、その才能を信 じて支えてきたのに、成功したら、若い巨乳娘との浮気。 私なら、もっと早い時期に「もう、イヤー!」と叫んで家出してることは確実で す。 でも、浮気されて飛び出して行った旅先から、妻は「愛しています」というハガ キを送るのです。 激しい愛の形。彼らの絵には、それが表れています。 妻リーを演じたマーシャ・ゲイ・ハーデンはアカデミー最優秀助演女優賞に輝き ました。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) ポロック役のエド・ハリス。相変わらず演技派ですが、なにせ暗い…。 トム・ウェイツの曲が印象的でした。 |
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http://www.spe.co.jp/movie/pollock/ |
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2003/11/1 2000年アメリカ作品 |
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阿修羅のごとく ![]() |
私は、お正月に時々放送される向田ドラマが好きだ。 もちろん、向田邦子の小説も好きだ。 そこには、由緒正しき日本の普通の家庭が、きちんと描かれている。 自分が、日本人だと感じられる。 季節の移り変わりに合わせて、古式ゆかしくもある年中行事が行われる家庭。 厳格な父、優しく甲斐甲斐しい母、躾のゆきとどいた折り目正しい娘たち。 昭和の日本の正しい家庭。 冬の凛とした空気みたいな、その雰囲気が好き。 この映画にも、その雰囲気はある。 でも、そこは森田芳光監督。かなり現代っぽい。 「家族ゲーム」の昭和50年代版といった感じだ。 笑いのシーンが多いのも特徴かな。 「お父さんが浮気している」。 70歳になる父(仲代達矢)に愛人がいるということで集まった、竹沢家の四姉 妹。 姉妹には、それぞれ悩みがあった。 長女綱子(大竹しのぶ)は未亡人で不倫中。次女巻子は夫の浮気を疑っている。 三女滝子は男性に対して潔癖症。四女咲子は売れないボクサーと同棲中。 探偵(中村獅童)を雇って父の浮気を調査したものの、母(八千草薫)の耳には 入れたくない。そんな時、新聞に姉妹の誰かが書いたような投書が…。 何て豪華な俳優陣。 四姉妹・父母以外にも、小林薫、桃井かおり、坂東三津五郎、若手では木村佳乃 、RIKIYAと錚々たる顔ぶれ。 素晴らしい演技です。 その演技だけでも、お金を払って映画館に見に行く価値はあると思います。 内容も、最後にほろりとさせられるもので、家族(特に母と娘、姉妹)などで見 に行くとよいと思われます。 でも、私はちょっと入り込めない部分もありました。それは、よくある自分の中 に出来上がってる世界観の「原作と映画のギャップ」だと思います。 (written by よこたようこ) |
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★★★ 笑いの部分は、ほとんど中村獅童です。深津絵里とのエピソードはなか なか好きな感じです。 |
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http://www.asyura-movie.jp/ |
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2003/11/8〜 2003年日本作品 |
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ジャスト・マリッジ ![]() |
アメリカでは「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」を超える大ヒットだった 、らしい??? 「私はラブコメが大スキ」っていうのは、もう皆さん、イヤというほどおわかり と思いますが、やっぱり見ちゃいました。しかも、前売り券購入して。 これぞ、正統派ドタバタ・ラブコメです。しかし、ドタバタしてるだけで、あん まり「キューン」ってするところは無いんだけどね。 デミ・ムーアと付き合ってた(?)という全然嬉しくない、本人にとっては多分 汚点な噂のアシュトン・カッチャー(確かに男前)。 彼が演じるトムが、ある日、ビーチで運命的な出会いをするのが、「お前、その 声タバコ吸いすぎだろ」っていう、どう見ても遊びすぎにしか見えないブリタニ ー・マーフィ演じる大富豪の娘サラ。 トムは、ラジオの交通情報のリポーター。当然、二人は身分違いの恋なのだ。 しかし、そんな方が盛り上がっちゃってっていうお決まりのパターンで結婚。 ハネムーンはヨーロッパ。 そこで、次々に起こるハプニング。二人の仲は、険悪に。 予告編を見たことある人。あれが、全てです。 あれに、主要なドタバタも、二人のなれそめも、険悪ムードも、そのあとのちょ っとイイとこも、ぜーんぶ出ちゃってました。 あまりにも王道すぎて、ちっとも面白くないんだよねー。ドタバタも先がわかっ ちゃうようなもんばっかだし。 犬が登場するのも最近の流行りじゃん。特にフォックスのラブコメ(「メリーに 首ったけ」「キューティ・ブロンド」)。 唯一良かったセリフは、トムのお父さんの「結婚生活は苦労も多い。私と母さん も努力した。アルバムに笑顔ばかりが写っているようにな」かな。 20年前の典型的アイドル映画みたい。日本でいうところの、聖子ちゃんとトシ ちゃん主演みたいなって、古いな〜。 (written by よこたようこ) |
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★★ トムの職業は、私の憧れ。どうやったらなれるの?交通情報のお姉さん って。あと、主役の二人は実生活でもカップルらしい。どっちでもいいけど。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/justmarried/ |
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2003/11/1 2003年アメリカ作品 |
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“アイデンティティ” ![]() |
豪雨で行き場を失った11人が閉じ込められた一軒のモーテル。 年齢・性別・職業・行き先もバラバラな彼ら。 電話も通じず、助けも呼べない状況で、一人また一人と殺されていく。 死体の横には、ルームナンバーが書かれた部屋のカギがカウントダウンのように 置かれている。 犯人は一体誰なのか?その目的は? とにかく、驚きます。 ネタばれ系映画なので詳しいことは書けませんが、驚きの展開です。 こんなにタイトルの意味を噛みしめたのは「振り返れば奴がいる」以来(話の内 容は全然違うけど)。 サスペンス好きのアナタ、是非見て下さい。 その展開は、ある意味、フレディを悪夢の中から引っ張り出して、ジェイソンと 戦わせるぐらいの規模です。 俳優もレイ・リオッタ、ジョン・キューザック以外はほとんど無名だし、セット もボロモーテルの上に豪雨の夜っていう設定でよく見えなくてすむという低予算 ながら、しっかりと最後まで飽きさせない仕上がりです。 しかも、無名ながらも俳優たちの演技はなかなかです。 最近、途中でオチがわかっちゃうサスペンスが多くてつまんないなーと私のよう に嘆いていた人にお薦め。 「なるほどねー。でも、そんなのありかよー」とビックリしたり、恐がったり、 笑ったり。 私の貧弱な推理力を超越した展開でした。こりゃ、一本とられたねってカンジ。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ サスペンスって言うか、ある意味ホラーでもある。グロいシーンとかは 「キル・ビル」の足元にも及ばないほど少ないけど。 |
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http://www.id-movie.jp/index_swf.html |
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2003/10/25 2003年アメリカ作品 |
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死ぬまでにしたい10のこと ![]() |
私もノートに書きました。私の「死ぬまでにしたい10のこと」。 あなたも、この映画を見たら、きっと書きたくなります。 アンは、23歳。 17歳で初めてキスした男性とできちゃった結婚。二児の母。 実家の裏庭のトレーラーハウスに住んでいる。 そんなある日、体調不良で病院に行ったところ、ガンであと2ヶ月の命だと宣告 される。 愛する家族のため、そして残された自分の僅かな時間のために、彼女はリストを 作る。 それが「死ぬまでにしたい10のこと」なのだ。 設定だけ聞いた時、私は、アンが生活に疲れた、所帯やつれした女だと思ってい た。 17歳でできちゃった結婚、夫は失業中、生活も苦しくトレーラーに住んでる、 夜の清掃バイトで家計を支えているって、これだけ聞いたらものスゴイ悲惨な感 じを想像するでしょ?しかも、父親は刑務所で服役中。そのうえ自分はガンだな んて。 ところがどっこい、旦那は失業中だけど、イイ人なのよ。子供達にもアンにも優 しいし。アンもちっとも悲惨な感じじゃない。 淡々と毎日の雑事をこなし、子供達もかわいがり、夫のことも愛してる。 ただ、死ぬってわかってから、自分の人生を見つめなおし、リストの項目を実行 することで、いままで何となく過ごしてきた日々が、急に意味を持ち始めるのだ 。 もちろん、残された家族のための項目が多いのだけど、それと同時に、女として の自分を意識した項目も。 私達も、毎日、生きるために必死になってる。 仕事の忙しさや、日常のストレスに、何のために生きているのか解からなくなる ことがある。 自分の人生から「自分」がなくなってしまうのだ。 そんな私達に「自分のことを、見つめなおして」と、この映画は語りかけてくれ る。 「死」は大きくクローズアップされず、むしろ「生」に重点を置いている。 主人公アンを演じるサラ・ポーリーの淡々とした、でも優しい声が、いつまでも 心に残る。 自分や周りの人に、優しくなれる気がする一本です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) 夫役のスコット・スピードマンは米の人気ドラマ「フェリシティの青春 」に出演。私も大好きなドラマです。あと、告知する医師役ジュリアン・リチン グスもイイ味出してます。 |
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http://www.shinumade10.jp/ |
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2003/10/25 2002年スペイン=カナダ作品 |
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キル・ビル ![]() |
タランティーノ節、炸裂でっす。 ユマ・サーマンの黄色いライダースーツのポスターにシビレタ人、多いでしょ。 あのチープな感じさえするビビッドな色使い。随所に登場します。 雪の中、ユマとルーシー・リュー(白い着物、似合ってる)が戦うシーンや、鮮 やかな背景にシルエットで映る戦闘シーン、突然出てくるアニメーションなど目 に焼きつく映像多し。 また、いつものことながら音楽がカッチョいい。 帰り道で「タッタラッタラッター」と口ずさんでしまうこと請け合いです。「新 ・仁義なき戦い」のテーマも印象的な場面で使われています。 飛行機のシーンや、沖縄のすし屋、東京の料亭(?)など、何じゃそりゃセット 爆裂。 そう、日本が舞台だけにおかしさも倍増なのです。 その日本語のアクセントのおかしさに、ひいてしまった人も多いようですが、私 にとっては、そのおかしさも含めたチープさがたまらんのです。 日本大好きタランティーノは、ある意味、私達の知らない日本を知っています。 マニア魂に参った。 ストーリーは単純。 女殺し屋のブライドは、結婚式当日に、夫もおなかの中の子供も出席者も殺され てしまう。元恋人で殺し屋組織のボスであるビルとかつての仲間たちの手によっ て。 ブライド本人も重症を負うのだが、奇跡的に助かり、幸せを奪ったかつての仲間 たちに復讐を始める。 首とか腕とか「スパーン」って切れて転がったりとか、痛いシーンはじゃんじゃ ん出てきます。 血とか弱い人は、見に行かない方がいいかも。 残酷系は私もかなり苦手だけど、ここまで嘘っぽいと大丈夫でした。 あと、ソニー千葉と栗山千秋、がんばってます。 タランティーノの過去の作品(「パルプ・フィクション」「レザボア・ドッグス 」「フォー・ルームス」)が好きな人も、初めて見る人も楽しめるエンターテイ メント作品です。 そうそう、続きものなので今回見逃すと後がツライかもよ。「マトリックス」み たいな「おいおい」っていう終わり方も、なかなか良かった。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ ナースに変装シーンがおっかしーので注目。その眼帯とベルトはなんじ ゃらほいって笑えます。そのようなシーンがてんこもりっす。 |
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http://www.killbill.jp |
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2003/10/25 2003年アメリカ作品 |
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スパイキッズ3-D:ゲームオーバー ![]() |
スパイキッズ、大スキーッ。だーって楽しいんだもーん。 しかも、三作目だから3−Dってベタなところも許せちゃう。赤・青メガネ(紙 製。お持ち帰り頂けます。)かけて準備万端、飛び出てこーい!! いろいろやってきましたが、今回のキッズたちはゲームの世界に入り込んじゃい ます。 ゲームを使って悪さするトイメーカー(何と!シルベスタ・スタローン)を倒す ため、カルメンとジュニはゲームの中で大活躍。 相変わらずのロバート・ロドリゲス監督、サービス満点です。 3−Dってだけでもおなかいっぱいなのに、その豪華キャストはシリーズ最高。 コルテスファミリーのパパ・ママは、アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエッ クよ! 息子にせがまれ出演のシルベスタ・スタローン、イライジャ・ウッド(ロード・ オブ…の)、スティーブ・ブシェミ、B・パクストン、それに大統領役のジョー ジ・クルーニー! どーだ!思い知ったか。スパイキッズをあなどるなかれ。 子供も大人も充分楽しめる、世界最年小スパイムービーだぞ。 といっても、姉カルメンがかなり成長しているので次回作は期待できないなー。 エンドクレジットの最後に、子役二人のかわいい映像のおまけ付き。ファンは必 見です。 上映中、後ろを振り返って赤・青めがねを微調整しながら見ている他の観客の顔 を見てみて。かなり、面白い。そして、自分の姿も鏡で見て笑うべし。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) 本当は☆4つ付けたいんだけど、3−D、目が疲れる。できれば真ん中 らへんの席で見た方が良い。 |
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http://sk3d.jp/ |
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2003/10/11 2003年アメリカ作品 |
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たまゆらの女 ![]() |
「たまゆら」とは、はかないという意味。 主人公は、売れない詩人を愛して、汽車で10時間の遠距離恋愛を続ける女。 しかも、週に2回も、その距離を往復するのだ。 詩人が彼女に宛てた一遍の詩。それを何度も反芻し、のめりこんでいく彼女。 情熱的な彼女は、やがて詩人の重荷になっていく。 そこに、偶然汽車で知り合った獣医が登場する。 健康的で、逞しい獣医は、彼女を積極的に誘う。 絵に描いたような、無いものねだりの三角関係ですわ。 繊細な芸術家男と、明るく肉体派の男。 貴女なら、どちらを選びますか? 彼女は、それでも詩人が忘れられないのです。 それはね、手に入らないものは魅力的に見えるからです。不幸な女にはありがち な選択です。 しかも、汽車から見える中国の田園風景が、また叙情的で、詩を反芻するにはバ ツグンな環境なんですわ。 「あなたは絶対ビッグになるわ」という女の期待。これ要注意。 世話焼きすぎると、重荷になる。覚えておきましょう。 主演のコン・リーは「さらばわが愛 覇王別姫」「赤いコーリャン」などに出演 の中国の実力派女優。(「さらば…」は作品としてもスゴク良いです。私も大好 きです。) ロングヘアーの方が似合ってます。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) 「遠くの詩人より、近くの獣医」これ、今月の教訓。しかし、今時、詩 人と獣医って設定、日本ではありえないなー。 |
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http://www.herald-arthouse.com/tamayura/ |
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2003/9/27 2002年中国作品 |
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くたばれ!ハリウッド ![]() |
「ゴッド・ファーザー」「ある愛の詩」「ローズマリーの赤ちゃん」「チャイナ ・タウン」さあ、これらの作品に共通する人物を挙げなさい。 正解は、ロバート・エヴァンスです。 答えられた人は、スゴイ。かなりの映画通ですね。 その、ロバート・エヴァンスの自伝映画が「くたばれ!ハリウッド」です。 んーっ、ロバート・エヴァンスって誰ね!?という日本人がほとんどだと思いま す。 本当は、お兄さんと洋服屋さんをしてたのに、仕事サボってプールでうかれてた ら何とスカウトされちゃって、「顔だけ」俳優になちゃったんだけど、長くは持 たず、映画会社に入って、エライさんになっちゃった人なのよ。 何だか、成り行き任せ人任せな感じだけど、人はどこで才能を発揮するかわから ないもんだ。 彼が企画する映画は、次々に大ヒット。しかも、誰も目をつけないような奇抜な 作品ばかりをチョイスして。 皆さんの記憶に残る名作も、いくつもございます。 しかし、私生活はやはり成り行き任せだった。 「ある愛の詩」の主演女優アリ・マッグローが自宅のプールで泳いでいるのを見 てフォーリン・ラブ。 彼女と結婚するが、「ゲッタウエイ」で共演したスティーブ・マックイーンに略 奪されてしまうのだ。 その上、麻薬で捕まったり、殺人事件の容疑者になっちゃったり。 「波乱万丈」に出演できそうな人生(まだお元気ですが)。 そんな彼が自らナレーションする紙芝居風ドキュメンタリー。 写真にナレーションっていう、このCG全盛期に何てアナログな手法。 そこもまた70年代っぽくて、オシャレ。 でも、かなり映画好きじゃないと、眠くなっちゃうかなー。違う意味で、くたば っちゃいます。 (written by よこたようこ) |
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★★★ 彼のプール付き豪邸を見るための映画。もう、その豪邸にシビれます。 素敵すぎる。リゾートみたいよ。アリ・マッグローじゃなくてもイチコロ。住み つきます。 |
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http://www.kutabare.com/ |
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2003/9/20 2002年アメリカ作品 |
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10億分の1の男 ![]() |
世界一、強運な男。 それは、砂漠にぽつんと立つカジノの地下に住んでいる老人だった。 彼に挑戦するため、各地から「我こそは強運の持ち主」という者たちがゲームに 勝ち抜いてやって来る。 そのゲームとは、例えば、森の中を目隠しして全速力で駆け抜ける。最後まで木 にぶつからなかった者が勝者。 そして、勝者は敗者の「運」を奪い取って、老人に挑戦するのだ。 その最後のゲームは、極めて単純。ロシアン・ルーレットだ。命を懸けたゲーム 。 老人は、何年も勝ち続けていた。そして、挑戦者の「運」を奪い、更に強運にな っていく。 かつて、その老人の秘蔵っ子だった男が、老人に挑戦する強運な男を探し当て、 ゲームに参戦する。その選ばれた男とは、飛行機事故でたった一人生き残った男 だった。 その男を追う強運な女刑事、男の恋人、他の挑戦者を巻き込んで、事態は思わぬ 結末に。 予告編見てたら、スゴイ掘り出し物のスペイン映画だと思うのに、実際は、眠い 。 私の両隣は寝てました。振り返ってみたら、半分くらい寝てた。 なぜ? それはね、一言で言うと、導入部分が長すぎる。 なかなかゲームが開始されないのよ。ゲームのシーンは面白いんだけどね。 あとね、「運」を奪う方法がね、ショボい。 設定はスゴク面白いのになー。予告編には、かなりワクワクしたのに。 もっとテンポ良く、ゲームの数も増やしてハリウッドでリメイクしたら当たるん じゃない? 配役は、老人をアル・パチーノ、挑戦者にブラッド・ピット、かつての部下にニ コラス・ケイジぐらいで。 (written by よこたようこ) |
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★★★ 「我こそは、睡魔に負けない強靭な精神力の持ち主」って人におすすめ の映画です。 |
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http://www.klockworx.com/10oku/ |
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2003/9/20 2002年スペイン作品 |
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ティアーズ・オブ・ザ・サン ![]() |
もの申すー!! 何じゃこりゃ?! 後味わるーっ。ストレス溜まるー。 主人公はウォーターズ大尉(ブルース・ウィリス)。アメリカ海軍特殊部隊、部 下は7名。 任務は、アフリカのナイジェリアで、ボランティアで難民の治療をする女医リー ナを救出すること。 簡単な任務のはずだったのに、リーナ(モニカ・ベルッチ)が「難民を見捨てて 逃げるわけにはいかない」と救出を拒否。 その情熱に心を動かされたウォーターズ大尉は、命令に背いて、28人の難民を 部下とリーナと共に国境越えさせようとする。 険しい山道。叩きつけるように降る雨。反乱軍の激しい追跡。60キロ先の国境 はあまりにも遠い。 何で? もっとアタマ使って、何か適当な言い訳考えて、もう一台ヘリ呼んでもらったら みんな助かったじゃん。 何かもう善意の押し売り? みんなが危険な目に遭うのよ。罪の無い自分の部下もよ。 他にやり方あったんちゃうのーん? 「泣け、泣け」っていう、サブリミナル効果狙ってるような映画よ。 確かに、実際のアフリカの内戦はこんなもんじゃない悲惨さかもしれない。 むごたらしい殺戮シーンは、見ているのが辛かった。 でも、これは、そういうことを訴える映画ではなく、「アメリカ人の良心とは」 というテーマの映画。 あんなに、ちゅどーんってマッハで飛んでくる戦闘機持ってるんだったら、もっ と早めにみんな良心見せとけ、アメリカ海軍。 やっぱしブルース・ウィリスの映画でした。がんばったぞ、オレ。ほとんど仲間 死んじゃったけどっていう。 終わり方も中途半端。 監督は「トレーニング・デイ」のアントワン・フークア。何で?ってカンジ。 (written by よこたようこ) |
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★☆(1.5) 教訓:内面的な深みのある描写・演技などを、ブルース・ウィリスの出 る映画に期待してはならない。娯楽映画が彼にはお似合い。 |
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http://www.movies.co.jp/tears/ |
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2003/10/25〜 2003年アメリカ作品 |
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トゥームレイダー2 ![]() |
かなり前に、シネボードの方に「トゥーム・レイダー、面白かった」と書きまし たが、これはホント。 全然期待せずに、BSで放送されてるのを偶然見たのですが、インディー・ジョ ーンズ女版って感じで面白かったのよ。 まず、トレジャー・ハンターっていう職業がイイじゃん。 ちなみに、私も職場では「トレジャー・ハンターようこ」って呼ばれてんのよ。 なぜって、宴会のビンゴで必ず賞品をGETするから。アンジェリーナ・ジョリ ー演じる主人公ララとは、えらい違いだけどね。 ほんでもって、ララはビックリするほどナイス・バディ(これも私とはえらい違 い)を出し惜しみしないのよ。 常にピッタリ系コスチューム。 そんな衣装で、ばりばりハードアクション。しかも、頭もキレる。才色兼備。 男性諸君にはたまらん、女性には憧れの的。 そんなララの、世界を股にかけた大冒険のパート2ってことで、こりゃ見逃して はなるまいと出かけていった訳ですわ。 内容はねえ、相変わらずどっちでもいいような話なのよ。 こういう映画は、頭からっぽにして、ビールとポップコーンで盛り上がるのよ。 ララはねー、今回もド派手。 ジェットスキーに、パラシュートに、鮫まで利用しちゃうんだから。 本人も言ってたけど、期待を裏切らないアクションっす。ま、必要ないもんも多 いんだけど、アンジェリーナ・ジョリーがガハガハ笑いながら楽しそうにやって るのが、見ていて気持ちいい。 そして、世界中に友達がいて、協力してくれんのよ。ララに。 日本に来てくれたら、私も協力するよー。テレビ貸すぐらいしかできんけど。 残念なのは、木のお化けとアジアのシーンが多かったことかなー。 次は、ヨーロッパやアメリカの秘境にも行ってほしいなー。 もう、アンジェリーナ・ジョリーといえばララよ。この、ゴージャスでカッコイ イキャラ大好き。突っ走ってほしいっす。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) 内容は薄いので点数は低めですが、ツッコミどころは満載。ムササビ飛 びシーン、最高っす。 |
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http://www.tombraider.eigafan.com/ |
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2003/9/20〜 2003年アメリカ作品 |
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座頭市 ![]() |
北野映画って、どう? 実は、私、苦手なんだなー。 だって、眠くなっちゃうんだもん。セリフ少なくて。 あと、つめたーく殺しあうでしょ、やたらと。あれも苦手。 好きなのは「あの夏いちばん静かな海」。初めて感情移入できた。 あと「キッズ・リターン」が好きっていうのも、よく聞く。 今回、座頭市も、正直全然期待してなかった。 どうせ、無言でズバズバ切って、私を眠りに誘うのねって思ってた。 ところが、寝なかったね。一睡も。 話は、単純明快。 盲目の居合いの達人座頭市が、町を牛耳ってる悪い奴らを斬るっていうもの。 悪い奴の用心棒を演じるのが浅野忠信。 客層的には、勝新太郎の座頭市を知ってる人と知らない人が半々ってカンジ。 まず、満席なのに驚いた。しかもミニ・シアターじゃないのに。 「どうせ、ガラガラよ」と言いながら行った私達は、「この尋常じゃない混み具 合は、もしかして、たけし死んだ?」などと失礼極まりないことを話し合いつつ 列に並んだりした。 確かに、金熊賞を取ったことは影響してると思う。けど、それなら「HANAB I」だって、もうちょっと見に行く人いてもおかしくなかったよねー。 やっぱり、座頭市っていうキャラだよね。 勝新世代は、比較するために。知らない世代は、ズバズバ痛快時代劇を求めて。 というわけで、全然寝なかったけど、スゴクおもしろかったわけでもなかった。 でも、他のたけし作品よりは面白かったかなー。わかりやすかった。 時代劇になっても、たけしカラーは健在。私にはどうしても、間延びしてるよう に見えてしまうシーンがある。2時間が長く思えた。 お笑いシーンがあるとか、タップがあるとかって話題みたいだけど、どっちでも いいかなー。別に。 ただ、たけし時代劇、結構似合ってるんじゃないとは思った。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) 痛快娯楽作品を期待していくと、ちょっと重いかなー。タップもちょっ としか出てこなくて残念。 |
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http://office-kitano.co.jp/zatoichi/ |
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2003/9/6〜 2003年日本作品 |
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28日後 ![]() |
この映画は、一人で見に行ってはいけません。 だって、絶対帰り道、誰かに感想を言いたくなるんだもーん。 ちなみに、私は、見終わった後、2時間友人と語りました。 ある日、交通事故による昏睡状態から目覚めた主人公ジム。 病院のICUから出てみても、人っ子ひとり見当たらない。無人。 ロンドンの町に出てみても、全然人がいないのよ。あの有名な観光地ビックベン にもトラファルガー広場にも、誰一人として人の姿が見えない。廃墟。 大声で「HELLO!」と叫んでみる。こだまはするが、返事は無い。 原因は、新型のウィルスだった。 感染すると、10秒ほどで神経が破壊され、びっくりするほど凶暴になり、感染 してない人を襲う。瞬く間に感染は広がっていったのだ。 一握りの感染してない人々と、僅かな希望を求めて旅をするジム。 常に危険と隣り合わせの旅を。 って言ってるはしから、危険な方へ危険な方へと向かって行くのよねー。 もー、そっちに行ったらあかんやろとか、そんなこと今しなくてもええやんかと かいうことを、いっぱいするのよ。この人達。 ほんで、案の定、感染者がガッバーって襲ってくるのよ。 この感染者が、ちょっとコワ面白いのよ。 私と友人は、「久々に見たバタリアン」と名づけました。ゾンビなのよ、見た目 。 ものすごい凶暴で、絶対に映画館で見ることをおすすめ。 音とかでっかい方が絶対いいよ。 それはさておき、ダニー・ボイル監督らしさが久々にでていて、良かった。 「トレインスポッティング」でブレイクしたものの、ディカプリオの「ザ・ビー チ」でこけちゃってたからねー。 あの、独特の疾走感、音楽の使い方が復活してます。 テーマもきちんとしたものがあり、「生きる」ということについて考えさせられ ます。 生き残ることが、果たして幸せなのか。人は元々殺しあう動物ではないのか。 でも、「HELP」ではなく、最後まで「HELLO」なのです。 とにかく、見た後いろいろ考えて、いろいろ話したくなる映画。 一人で行っちゃ、ダメよ。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 結末が2パターンあることも話題になってます。私は別に2つもいらん のではと思いました。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/28dayslater/ |
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2003/8/23〜 2002年アメリカ作品 |
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藍色夏恋 ![]() |
なんて青春なタイトルなの!? 藍色な夏恋よ。 このタイトルで既に腰が引けてる人。正解。 恥ずかしいくらいに、青春なシーンがガンガン出てきます。 体育の授業、ラブレター、壁の落書き、真夜中のプールなどなど。 もう、私なんか、そんなもんから遠ざかりすぎてて、終盤まで全然感情移入でき んかったんよ。 主人公の女の子モンは、親友に頼まれてラブレターを渡す。 相手は、お調子者の男子チャン。ギター部と水泳部に所属。 しかし、これまた残酷な青春時代にはよくある話で、チャンはモンのことが好き になり猛アタック。 親友と、その好きな男の子の間に挟まれたモン。 しかし、モンには秘密があった。ある日、その秘密をチャンに打ち明けるのだが …。 もー、恥ずかしーっていうような話なのよ。終盤まで。 自転車通学で、信号待ちしてる時に、ちょっとずつ相手より前に出てみたり、海 に行って岩に座って語り合ったり。 思い出すのに時間がかかるようなできごとばっかりよ。私にとっては。 ところが、終盤、モンが秘密を打ち明けることによって、二人は何となく運命み たいなもんを理解するのよ。何となくだけど。 それは、恋愛としては成就しなかったけど、二人の間に確かな絆を生む。 もしかしたら、淡い青春時代の恋愛よりも、もっと深い。 それが、チャンのシャツが風に翻るシーンでじんわりと感じられて、そこだけで 涙が出た。 そのシーンの美しさ。たったワンシーンで。 青臭くて、全然感情移入できないけど、そのシーンは心に染みました。たぶん、 それは私が大人になったから。大人になって、振り返れるから。 10代の人が見ても、そのシーンの良さはわからないかもしれません。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) この映画を見ると、キムタクは香港でも人気があるとわかります。 |
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http://www.natsukoi.net/ |
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2003/7/26〜 2002年台湾=フランス作品 |
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セクレタリー ![]() |
秘書って、言葉の響き自体が既に良い意味でセクシー。 だって、才色兼備って感じがするじゃん。 白いブラウスに、スリットが入ったタイトスカートにハイヒール。 デキるってカンジ。 そんなイメージとはちょっと違ってますが、この映画の秘書もかなりセクシーっ すよ。 秘書役を演じるマギー・ギレンホールは、最初は地味ーで、パッとしない女の子 なのよ。 自傷癖があり入院していたけど、タイプの学校に通って晴れて社会復帰。 近所の弁護士事務所に秘書として就職するんだけど、その弁護士(ジェームズ・ スペイダー)もかなり変わってる。 神経質な上司と、地味な秘書。 しかし、秘書の自傷癖を知ってから、上司の態度は一変。 タイプミスすると、赤ペンで添削された上にお尻ペンペンされるのよ。 いわゆるSMの世界ね。 しかし、そのペンペンで彼女は癒され、自傷しなくなるのよ。そのためにわざと タイプミスしたり。しかも、どんどんキレイになっていく。服装や髪型、メイク にも気を使って。普通の恋する女の子の姿なのよ。 そこが、この映画のただのSMもんと違うとこ。彼女は、初めて自分をわかって くれる人に出会い、本当の愛を見つける。 そして、彼の閉ざされた心を開こうとするのよ。何と、純愛ものに変化するのよ ー。 そんな、摩訶不思議な純愛SMムービー。 私は、全然SMについての知識が無いですが、そんな普通の人でも大丈夫。 変わってますが、愛の形は様々ですもんね。 秘書ってやっぱりセクシーっす。 だって、いろんなことしてくれるんだもんねー。ペンペンは痛そうでイヤだけど 。 (written by よこたようこ) |
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★★★ アールデコとアジアの混ざったインテリアや蘭の花、音楽もミステリア スでセクシーよん。 |
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http://www.gaga.ne.jp/secretary/ |
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2003/7/19〜 2002年アメリカ作品 |
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デブラ・ウィンガーを探して ![]() |
見終わった後、泣いてしまった。 全然、泣く映画ではないのよ。 自分でも驚いて、あわてて涙を拭いた。 3粒ほどしか流れなかったが、何故涙が出たのだろう。 私は、ここ何年か、自分を好きだと思ったことがない。 どちらかというと、嫌い、である。 今の職場に移ってから、自分の嫌いな部分を何個も発見した。 それまでも、自分に自信がないタイプではあったが、そんなに自分嫌いではなか ったのに。 もう若くもなく、仕事も誰がやってもできる仕事。 ガンガン入ってくる若い娘たちには小言を言わなければならず、そんな私を見て 男性たちは「小姑みたい」などと言ったりする。 若いというのは、それだけで素晴らしいことだ。キラキラしている。 そんな若い娘たちを見て、普段からコンプレックスの塊の私が、打ちのめされな い訳がない。 そのうえ、悪役レスラーみたいな立場なのよ。ツラい。 仕事をきっちりやったところで、何の評価も受けず、冷やかしの対象になったり 、かえって若い娘に迷惑がられたり。 それでも、年齢相応に内面が充実してたり、仕事のキャリアを積んでたりしてた ら全然いいのよ。 でも、それも無いもんなー。おまけにオトコもいないし。 何も、成し遂げてない。 そんな自分を好きになれっていう方が、難しい。 そんな、ちっこい悩みで悩んでる自分もイヤだなーなんて思ってたら、他にもい るのよ。悩んでる人が。 しかも、それがハリウッド女優だったりするのよ。 ショービズ界で働いてる彼女たちこそ、老いは深刻な問題。 日々、若くてフレッシュな女優が出現してきて、年に一度の新入社員に怯える私 とは、その悩みの規模は全然違う。 でも、自分のキャリアに自信が持てなくなったり、家庭との両立ができなくなっ たりって、なんか、規模は違うけど、私達の悩みと根本は同じでは? そんな、女優たちの想いが、あけすけに告白されたドキュメンタリーが、この映 画。 34人の女優たちが、同じ女優でもある監督のロザンナ・アークエットのカメラ に向かって、等身大の本音を語っています。 つくりものではない彼女らの想いに共感して、情けない自分に嫌気がさして、涙 が出たのかなー、などと思いつつ、明日も仕事に向かう現実が待っているのだ。 いつか、彼女らのように、ありのままの自分を愛せる日が、私にも来るのだろう か。 ヴーン…。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) 印象に残ったのは、シャロン・ストーンと監督でもあるロザンナ・アー クエットの話。メグ・ライアン、グィネス・パルトロウ、ダイアン・レインなど など有名どころ、なつかしどころ多数出演してます。 |
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http://www.debra.jp/wn.html |
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2003/6/28〜 2002年アメリカ作品 |
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シモーヌ ![]() |
私は、あまりにもCGを多用している映画は、好きではない。 技術の進歩は素晴らしいと思うが、それに頼りすぎては、何でもありになってし まう。 演技不可能なスタントも、人間ではなく、CGがいとも簡単に演じてしまう。 そりゃ、ちょっとならいいけど、あんまりそればっかりではねー。 じゃあ、何でもCGで作ってしまえばいいってことじゃん。人間の小さな心の動 きとか、微妙な演技のニュアンスとかは、必要無いの? しかし、そんな考えを逆手にとった映画が現れた。 ビクター(アル・パチーノ)は、売れない映画監督。 何年も温めてきた作品の撮影に入るが、わがままな主演女優(ウィノナ・ライダ ー、はまり役!)に降板されてしまう。 困ったビクターは、CGで作り上げた女優を、できあがったフィルムにはめ込む ことに。 シモーヌと名づけられた、このCG女優。いろんな女優のイイとこ取り。 オードリーのほほ笑み、ジョディの演技力、キャメロンのスタイルなど自由自在 に組み合わせ、理想の女優に。 しかも、CGなので文句も言わず、監督のいいなり。 言うことなし!だったのだが、公開したところ、シモーヌ人気大爆発。 アカデミー賞にもノミネートされてしまい、今さらCGだとも言い出せず…。 マスコミは、何とかしてシモーヌの姿をキャッチしようとするのだが、そのたび にビクターは右往左往。 苦しい言い訳や、びっくりするような嘘の上塗りのオンパレード。 初老のアル・パチーノが、あたふたする演技、最高です。 ハリウッドの俳優たちの高騰するギャラや、おどろくような私生活、わがままな 態度を完全におちょくって、「そんなんだったら、CGの方がよっぽどいいよ」 と皮肉もたっぷり。 監督は「トゥルーマン・ショー」「ガタカ」のアンドリュー・ニコル。 どちらの作品も、私はかなり気に入ってます。その、発想の斬新さはスゴイ。 しかも、ちゃんとテーマもあり、展開も飽きさせず、見終わった後考えさせられ ます。 今回の「シモーヌ」も、なかなか良かった。だって、こんなテーマの映画なかっ たでしょ。今まで。 しかし前2作には、あと一歩及ばず、でした。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) CGで作り上げたという設定のシモーヌ。何と、実際に演じていた女優 あり。レイチェル・ロバーツというカナダ出身のスーパーモデル。キュート!っ す。 |
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http://www.simone.jp/ |
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2003/9/13〜 2002年アメリカ作品 |
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ロボコン ![]() |
何と、この映画の舞台となった学校「徳山高専」の駅3つ向こうの町で、私は、 生まれ育ったのだ。 何かに夢中になるわけでもなく、グレるでもない。 でも、目的のない毎日に寂しさを感じている。 そんな青春時代を過ごしている、この映画の主人公の里美(長澤まさみ)は、ひ ょんなことから第二ロボット部に所属することになる。 徳山高専第二ロボット部。 第二があるからには、当然第一がある。 第一ロボット部はロボットコンテスト「ロボコン」全国大会に出場経験ありのエ リート部。部員も何十人もいる。 そんな第一からはみ出した、部員数僅か4人の第二ロボット部。 「おちこぼれ」と、第一からバカにされているのだが、これまた成り行きで全国 大会に出場できることとなり…。 ロボットが、箱を積み上げるという単純な競技なんだけど、なかなかに奥深いよ 。ロボコン。 あなたも、NHKで時々放送されてるのを見たことあるでしょ? あれよ。あれ。 駆け引きとか、作戦とかあって、なかなか見ごたえあるのよ、これが。 その世界に、しだいにハマっていく第二ロボット部の4人。 今どきめずらしい、直球勝負の青春映画。 友情あり、合宿あり、涙あり、海あり、みたいな。 でも、決して暑苦しくなりすぎないところが理系たるゆえんかなー。 普通の若者たちが、初めてがんばってみたら、かなり楽しかったっていうカンジ が素直に出てて好感度大っす。 面白かった。 しかも私のふるさとが舞台だし、邦画では今年一番のおすすめ。 若い頃に、こんな経験ができるっていいよね。 満たされない気持ちのまま過ごしていた、私の高校時代。この映画の主人公たち がうらやましい。 あと、顧問の図師先生(鈴木一馬)が、いいのよー。こんな人、大好き。理想。 見た後、何か幸せな気分になれる青春映画。こういうの好きだなー。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) 文化部版「ピンポン」と言えそうな、この「ロボコン」。こっちの方が 、手作りの「素朴さ」みたいなものがある。内容はこっちの方が「ハイテク」な のにね。部活映画、好き。 |
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http://www.robocon-movie.com/ |
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2003/9/13〜 2003年 日本作品 |
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フォーン・ブース ![]() |
実は私、半年くらい前までケータイ持ってなかったんです。 お恥ずかしい話ですが。 だから困ってたんです。携帯電話の普及で、公衆電話少なくなったでしょ。 肝心な時に見つからなくて。電話ボックス(フォーン・ブース)が。 この映画の主人公スチュ(コリン・ファレル)は、2台もケータイを持ってるの に、毎日決まった電話ボックスから電話をかけていた。 ケータイは仕事用。彼は、自称スゴ腕の芸能エージェント。実際は、ケータイを 駆使して平気で嘘の約束をするゴーマン男。 彼には電話ボックスから電話しなければならない訳があった。 その日も、お決まりの電話ボックスから電話した。すると切った後、突然、電話 がかかってきたのだ。その公衆電話に。 反射的に受話器をとってしまう彼に、電話の声は、こう告げる。「電話を切った ら、殺す」。 81分という短い上映時間ながら、そのほとんどは電話ボックスとその周辺が舞 台。 ニューヨーク、マンハッタンのど真ん中のとある電話ボックスに閉じ込められる 主人公。 聞き覚えの無い相手の声。 しかし、その謎の男はスチュのプライベートの秘密をなぜか熟知している。 と、なかなか興味をそそられる設定でしょ。 主役のコリン・ファレルもキテるよ。 これから「S.W.A.T」「ザ・リクルート」など公開待ち遠しい作品が目白押し。 あのちょっと小汚い無精髭がハリウッドではセクシーとか言われてるらしい。 プライベートもスゴイ。21歳のイギリス人女優と4ヶ月の結婚後、ブリトニー ・スピアーズと噂になってみたり、交際中のモデルとの間に赤ちゃんができちゃ ったり。 お盛んですなー。 内容も出演者も大注目のこの作品。短いながらもよくできてます。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 今、全米で話題騒然のドラマ「24」で、久々に復活してきたキーファー ・サザーランドも出ています。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/phonebooth/ |
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2003/11/22〜 2003年アメリカ作品 |
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恋は邪魔者 ![]() |
恋は、全然邪魔者なんかじゃなーい。 むしろ、ワタシ的には大歓迎。 そんなタイトルの映画なんて、絶対見ないもんねー、なんて言ってる人。見て。 恋する映画だから。 なんたってカワイイのよ。何がってレニー・ゼルウィガーがよ。 その昔、私の男友達が言っていた「俺の好きなタイプは、おぼこい(幼い)顔し て、ナイスバディ」。 まさに、レニーがそれなのよ。 「シカゴ」で踊りすぎたせいか、「ブリジット・ジョーンズの日記」からは考え られないヤセっぷり。 そのか細い手足の上に、プクプクしたほっぺにぽっちゃりした唇。 そう。あのプチューっていう唇の形が何ともチャーミング。プチューよ、プチュ ー。 試写会の次の日、職場で真似しようとしたが、ちょっと恥ずかしくてできんかっ た。 ここぞと言う時には、使う予定。 そのレニー演じる主人公バーバラは、本当に成功したいと願う女性にとっては恋 は邪魔者であるという本の著者。 その本が、大ベストセラーになったおかげで、超プレイボーイの記者キャッチャ ー(ユアン・マクレガー)は全然モテなくなってしまった。 キャッチャーは、バーバラの説が正しくないことを証明するため、彼女を自分に 夢中にさせ、その暴露記事を書こうと、恋の罠をしかけようとする。 60年代ニューヨークが舞台。登場する衣装は100着以上。 かなりおしゃれでカラフル。これだけ見てても楽しい気分になります。 セットのインテリアもポップ。 そして、ミュージカル作品で実力を見せた主演二人の歌とダンス。 これぞ、ラブコメの醍醐味。 夢のようにキラキラした世界。恋する切なさ、楽しさ。 今年の秋、デートに最適でっす。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ しかし、恋の代わりにチョコレートってのは、設定的にはカワイイけど …。でもチョコも恋も全然「邪魔者」じゃないよ。特に私には。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/downwithlove/ |
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2003/10/? 2003年アメリカ作品 |
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リーグ・オブ・レジェンド 時空を越えた戦い ![]() |
これねー、設定はスゴクいいのよ。途中まではワクワクする。 でも…。 時は19世紀末、巨大な悪の組織が、世界中に戦争を起こそうと企んでいた。 その悪の権化「ファントム」と戦うため、イギリスは超人たちを集結させ「ザ・ リーグ」を作り上げた。 超人紳士同盟「ザ・リーグ」のメンバーは、透明人間、ジキル博士とハイド氏、 ヴァンパイア、トム・ソーヤ、不死身の男、ネモ船長、そしてリーダーの「ソロ モン王の洞窟」のアラン・クオーターメイン。 リーダーの冒険家アラン役を、何とショーン・コネリーが演じています。 ショーン・コネリーでもってるような映画です。 フィクションならフィクションでかまわんのよ。 だって、みんな小説の中の主人公なんだもの。うそもんで結構。 嘘なら嘘で、もっと楽しくやってほしかった。 だって、透明人間とトム・ソーヤが一緒に戦うなんて、考えただけでも笑える。 その笑える要素を生かして、もっと豪快に楽しく作ってくれたらよかったのに。 暗ーい画面で、何が起こってるのかよくわからんのよね。 せっかくのスゴイCG技術も、あんなに暗かったらよく見えん。 リーグのメンバーたちが、謎の男Mのところに集結するまではスゴクわくわくす るのよ。 こんな人たち、全部使っちゃていいのー?みたいな。 でも、何せ暗い。 発想はいいのに、残念だなー。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) 監督は「ブレイド」のスティーブン・ノリントン。ショーン・コネリー ももっと作品を選んだ方がいい。何だかもったいないカンジ。もうアクションし なくてもいいじゃん。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/league/index.html |
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2003/10/? 2003年アメリカ作品 |
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マッチスティック・メン ![]() |
リドリー・スコット監督とニコラス・ケイジ。 何で、二人が組んで、こんなんしかできんかったかな。 もちょっと、やりようがあったのでは? マッチスティック・メンとは詐欺師のこと。 ニコラス・ケイジ演じるのは潔癖症の詐欺師ロイ。 彼は、相棒のフランク(サム・ロックウェル)と、電話で「おめでとう!あなた は当選しました」という、よくあるちんけな詐欺を商売としている。 以前は大きな詐欺をしていた彼も、潔癖症で分析医の治療を受けることとなり、 今は小さな詐欺をして暮らしていた。 その分析医から、ロイは自分に娘がいることを知る。離婚した妻は、当時妊娠し ていた。 娘は14歳。一度も会った事が無かった彼女と、何故か暮らすハメになる。 ある日、大きなヤマがあると相棒のフランクが話を持ちかけるが、娘を巻き込み たくないロイは気乗りしない。だが、次第に巻き込まれてゆき…。 リドリー・スコット監督といえば「ブレード・ランナー」「グラディエーター」 などの超大作監督。 ニコラス・ケイジといえば「月の輝く夜に」「フェイス・オフ」などのアカデミ ー俳優。 そのうえ、脚本は「オーシャンズ11」のテッド&ニコラス・グリフィン。 プロデューサーは「フォレスト・ガンプ」のロバート・ゼメキス。 と、書くのも恥ずかしいような超大物メンバーが揃いも揃ってこれかよ!! もうチラシに「2003年秋、絶対キレイに、だまされる」とか書くのやめよう よ。 こんなこと書くから期待しちゃうじゃん。 どんでん返しって、途中からわかっちゃうんですけど。何となく。 潔癖症の詐欺師っていう設定は面白いけど、全然伏線とかじゃないです。 やっぱ、リドリー・スコットは超大作がお似合い。 ヘンに小洒落たものを作ろうと思ったのが間違い。餅は餅屋。 あなたには、壮大な作品がお似合いです。 ニコジーも、もっと作品を選ばなきゃ。演技力のムダ使いです。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) 同じ潔癖症ものなら「名探偵モンク」のほうが面白いよ。 |
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http://www.matchstick-men.jp/ |
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2003/10/4〜 2003年アメリカ作品 |
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ゲロッパ! ![]() |
あんまし、映画見る前に、監督の話とか聞かない方がイイですよ、本当に。 先日、井筒監督の話を聞く機会があったのですが、イメージとかなり違ってまし た。 イイ人。 バラエティ番組のコメンテーターとして毒吐いてる人と同一人物とは思えない。 イイ人すぎて、拍子抜け。 真面目に日本映画の行く末を考えてる人でした。 監督曰く、ハリウッド映画は、作り手に愛が無いものが多い。 意味無く人が死にまくったり、アメリカ万歳的なものが大半である。 これに対して、日本映画の何と愛に溢れていることか。 映画とは本来、嫌な日常を忘れさせ、夢を見せるものだ(これは、スピルバーグ も言ってた)。 笑わせて、ちょっとほろっとさせて、明日もがんばろうという気分にさせてこそ 映画だ。 日本の監督たちには、それができるはず。 「ゲロッパ」もそんな映画です。 西田敏行扮するヤクザの組長が、刑務所に入る前に、もう一度ジェームス・ブラ ウンのコンサートに行きたいと口走ったことから、子分たちは、組長には内緒で 、ジェームス・ブラウンを誘拐しようとする。 組長には、もう一つ思い残したことがあった。それは、25年前に別れたきりの 娘に会う事。 果たして、2つの願いは叶うのか。 関西出身の監督らしく、関西出身スターで固められてて、大阪弁や細かい地元風 言い回しにも、うそ臭さが無い。 岸部一徳も山本太郎も藤山直美もトータス松本もいい味出してる。 子役もスゴクかわいい。「お、おじいちゃん」って言ったところで、不覚にも、 私もほろっときてしまった。 でも、監督が言ってた「東京のお客さんで、笑いすぎてひきつけ起こした人がい る」シーンは、違う意味でひきつけ起こしそうでした。 笑いはちょっとベタすぎる観あり。 やっぱ、詳しいエピソードは、見終わってから聞くべきですなー。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) 西田敏行、岸部一徳、藤山直美のダンスの上手さにはビックリ。最近の 邦画では、なかなかのエンターテインメントな作品です。 |
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http://getup.so-net.ne.jp/ |
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2003/8/16〜 2003年 日本作品 |
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永遠のマリア・カラス ![]() |
私、おすぎが「大泣きした」って言ってる映画で、あまり泣いた事が無いんです 。 確かに、マリア・カラスをオンタイムで知らないっていうのはある。 だって、私が見に行った時、劇場の半分ぐらいはシルバー割引で来てるおじさま 、おばさま方。 あとは、おすぎのCMの影響を受けたであろうOL風の人たち。 歌声を聞いたことはあっても、オペラに縁遠い、イチ日本の庶民の子の私として は、マリア・カラスって言われてもねー。 つーか、多分、人より映画好きな分、サントラやBGMで普通の若者よりは、カ ラスの歌声に馴染んでいるはず。 全盛期が過ぎた天才の葛藤と孤独。 この内容もなかなか年齢的にわかりづらいかもしれん。 でも、昔のように声が出なくなって苦しむカラスの姿や、恋人に捨てられた孤独 な暮らしぶりなどは、人として理解できる部分は多い。 たぶん、ジェレミー・アイアンズが悪いんだな。 ポニーテール髪がインチキ臭いし、フィクションだっていう部分がこの人に凝縮 されすぎてる。 ちょっと話が大げさすぎて、うそ臭くて、感情移入できん。 一旦、うそ臭いと思いだすと、ファニ・アルダンの演技も、シャネルの服も、男 前過ぎる相手役も、みんなオーバーすぎる気がしてくる。 そんなわけで、今回も泣けませんでした。 もうちょっと年取ってから見直してみたら、号泣するかもしれないなー。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) 歌声は素晴らしいです。本当に。サントラ買おうかと思いました。 |
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http://www.gaga.ne.jp/callas/ |
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2003/7/19〜 2002年フランス作品 |
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天使の牙 ![]() |
久々の予告編負け。 予告編、すごく良くできてる。見てみよっかなーって気にさせる。 「私の唇じゃない、私の髪じゃない、私の腕じゃない…。私が私じゃない」って いう。 じゃあ、誰なんだ?ってなカンジじゃない? 殉職した刑事、明日香(黒谷友香)。 彼女の脳は、同時に死んだ、ある女の体に移植される。 その女は犯罪組織のボスの愛人はつみ(佐田真由美)。 組織に潜入捜査するために、はつみとして生まれ変わった明日香。 心はそのままに別人の体になってしまった。 恋人だった同僚の刑事(大沢たかお)にも気付かれず。 「私に気付いて。私に気付かないで」 切ない明日香の恋心は、結構伝わるんだけど、その他がねー。 ミュージックビデオみたいなのよ。 アクションはがんばってるんだけど、何か話の盛り上がりが無いんだなー。 映像に重みが無いっていうか。 犯罪組織のボスも、ちょっとしたロリコンって感じだしねー。 それならば、切ないラブストーリー部分をもっと強調してほしかった。 見終わった後、お騒がせデュオ「タトゥー」の曲ばかりが耳に残った帰り道でし た。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) 佐野史郎・西村雅彦・萩原健一・永井大など、キャストは「踊る大捜 査線」にも負けないくらい豪華なのに…。大沢在昌原作。 |
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http://www.tenshinokiba.jp/ |
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2003/8/23〜 2003年日本作品 |
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10日間で男を上手にフル方法 ![]() |
10日間で男をフルなんて、どうよ!? マシュー・マコノヒーやぞ? もったいない! 確かにちょっと癖ある顔だけど、そこがまた普通っぽくていいやんか。 けっして嫌いなタイプではないぞ。 しかも広告代理店勤務。マンハッタン在住のスポーツ大好き爽やか青年。 料理も得意ときたもんだ。 フル理由が見当たらない。 そこはホレ、相手役がケイト・ハドソンだもの。 一流大学卒業後、雑誌社に勤める金髪キュート娘。相手として不足は無いわけよ 。 親友が何度も男にフラれる姿を見た彼女は、「こんなことをすると男にフラれる であろう」ということをしまくって、自ら反面教師となって記事を書くことに。 いわゆる「男に捨てられないためにはこんなことしちゃダメよ」というハウ・ト ゥーもの。 バーでナンパしてきたマシュー・マコノヒー相手に、男が嫌がることをしまくる 彼女。 しかし、彼にも簡単に別れられない事情があって…。 この映画を見ていて5つ以上思い当たる節がある貴女。要注意。 彼氏は、けっこー貴女のことイヤになってるかもよ。 彼氏の部屋にぬいぐるみ置いたりしてない? 花柄のベッドカバーに変えたり、植物を勝手に置いたり。 わが身を振り返り、反省しましょう。 しっかし、あんなイイ男と付き合うことになったら、私なんか萎縮して、フラれ ることはあってもフルことは絶対ありえない。 「上手にフル」だなんてコラム、逆立ちしたって書けないし。 「こんなにミジメにフラれました」っていうのならナンボでも書けるけど。 まあ、美男美女だからあり得る話と言ってしまえば、それまでかな。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 結構笑えるし、ケイトとマシューはなかなかキュートだし、ラブコメの 王道って感じで、私はこんなの大好き。 |
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http://www.uipjapan.com/10days/ |
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2003/8/9〜 2003年アメリカ作品 |
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キリクと魔女 ![]() |
アニメも、ところ変わればこんなに違うもんかと驚いた。 フランスのアニメなんだけど、色がキレイなのよー。 鮮やかな発色で、日本のアニメのベタッとうすーい色とは大違い。 確かに宮崎アニメとかはかなり美しいけど、キリクも負けてないよ。 切り絵のような美しい黒の線に、見たことも無い様な、微妙な色合いの赤や緑が 散りばめられてる。 濃いーのだ。色が。 お話は、母親から自力で生まれたキリクっていう男の子が、魔女に支配された村 を救うっていう何てこと無いもんなのだ。 でも、キリクの凄いところは、魔女をやっつけるのではなく、魔女も助けて村も 助けるっていうところ。 常に「なんで?」と疑問を持ち、より良い方法を見つけようとする。 しかも、シュパタタターっと目にも止まらぬ速さで走るのだー。 ものすごくカワイイ走り方。シビレるー。 絵や内容はしっかりと大人向き。クスクス笑えるところもあります。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) アフリカンミュージックも心地よい。でも売店で売られてるキリク人形 はちょっと…。 |
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http://www.albatros-film.com/movie/kirikou/ |
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2003/8/02〜 1998年フランス作品 |
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ファム・ファタール ![]() |
久々のエロ・サスです。 お待たせしました。最近良いエロティック・サスペンスが無いなーと思ってた あ なた。 これは、けっこー良いですよ。 ファム・ファタールとは悪女という意味。 舞台はカンヌ国際映画祭。 ゲストの一人ヴェロニカが身につけているのは、蛇のビスチェ。 あの「ショパール」がデザインした1000万ドルの宝石が埋め込まれたビスチェを 盗もうとする一味あり。 その窃盗団の中に一人だけ女がいた。それが、主人公ロール。 彼女は仲間を裏切り、宝石を独り占めして逃げる。 復讐に燃える仲間から身を隠すために、名前を変え、大使夫人として生活するロ ール。 しかし、パパラッチに写真を撮られてしまい…。 まず、何たって蛇のビスチェがスゴイ。 ポスターとかで見かけた人も多いかもしれないけど、あんなもんビスチェじゃな いで。 裸にちょっとした金のロープが巻いてあるカンジなだけ。必要最低限しか隠して ない。ほぼ裸にスカートっちゅーか布。 ヤバイ。 それと、主人公ロールを演じるレベッカ・ローミン=ステイモス。 全盛期のシャロン・ストーンを髣髴とさせる悪女ぶり。 さすがはモデル出身だけあるスーパー・スペシャル・ナイスバディ。 「X−MEN」を見た人、あの全身青くて気持ち悪いミスティーク役がこの人で す。 相手役はアントニオ・バンデラスだけど、こちらはあまりパッとしない。 同じダメダメ風なら「スパイ・キッズ」シリーズの方が断然好きだなー。 監督は「ミッション・インポッシブル」「アンタッチャブル」の巨匠ブライアン ・デ・パルマ。 良い意味で映画らしい映画。パリの美しい町並みを舞台に、主人公は美女おまけ に悪女、翻弄される男たち、ゴージャスな衣装の数々。 登場するブランドはシャネル・フェンディ・プラダ・エルメス等。 音楽は坂本龍一。 贅沢だけど、あまり仰々しくないところが良い。 退屈せずに楽しめる、程良いサスペンス。 でも、最後のどんでん返しは、ちょっと私には物足りませんでした。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) 悪女度ゼロの私にとっては良い勉強になりました。飛行機で居眠りする 時は、いいオトコの肩を借りることが悪女への第一歩でしょう。 |
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http://www.ffmovie.jp/ |
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2003/8/23〜 2002年アメリカ作品 |
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ハルク ![]() |
最近流行りのアメコミものの中でも、キャラの可愛さでいったらナンバーワンの 「ハルク」です。 「スパイダーマン」「デアデビル」に続き、アメリカのマンガ雑誌マーベルコミ ックからの第三弾は、日本でも70年代に「超人ハルク」としてテレビ放送され ていたこともある、緑の巨人「ハルク」。 当時のドラマは、体を緑に塗ったプロレスラーみたいな人が怒ってただけでした が、今回のんは最先端CG技術を駆使した超人です。 なんかさー、スパイダーマンもデアデビルも、男前がカッコよいコスチュームに 変身する訳じゃん? ところが、ハルクはどっちかっていうとブサイクな、シュレックを筋肉質で強面 にした感じに変身するのよ。 この、何かちょっと損してるカンジの主人公を演じたのがエリック・バナ。 「ブラックホーク・ダウン」に出演してましたが、これでブレイク。 変身する前はなーんだか地味ーなカンジの科学者なのよ。 ところが、一旦怒りが爆発してハルクに変身したら、これが変身前の何倍もキュ ート。 特にびよーんって砂漠を飛び回るシーンがあるのですが、めちゃくちゃカワイイ 。 巨大化してもなぜか破れないパンツいっちょで、どすんどすん。 私の友人は、同じカワイイつながりで「ボブ・サップ、高見盛、ハルク」と言っ てました。頷ける。 監督は「グリーン・デスティニー」のアン・リー。 グリーンつながりかよ、とか寒いこと言わずに、緑色のハルク誕生の謎は劇場で 是非確かめて下さい。 そこには、望んでないのに緑色になっちゃう息子とダメ親父の悲しい秘話がある のです。 (written by よこたようこ) |
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★★★ クライマックスのCGは凄すぎて、かえって冷めちゃった。相手役のジ ェニファー・コネリー、美しー。 |
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http://www.uipjapan.com/hulk/ |
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2003/8/2〜 2003年アメリカ作品 |
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茄子 アンダルシアの夏 ![]() |
久しぶりのアニメですが、短かったー。 上映時間47分。原作はコミック。本来オリジナルビデオ用に作られた作品。 監督は、あの宮崎駿の右腕と呼ばれた高坂希太郎。 まあ、右腕だけあってどっかの宮崎作品で出てきたようなキャラ、続出です。 同じ絵。 でも「もののけ姫」とかの映像を期待していくと、ちょっと物足りない。 主人公のぺぺは、プロの自転車レースの選手。 ある試合で、自分のふるさとを走ることに。 その日は、兄の結婚式の日だった。 スペインのアンダルシア地方の過酷な自然条件のもと、レースの駆け引き、地元 の人たちの応援、過去の苦い失恋などが描かれる。 時間が短いので、レースのスピード感や選手たちのやりとりなどには満足できて も、ぺぺをめぐる人間関係の描き方がいまいち物足りない。 なんで、カルメンが兄貴と結婚するようになったんかとか、カルメンの気持ちと かてんでわからん。 あれでは、ただの無神経なヒドイ女やんか。ちなみに、声は小池栄子。 それに、レースの解説者やアナウンサーの口調なんか、本当に日本人的で、ほん まにスペインなん?って思ってしまった。 でも、切ない男心は充分に伝わりました。そこは、宮崎作品にも通じる良いとこ ろが出てた。 想いを振り切るように自転車で走るぺぺ。 空の色も心に染みました。 (written by よこたようこ) |
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★★★ タイトルの茄子は、アンダルシア地方名物の漬物として出てきます。食 べてみたい…。 |
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http://www.nasu-summer.com/ |
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2003/7/26〜 2003年日本作品 |
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トーク・トゥ・ハー ![]() |
二人の昏睡状態の女がいる。 ひとりは女闘牛士。恋人は、彼女の変わり果てた姿に絶望し、ただ悲しむのみ。 もうひとりはバレリーナ。献身的に世話をし、常に話し掛ける看護師の青年に一 途に愛されている。 同じ病院に入院している二人は、やがて、ある事件をきっかけに一方は目覚め、 一方は死に至る。 アカデミー賞最優秀脚本賞だけあって、ストーリーの展開は見事。 監督・脚本はスペインのペドロ・アルモドバル。 前作「オール・アバウト・マイ・マザー」も一般的とは言いがたい愛の形を表現 した作品だったけど、今回もまたかなりドラマティック。 まあ、でも愛の形は様々だからねー。 人の数だけ愛の形があるもんね。 とりわけ看護師の青年の、孤独な生活に射す光のような愛が印象的。 「愛」と「孤独」。 逃げ出したくなるような重いテーマだけど、誰もが持っていて、それから逃れる ことはできない事柄。 誰もが「孤独」から逃れ「愛」を手に入れたい。 たとえ結果が「死」であっても、その人なりの「愛」に変わりはないのではない かと考えさせられる。 多くの評論家や芸能人が「席を立てなかった」とか「涙が止まらなかった」とか 書いていたが、私は「うなった」。 「愛」を扱った監督の上手さ、脚本の上手さに唸った。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) 前作の「オール・アバウト・マイ・マザー」の方が衝撃的で、名作だと 私は思う。今回の方が全体的に美しい感じ。 |
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http://www.gaga.ne.jp/talktoher/ |
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2003/6/28〜 2002年スペイン作品 |
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パンチドランク・ラブ ![]() |
確かに恋をするとパンチをくらったみたいな前後不覚状態におちいる事があるよ ね。 満員電車でも訳も無くニヤニヤしてしまったり、いつもは絶対に着ない様な色の 服とか買ってしまったり。 この映画の主人公バリーもかなりスゴイよ。 自称青年実業家のバリー。トイレのつまりを取る、あのスッポンを開発・販売し ている。自動車修理工場の片隅にある小さな小さな事務所で。 普段はおとなしくて内向的な性格のバリーだが、7人の口うるさい姉たちに干渉 されまくりで、突然キレてしまう危ない面もあり。 女性不信で出会いもなし。 あまりにもサエない閉塞した毎日。 しかし、新調した真っ青なスーツで出勤した日、恋がやって来るのだ。 相手の女性リナは、変わり者のバリーを優しく包み込んでくれる人だった。 突然暴走し始めるバリーの恋心。 出張中のリナを追いかけてハワイへ行くためにプリンをバカ買いしたり(飛行機 のマイレージが貯まるため)、ガラ悪いお兄さんたちに勇敢に立ち向かってみた り。 「マグノリア」「ブギーナイツ」のポール・トーマス・アンダーソン監督作品。 33歳若手天才監督。カンヌ国際映画祭でも、この作品で最優秀監督賞に輝いた 。 確かに面白い。でもねー、私、前2作ともちょっと寝ちゃってんのよ。長いのよ 、上映時間が。 しかも音楽なしの淡々としたシーンとかも多くて、つい…。 でもね、今回は大丈夫だった。これまで同様、かなりの不思議テイストはあるけ ど、95分と短いし、色がカラフルなのよー。 バリーのスーツ、リナのワンピース、途中で出てく虹みたいな映像。 一番印象的なのは、ハワイで、あの聖子ちゃんがよく泊まるというロイヤルハワ イアンのロビーでのキスシーン。 カワイイです。 本当にサエない日常が、一生に一度の恋で、カラフルで目がくらむような毎日に 変わっていく。 運命の人に出会ったら、こんな感じなんだろうか。 きっと、バリーみたいなパワーが湧き出てくるはず。 いつ来る?そんな日。 きっと、ある日突然私にもやって来るに違いない。待ってるぞー、ホントに。 できれば早めにお願いします。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) リナ役のエミリー・ワトソン。今まで幸薄い役ばっかだったけど、顔が 老けめだからかなー。今回は幸せキャラだけど、アダム・サンドラーより、かな り姉さん女房っぽいっす |
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http://pdl.eigafan.com/ |
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2003/7/26〜 2002年アメリカ作品 |
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ブルー・クラッシュ ![]() |
夏、ハワイ、海、ビキニ、サーフィン。 やっぱ夏映画はこうでなくっちゃ。 子供の頃からサーフィン大好き少女で、大会での優勝経験もあるアン・マリー。 ハワイのノースショアで、ホテルのメイドをしながら、友人たちと共同生活をし ている。 しかし3年前の事故以来、思い切ったライディングができなくなっていた。 再起をかけて、世界中の有名サーファーが参加する大会に挑戦する。 サーファー、見直すよ。この映画見ると。 めちゃくちゃ、ハード。 波もビックリするほど高くて、失敗すると命を落とす。 日本の湘南とかにいるナンパサーファーとは全然違う。あんなに髪型とか構って らんないよ。 カッコいいんだよー。CG、水槽撮影一切なしのサーフィンシーンは迫力満点で 、ドキドキ、ハラハラ。元サーファーの友人も「本格的」と誉めてました。 オトコ顔負けのガッツあり。 かなり体育会系。 でもねー、女の子たちの引き締まった小麦色ボディにちっちゃいビキニがかわい いんだよ。カラフルで。 ハワイに行くと、かわいいビキニがいっぱい売ってるので、ついつい買っちゃう んだよねー。でも、日本でつける機会なし。ぐすん。 女の子4人の共同生活。貧乏で、いろいろ問題もあるけど、がんばってる。 ほんでもって、当然ながら恋とかもあるんだよ。くぅー。 これぞ、今年の夏見るべきガールズ・ムービー。 夏に見るべきものが、恥ずかしげもなく全部詰まってます。お見事です。パワフ ルで爽やか。青春っす。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) サーファーって一番苦手な種類の人達だったけど、それはサーフィンの 世界を、私が知らなかったからだってわかった。だって見た後、ちょっとやって みたくなるんだもん、サーフィン。ハワイにも行きたくなるよ。 |
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http://www.gaga.ne.jp/bluecrush/ |
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2003/6/21〜 2002年アメリカ作品 |
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ミニミニ大作戦 ![]() |
それぞれの分野のスペシャリストが集結して50億円の金塊を狙う…という話な のですが、どっかで聞いたような話ですよね。 でも、こちらは低燃費で効率イイです。11人も必要ないよーって。 ベニスにある金塊を強奪するために組まれたスペシャルチーム。 策士、ハッカー、爆弾魔、ドライバー、金庫破り…。 見事に盗んだかに見えたが、思わぬ罠にはまり金塊は持ち逃げされてしまう。 しかし、チームのメンバー達は、もう一度金塊を取り返すため、新たな作戦を立 てるのだった。しかもミニクーパーを使って。 何だか「オーシャンズ11」と似たカンジの話ですが、こっちの方がメンバーも少 ないし、話もかなりスッキリ、スピード感もあります。 ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットの「オーシャンズ11」に比べ、こちら は小粒ながらピリッとした若手演技派を揃えました。 キャストはかなり魅力的です。 マーク・ウォールバーグ(スリー・キングス)、シャーリーズ・セロン(サイダー ハウスルール)、セス・グリーン(オースティン・パワーズ)、ジェイソン・ス テイサム(トランスポーター)、エドワード・ノートン(レッド・ドラゴン)。 しかも一人一人の個性もきっちり描けてます。 やっぱしスペシャリストってカッコイイ。きっちり仕事をこなす男って素敵…と 惚れぼれ。 最初から何もかも上手くいくのではなく、失敗してもめげずに新しい方法にチャ レンジし直すところも好感もてるぞ。 カーアクションもミニならではの小まわりの効いた素早い動きで、従来のハリウ ッド映画にありがちな、大味な感じはあまりないのでアクション苦手な女性陣に も楽しめると思います。 めずらしく、カップルにおすすめのアクション映画。 見終わった後味スッキリです。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ リーダーで策士のチャーリー、かなりカッコイイっす。ジェイソン・ス テイサムは「トランスポーター」に引き続き、またドライバーだけどハンサム・ ロブはまってます。 |
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http://www.minimini-jp.com/ |
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2003/6/21〜 2003年アメリカ作品 |
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マイ・ビッグ・ファット・ウェディング ![]() |
試写会場には女・女・女ほぼ女性オンリー。 なんせ、この映画の予告編には「日本の結婚率を上げてみせます」の言葉が。 主人公トゥーラは、ギリシャ系アメリカ人。ボサボサ髪にめがねの30歳独身女 性。 父親が経営するギリシャ料理レストランでウエイトレスをする地味ーな毎日を送 っていた。当然出会いはゼロ。なのに親には早く結婚しろと口うるさく言われ、 凹みがち。 しかし、そんな自分を変えたいと一念発起。 コンピューターの勉強を始め、お化粧をして、髪形も変え、素敵に変身してゆく トゥーラ。 そこで、運命の出会いが。素敵な独身男性イアンと出会って、毎日が夢のように 輝きだす。 やがて二人は恋に落ちて、結婚を考えるのだが、典型的アメリカ人のイアンに、 ギリシャ系のトゥーラの家族は大反対。さて、二人の恋の行方は…。 何とこの映画、トゥーラを演じているニア・ヴァルダロスの実体験。 そりゃ説得力あるわ。 ニアがロスの劇場で一人芝居をしていたのを、たまたまトム・ハンクスの奥様が 見てストーリーを気に入って、トムと共に製作をバックアップし映画化。 世界で、ラブストーリー史上「タイタニック」に次ぐ2位の興行成績。 最初は全米で108館でしか上映されていなかったのが、あまりの人気に201 6館に。 私もアメリカの映画チャート番組で以前からこの映画チェックしてました。 だって、私のための映画みたいなんだもん。 けっして美人とはいえない主人公が、自分のやりたいことをみつけてキラキラ綺 麗になっていき、素敵な人にめぐり会う。 私も好きな人に全然振り向いてもらえず、凹んでばかりの毎日だけど、それはた ぶん自分を磨けてないからだ。 まずは、内面も外見も自分を磨かなきゃ。 運命の人が現れたとき、ちゃんと気付いてもらえるようにしておかなきゃ。 そんな元気が出る映画です。 文化の違いや、家族内の問題も二人が愛の力で乗り越えていく。 それには、まず自分をしっかり持っていなければ。その上でお互いの思いやり・ 歩み寄りが必要だと教えてくれます。 くすくす笑えるシーンも多くて、楽しい映画です。 女の子同士でも、カップルでも楽しめます。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ ニアの家族がみんないい味出してます。いとこ役でイン・シンクのメン バーが出てたり、イアンの友達役でニアの本当の旦那様も出演してたりします。 |
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http://www.mybigfatwedding.jp/ |
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2003/7/19〜 2002年アメリカ作品 |
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ムーンライト・マイル ![]() |
久しぶりにちょっと映画館で泣きました。悲しい涙ではなく。 結婚式を目前にしながら発砲事件に巻き込まれて亡くなったダイアナ。 婚約者のジョーは、葬儀が終わってからも、結婚後同居しようとしていたダイア ナの両親と暮らしている。 悲しみに暮れるダイアナの両親に彼は真実を言えずにいた。 ダイアナが亡くなる3日前に、二人は婚約を解消していたことを。 優しいがゆえに秘密をなかなか言い出せないジョー。 ある日、結婚式の招待状を回収するために郵便局に行き、そこで自分と同じく悲 しみを抱えた女性バーティと出会い、彼女と心を開き合うことで、本当の自分を 見つけていく。 誰にでも悲しいことは起こるし、人に言えない秘密もある。 もがいて、苦しんで、そこから這い上がろうとする。 そんな時ほど、勇気を出して素直になれば、ちょっとでも前に進めるのでは。 悲しみを乗り越えてゆく人々の姿に、涙がこぼれました。 ダイアナの両親をダスティン・ホフマンとスーザン・サランドンが演じています 。 あえて書く必要もないくらいの名優・名女優ですが、この作品でも、本当にサラ ッと名演技を披露しています。 大げさすぎず、自然に、娘を失った親のやり場のない悲しみを表現する二人の演 技に引き込まれます。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 70年代の音楽がたくさんイイ感じで流れます。ホリー・ハンターが弁 護士役で出ているのですが、あまり出番がないのでもったいない気がしました。 |
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http://www.moonlight-mile.jp/index.html |
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2003/6/28〜 2002年アメリカ作品 |
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メラニーは行く! ![]() |
NY市長の息子を手玉に取る女、メラニーの話です。 メラニーは、NYで成功しつつある新進デザイナー。恋人はNY市長の息子。 彼は、ティファニーを貸り切ってのプロポーズ。 「好きなのを一個選んで」みたいな。 うらやましー。女の子なら誰もが夢見るようなシンデレラストーリー。 しかし、人生はそんなに甘くはない。メラニーには、出身地アラバマに夫がいた のだ。 離婚の手続きのため、帰郷するメラニー。しかし、夫は全く離婚の意志なし。 どうするメラニー。 女性支持率100%みたいなことポスターに書いてあったけど、ホントにそう? メラニーの超自己中心的な生き方を支持するか? 私は支持しません! 確かに単身NYに出て行って、がんばってデザイナーになったとこは、支持する 。 けど田舎に帰ったとたん「実は旦那もけっこういいかも」とふらついてどーすん ねん。 しかも市長の息子は「過去は過去。今の君がいれば」って嘘ついてたことを許し てくれてんのに、あの仕打ちは何や!? どう考えても市長の息子やろ。 何のために、反対する母親を説得して、ティファニーも貸切にしたと思っとんね ん。いい人なのよー、本当に。 私なら彼の真心を踏みにじれない。あー、メラニーみたいな性格じゃないと幸せ を手に入れられないの? 主演は「キューティ・ブロンド」のリース・ウィザースプーン。 あの頃ほどアゴは気になりません。 私生活ではライアン・フィリップの奥さんで、1児の母でもあるリース。 アメリカでは新ロマコメの女王と言われてるようですが、次の作品が勝負どころ でしょう。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) 最後の決め手は、絶対に姑のうっとうしさだと思うのは私だけ? |
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http://www.movies.co.jp/melanie/index.html |
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2003/6/14〜 2002年アメリカ作品 |
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恋愛寫眞 ![]() |
私の映画以外のもう一つの文化的趣味は、恥ずかしながら写真です。 この映画もタイトルのとおり、写真がたくさん出てきます。 松田龍平演じる主人公マコトは写真部に所属する大学生。ある日、広末涼子演じ る静流と恋におちるのだが、写真をめぐって溝ができ、別れてしまう。 3年後のある日、カメラマンの卵となったマコトの元に、死んだはずの静流から 手紙が届く。たくさんのNYの写真と共に。 私も何年か前にNYに旅行し、写真を撮ったのですが、本当にフォトジェニック な街なのです。 何気なく歩いている人々や、建物や、車、街路樹、地下鉄、何もかも写真に撮り たくなってしまう。 「絵になる」とは、正にこの街のこと。 そんなNYの風景がてんこもり。写真も鮮やかで、光が美しいものがたくさん出 てきます。 写真の素敵なところは、その時の想いまでも鮮明に残すところ。 映画の中の広末の寝顔の写真のように、好きな人を撮ると、撮った人の愛しい気 持ちが写ってしまいます。 悲しい時、楽しい時、嬉しい時、写真にはちゃんと写っています。 写真を始めて面白くなってきた頃、私は身近な人達の日常をたくさん撮りました 。 自然と好意を持っている人の写真が多くなり、そんな人たちの写真には、ちゃん と私の楽しい気持ちも写っています。 「瞬間」を切りとるシャッターの音。 重いので、戸棚の飾りになっている一眼レフを持って、町に出かけたくなりまし た。 あと、ほろ苦い結末を迎えた昔の恋人の写真を、久しぶりに見たくなったりもす る映画です。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) もちろん広末の不思議ちゃんぶりはかわいいですが、松田龍平の「ぶっ きら優しい」感じもとても良いです。小池栄子、新境地開拓です。 |
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http://www.c-o-o-l.jp/index2.html |
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2003/6/14〜 2003年日本作品 |
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アバウト・シュミット ![]() |
ジャック・ニコルソンといえば、顔が怖い。アクが強い。 ところが今回、彼が演じるウォーレン・シュミット66歳はなんてことない普通 のサエないおっさんである。 長年勤めた保険会社を定年退職。会社なしでは何をしていいのかもわからない。 妻と余生を楽しむため、キャンピングカーを購入したとたん、妻が急死。 遠く離れた地に住む愛娘は、どこの馬の骨ともわからん男ともうすぐ結婚。 結婚式の手伝いに行こうとしたら、迷惑だと断わられてしまう。 無気力で無意味な毎日から、思い立って自分のルーツをたずねる旅に。 定年するオヤジの気持ちは私にはわからないが、自分の存在意味がわからなくな ってるシュミットさんの状態は、よくわかる。 誰でもこんな気持ちになることはあるだろう。 職場でも家庭でも、何となく浮いてる。 誰にも自分は必要とされていない。 そこで思い立って自分のルーツを探ってみるが、これまた何かパッとしないのだ 。 何だかねー、最近の私もパッとしないのだ。 自分のダメなとこばっかり思い知らされる出来事が立て続けに起こったりして。 私って、何のためにこの世に存在してるの? そんなあなた、そして私。シュミット氏のダメダメぶりに共感してちょっと笑っ たり、ラストシーンに感動したり。 年齢に関係なく、人生にはいろんな行き詰まりがあるもんですね。 それでも、迷い苦しんだ先に、ちっちゃくても自分の存在を認めてくれる人がみ つかると良いなーとじんわり考える映画です。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) ジャック・ニコルソンはこの作品で3度目のアカデミー主演男優賞候補 に。今回は惜しくも逃しましたが「カッコーの巣の上で」「恋愛小説家」どちら も名演技・名作です。 |
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http://www.about-s.jp/ |
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2003/5/24〜 2002年アメリカ作品 |
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メイド・イン・マンハッタン ![]() |
またジェニロペの映画を見てしまった。 もう絶対映画館では見ないと決めていたのに。 以前「エンジェルアイズ」の回でも書きましたが、私はジェニロペが苦手だ。 ほんでもって、この映画。 ホテルの客室係でバツイチでもその美貌ゆえに若手議員と恋に落ちるっていう、 同じやんか、他の映画と。 もう普通っぽさとかアピールせんでもええねん。 不幸な女は似合わないし。そのダイナマイトバディには。 おもっきし傲慢で、お金持ち、最初から皆がうらやむ様な贅沢三昧な役が見たい のよ。 ドルチェ&ガッバーナ、ハリー・ウィンストンは出てくるけれど、もっともっと フェロモンむんむんでゴージャスなジェニロペが見たいのよ。 その方が絶対好感度アップすると思うけどなー。 もう身分違いの恋とか古い古い。 せっかくのキャラが生かされてないよ。 まあ、子供と犬に助けられた映画です。 最後はわかっていても、「あー、私もこんな風にされたいわー」ってな感じです 。 (written by よこたようこ) |
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★★ 「スモーク」のウェイン・ワン監督作品らしい。全然違うからわからん かったぞ。「スモーク」はあんなに名作なのに。どーして? |
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http://www.uipjapan.com/manhattan/index.htm |
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2003/5/10〜 2002年アメリカ作品 |
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トゥー・ウィークス・ノーティス ![]() |
ヒュー・グラントが好きだ。 昔から、私はタレ目の男に弱い。 もはやタレ目=優しいと信じてるわけでは無いが、ヒューみたいに、笑うと顔が 犬みたいにクシャっとなる人がタイプなのだ。 それにつけて今回のこの役。 大金持ちのボンボンで優柔不断、高潔な精神のかけらも持ち合わせてない。 でも何となく憎めない。 そんなヒュー演じる不動産会社の御曹司が雇ったのが、サンドラ・ブロック演じ る曲がったことが大嫌いなハーバード出の超真面目弁護士。 一見正反対なこの二人がお互いに、足りないところを補って、口論しあいながら もベスト・パートナーになっていく。 なのにお互いを必要としてることになかなか気付かない。 この映画のテーマは、ずばり「素」です。 いかに自分の素の部分をより多く出せるか、相手の素の部分をどこまで受け入れ られるか。 カッコ悪いとこを見せても大丈夫、本音で文句言ってもちゃんと聞いてくれる。 そういう相手がきっとベスト・パートナーだと気付かせてくれます。 二人が食事をする場面で、お互いの嫌いなものを、会話しながらごく自然にお互 いの皿から取って食べるというシーンがあるのですが、こんな関係って素敵っす 。 この映画でヒュー・グラント好きになっちゃった女性も多いのでは? 私のお薦めのヒュー作品は「フォー・ウェディング」「ウェールズの山」「いつ か晴れた日に」です。特に「いつか…」は良いですよ。 「ノッティングヒルの恋人」「ブリジット・ジョーンズの日記」もヒットしたし 面白いですよね。ヒュー様にはラブコメの王道を走り続けていって欲しいです。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ サンドラも「デンジャラス・ビューティ」以降良いハジけっぷり。「あ なたが寝てる間に」がワタシ的には一番好き。 |
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http://www.warnerbros.co.jp/twoweeksnotice/index.html |
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2003/5/24〜 2003年アメリカ作品 |
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めぐりあう時間たち ![]() |
この映画で、二コール・キッドマンは今年のアカデミー主演女優賞を手にした。 が、ジュリアン・ムーア。物凄く美しかった。 「ハンニバル」「シッピング・ニュース」など顔色悪くて幸薄い役が続いただけ に、今回の役はホントに美しさが際立ってる。 メリル・ストリープは言うに及ばず、演技派女優三人の「演技」でみせる映画で す。 ストーリーはイギリスの女流作家ヴァージニア・ウルフの小説「ダロウェイ夫人 」をモチーフにした、三つの時代の女性たちの物語。 N・キッドマン演じるヴァージニア・ウルフ、J・ムーアは「ダロウェイ夫人」 を読んでいる主婦、M・ストリープは現代NYで編集者をしている名前がダロウ ェイ夫人と同じクラリッサ。 全く別の時代の別の場所で、不思議に繋がっている三人の運命。 誰もが心の奥底に暗い闇を抱えていて、現実とうまく折り合っていけない。 思い出と闘う者、全てを捨てて逃げようとする者、精神を病みながらも作品を書 こうとする者。 彼女たちの人生が凝縮された一日を描いている。 私の見に行った劇場ではリピーター割引が実施されてたし、見終わった人々の多 くが「よくわからなかった」と口にしていた。 確かに、ポスターに書かれているコピー「人生はいつもミステリーに満ちている 」で推理ものかと思ったとか、何か最後に秘密が解き明かされるのではと思った 人も多かったようだ。 ストーリーを追うだけでは難解かもしれない。「ダロウェイ夫人」を読んで行っ た方がいいのかと聞かれるが、私は読んだが必要無いと思う。 その台詞・演技の中から、誰もが人生の重みを背負って生きているんだなーと感 じる映画だと思う。 しっかりした女優の演技と、繊細な言葉と映像が美しいクラッシックな重みを感 じさせる、良い意味でのハリウッドらしい映画です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 詩人役のエド・ハリスの演技も凄いです。 |
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http://www.jikantachi.com/home.php |
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2003/5/17〜 2002年アメリカ作品 |
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愛してる、愛してない… ![]() |
ネタばれ映画なのであまり詳しいことは書けません。 あの昨年大ヒットしたフランス映画「アメリ」のオドレイ・トトゥ主演のあぶね ーラブストーリー(?)。 オドレイ演じるアンジェリカは美大生。 恋人の医師に「一周年記念日」のバラを贈る。 彼には弁護士で美人で妊娠中の奥さんが。冷たくなる彼の態度にアンジェリカは 次第に怒り始め、愛情表現はエスカレート。 「アメリ」を想像しながら行ってはダメです。 あのフレンチでキッチュでファンタジーな感じは、最初の5分です。 まあ、でもアメリもよくよく思い出してみるとあぶない女よね。 逞しい想像力で、ひとんちに入り込んで悪戯したり、頼んでもないのにカップル にしてあげたり。 って同じじゃん、今回も! ただアメリのときは「周りの人のために」っていう激しい思い込みがあったけど 、今回は「自分のため・彼のため」オンリーだからなー。 デートにもあまりおすすめできません。 相変わらずのでっかい潤んだ瞳で、かわいけりゃ許されるっていっても程がある と突っ込みたくなる、ちょっとした2時間ドラマ「アメリ」風味ってとこですな 。 (written by よこたようこ) |
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★★ オチも途中でわかります。裏アメリってことで、多分二人は表裏一体。 こんな女に捕まらない様、男性諸君は注意した方が良いでしょう。 |
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http://www.comstock.co.jp/aishiteru.html |
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2003/4/26〜 2002年フランス作品 |
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過去のない男 ![]() |
この映画の主人公は、暴漢に襲われ、頭を殴られてしまったため、過去の記憶の 一切を無くしてしまった男。 自分の名前さえ思い出せない。 それでも、ヘルシンキの片隅で、貧しいながら肩よせあって生きる人たちに助け られ、生活し始める。 しかし、職安に行けども、名前が書けないので登録もできない。 食べるのにも困った彼は、救世軍の食糧配給の列に並ぶ。その時、運命の出会い が。 救世軍で、彼にスープをついでくれた女性イルマ。 彼女は親切にも、彼に服や仕事を与えてくれます。 彼は、心優しいイルマに恋し、イルマもまた彼を好きになるのですが…。 イルマが良いんです。 かなりの年増なのですが、何と!初恋なんです。 しかも、最初の出会いの時は愛想も無く、化粧もしてない、ごつい女なんですが 、恋をしてからの変わり様ったら。 かなりカワイイです。 ワタシ的にはイルマがこの映画の主人公です。 こうして、過去のない男は、ゼロから新しい生活を始め、ささやかな幸せを見つ け、生きる希望を持つのです。 しかし、ある日、ひょんなことから過去がわかってしまうのです。 「人生は前にしか進まない」この映画のポスターに書かれた言葉です。 過去はどうあれ、人は変われる。 周囲の人たちの支えによって再生していく男の人生が淡々と描かれます。 素朴で、温かい恋も。 何の飾りもない恋ですが、本当はこういうのが理想。 「レニングラード・カウボーイズ」「真夜中の虹」など不思議な世界観を持つア キ・カウリスマキ監督。彼の作品の中では「浮き雲」に近い感じです。 アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされました。 (written by よこたようこ) |
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★★★ 何故か、クレイジーケンバンドの「ハワイの夜」という曲が流れ、日本 酒も出てきます。うーん、不思議監督カウリスマキ節炸裂。 |
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http://www.eurospace.co.jp/kako/ |
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200/3/15〜 2002年フィンランド作品 |
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君の帰る場所 アントワン・フィッシャー ![]() |
「名選手、名監督にあらず」とは野球界の常識ですが、ハリウッドではそうでも ありません。 実話をベースにした、この作品。 主人公のアントワン・フィッシャーは子供の頃にうけた暴力が原因で、自制がき かない切れやすい性格に。海軍に所属しているが、何度も問題をおこし、精神科 の医師のカウンセリングを受けるよう指導される。その医師(デンゼル・ワシン トン)に自分の過去を話し、心を開いていく。 デンゼル・ワシントン初監督作品。 デンゼルといえば、「マルコムX」「ザ・ハリケーン」などに出演。昨年「トレ ーニングデイ」でアカデミー主演男優賞を獲得した演技派俳優。 彼らしい作品選びです。ストレートな青春感動ストーリー。 しかも自分も出演してるし。日本でいうところの北野武みたいに。 主人公のアントワンが成長していく姿は感動的。 彼女もできて、初デートに行くとこなんかは見ているこちらも楽しい気分になる し、家族を探すシーンには涙腺も緩む。 一作目としては、言うことナシでしょう。 ただし、こんなに正統派だと次が難しいのでは。 ぜひ、次回作は全然違う、意外な作品が見てみたい。 まあ、そんな予備知識無くても充分感動できる良い話です。 私もちょっと泣いてしまったんですが、拭くものが無くて、上映前に食べたマク ドナルドの紙ナプキンで涙を拭っときました。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) 自分を成長させるため必死にがんばる青年の姿って美しー。思わず応援 したくなる彼女の気持ちわかるなー。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/antwone/ |
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2003/4/26〜 2002年アメリカ作品 |
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ボウリング・フォー・コロンバイン ![]() |
この映画の監督のマイケル・ムーアも何かの雑誌のインタビューで言っていたが 、私もアメリカという国が好きだ。 一度でもアメリカに行ったことのあるほとんどの人は、そう思うんじゃないかな 。 アメリカは大きな田舎だ。その自然のスケールの大きさ、美しさには何度も言葉 を失った。 また、アメリカ人の明るく陽気で、気さくなところも好きだ。 私のように、会話し始めて3秒で全然英語が喋れないとバレるアホ日本人にも、 あきらめず、何やかやと話し掛けてくる。 「どこから来た?」 「何で来た?」 「休暇は何日だ?」 「飛行機には何時間乗った?」 「結婚してるのか?」(ほっとけ) NYの美術館で、フィラデルフィアのスーパーのレジで、ハワイのビーチで、ニ ュージャージーのホッケー場で。 どこでもおかまいなしに彼らは話し掛けてくる。 そんなアメリカが好きだ。また行きたいと思う。 マイケル・ムーアはサエない中年のおっさんだ。 腹も出てりゃ、いつも野球帽。メガネにもセンスのよさは窺えない。 でもこのおっさん、なかなかの切れ者だ。 アメリカが抱える様々な問題をバッサリ切り捨てる。 めったなことではハードカバーの本など買わない私に、\1600も出させて「アホ でマヌケなアメリカ白人」という何ともバカバカしいタイトルの著書を買わせて しまうくらい「ボウリング・フォー・コロンバイン」は面白いドキュメンタリー 映画だった。 銃社会の矛盾を浮き彫りにした映画なのだが、このおっさんのフットワークの軽 さには驚かされる。 おっさんは自分が「?」と思ったことにはとことん喰らいついて取材する。 カメラ片手にいろんな人に会い、話を聞く。 そして、このおっさんのユーモアセンスはかなりスルドい。ファッションセンス はいけてないが。 涙が出そうになる衝撃映像の後に、クスッと笑わせたりする。かなりブラック。 かなり辛辣。 アメリカを愛するが故の愛のムチはかなりキビしいのだ。 そりゃチャールトン・へストンも逃げ出すさ。先日、ニュースで全米ライフル協 会の理事を引退すると報道されていた。 ベン・ハーを引退に追い込むマイケル・ムーア。恐るべし。 まあ見て。是非。 今まで見たドキュメンタリー映画の中で唯一、一度も眠くならなかった。 ただしデートムービーにあらず。 こんなのデートで見に行くカップルは、よっぽど高偏差値のエリートキャリアカ ップルか、でなきゃ「オレ、こんな政治ネタにも興味あるんだぜぇ」っていうア タマ悪い彼氏のわけわからん自慢だろうから、賢い彼女は「えー、私は二人で見 るんだったら、ディカプリオが良いなー」と提案してあげて下さい。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) 見ると必ず寝つきが悪くなるアニメ「サウス・パーク」の作者はコロン バイン高校出身らしい。ブラック度ではムーアと肩並べてます。 |
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http://www.gaga.ne.jp/bowling/ |
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2003/1/25〜 2002年カナダ作品 |
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シカゴ |
私には「ダンス」の才能が全く無い。0だ。いや、マイナスかも。 そのことには比較的幼い頃から気付いていたのだが、昨年の秋からスポーツクラ ブに通い始めて、改めて認識した。 いつもスタジオの一番後ろの列のはしっこでインストラクターに見つからないよ うに悪戦苦闘する私の姿は、自分でも笑える。 だからミュージカルが苦手なのかも。だって出演者はみんな素晴らしい歌と踊り を見せつけるから。 「シカゴ」の出演者たちも然り。言わずと知れたアカデミー賞6部門受賞作。 1920年代のシカゴが舞台。 スターを夢見るロキシー(レニー・ゼルウィガー)は、業界にコネがあるという 男と不倫。しかし本当はコネなんて全く無く、騙されたと知った彼女は男を射殺 してしまう。 投獄された彼女は、同じく殺人容疑で捕まっているスターのヴェルマ(キャサリ ン・ゼタ・ジョーンズ)が看守に賄賂を渡して、敏腕弁護士のビリー(リチャー ド・ギア)を雇い、マスコミにアピールし無罪を主張していることを知る。 お人好しの旦那に資金を集めさせ、ビリーを雇うロキシー。ビリーはマスコミを 利用してロキシーをスターにしていく。 何がビックリするって、主人公ロキシーを演じるレニー・ゼルウィガー。 「ブリジット・ジョーンズの日記」に出てた人と同一人物よ! ぷくぷく太って何度もダイエットに挫折する、あのブリジット・ジョーンズよ! 別人。 そのやせっぷりは、そこらのエステのモニター写真の使用前・使用後よりスゴイ もんがある。 その足の細さは? 私に教えてよ〜、秘訣を〜。 しかも、ミュージカル初体験とは思えない彼女のかわいい歌声とダンスの上手さ 。 もう、半年通って2〜3キロしか痩せられず、まるっきりリズム感も養われない 自分がバカバカしく思えてくる。 うわーん。もう消えたい。 そんなことはさておき、ミュージカル苦手の私が見ても、充分楽しめました。 でもやっぱし途中ちょっとしんどくなったけど、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ のド迫力ダンスとリチャード・ギアのみのもんたばりに芝居がかった弁護ぶりに 目が釘付けに。 転んでもただでは起きない女性たちの逞しさに元気が出ます。 家に着くまで「オール・ザット・ジャズ」が頭の中で回っていたのは私だけじゃ ないはず。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ アカデミー賞最優秀作品賞受賞。ボブ・フォッシー原作のブロードウェ イミュージカルの傑作を舞台出身のロブ・マーシャルが監督。 |
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http://www.chicago-jp.com/ |
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2003/4/19〜 2002年アメリカ作品 |
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WATARIDORI |
鳥が苦手だ。 幼い頃、うちの近くに養鶏場があった。 今でも時々夢に見る。初めて養鶏場に足を踏み入れた時の恐ろしさはトラウマに なっている。 思い出しただけでも、足が震える。 二度とあそこには入りたくない。 それ以来、鳥が苦手なのだ。矛盾してるけど食べるのは好き。 「WATARIDORI」はその名のとおり、ひたすら渡り鳥を追いかけた作品 だ。 100種類以上、20カ国以上の様々な渡り鳥の移動が、少ないナレーションと 音楽で映し出される。 何年か前にドラマとドラマの間の時間に「鳥になる日」という1〜2分程のスポ ット番組があったのを覚えている人もいるかも。 私はあの番組が好きで、ビデオに録画していたこともある。 あれは飛行機にカメラを積んで、上空から世界各地の美しい風景を紹介すること で、鳥みたいに空を飛んで世界を見てみたいという人のための癒し系番組。 この映画は違います。全く。 隣を飛んでる鳥がぶつかりそうなくらい至近距離で映ってて、バッサバッサ羽音 が聞こえて、下界の風景というより自分が群れの一員になったかの様な映像です 。 怖いぐらいリアル。鼻の穴が見えるぐらい近いです。 合成かと思うぐらいスゴイ。エンジンをつけたハンググライダーで撮影してるら しいんだけど、慣れさせるために卵の時から行動を共にすること3年間。 並みのネイチャードキュメントではないです。 生々しくて鳥嫌いには気持ちワルいとこもいっぱいあります。 でも、鳥たちが自然の脅威にさらされたり、人間による自然破壊やハンティング で傷つき、死に、旅を続けられなくなる姿には胸が痛みます。 土曜日の午後に見たのですが、満席。 しかも、見に来てる人の年齢は若いか、お年寄り。どっちか。 日本人がネイチャー好きだからか、バードウォッチャーが多いからか、年配の方 の団体(5〜6人だけど)がいて「あー」とか「かわいそー」とか上映中何度とな く声が上がってました。 孫連れもいたぞ。 (written by よこたようこ) |
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★★★ 映像は凄いけど、ちょっと眠くなってしまった。隣の席の人は寝てまし た。 |
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http://www.wataridori.jp/ |
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2003/4/5〜 2001年フランス作品 |
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恋する遺伝子 |
オスの牛は一度交尾したメス牛には興味を失う。 二度と交尾しようとしない。 新しいメスにしか興味は無いのだ。 人間のオスも然り。 女を捨てた男が二度と戻らない理由。 より若くて新しいメスだ。 これが、この映画の主人公ジェーンの理論だ。 ジェーンはTV局に勤める知的キャリアウーマン。 ある日、転勤してきたレイに一目惚れ。でも彼には交際中の彼女が。 それでも、気の合う二人はやがて付き合い始める。 関係が深まって、同棲しようと新しい部屋を決めた時、突然彼に捨てられる。 部屋も彼氏も失った彼女は同僚のプレイボーイのエディと一緒に住むことに。 なぜ男に捨てられるのか。 そこで、オトコの習性について研究し、新聞にコラムを書くことに。 映画の中の台詞に元気付けられることがある。 この映画もそうだ。 楽しいラブコメディなのだが、いい年して失恋続きのジェーンは何となく私とダ ブる。 彼女はいつも無意識に、失恋すると相手の男に原因があると思い込もうとし、そ れを分析し、理由付けようとする。 でも、全然恋愛感情を持ってなかったルームメイトのエディに「原因は君にある 」とバッサリ指摘される。 こういう関係の異性ってホント大事よね。きちんと自分の意見を言ってくれる人 。そんな人が周りにいる人は絶対に大切にした方がいいよ。 エディはジェーンに言う。君は捨てられた自分を受け入れられずに、自分の中に 閉じこもって元彼が戻ってくることばかり望んでる。そんなことしなくても扉を 開けていれば必ず新しい恋がやって来る。あんな最低男を「最後の男」だと思う な。 私も、とかく失恋するとジメジメ悩みがち。 普段から自分に自信が無いので、世界中の女性が自分よりかわいくて、魅力的に 見えて、私はもう一生誰かに愛されることは無いんだと扉を堅く閉じてしまう。 この先、私を好きになってくれる人は誰も現れないのではという不安に潰されそ うになる。 そんな私にも、エディは優しく、そして厳しく言ってくれる。 「原因は君にある。扉を開けて」と。 自分らしく、素のままでいられる相手が、本当に大切な人なのだ。 さあ、扉を開けて、自分らしく歩いて行こう。前を向いて。新しい恋を見つける ために。 そんな風に勇気づけてくれるラブコメディです。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 「コレクター」「ダブルジョパティー」のアシュレイ・ジャッド主演。 GWにおすすめのビデオです。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/someonelikeyou/ |
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2001/10/13〜 2001年アメリカ作品 |
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ベッカムに恋して |
これ、なかなかかわいい青春ムービーなんだけど、いかんせんタイトルがねー。 これタイトルで見ないって人、多いんじゃないかな。 ベッカム様のファンが期待して見に行くと、怒ってくるんじゃない? どのへんがベッカムかというと、主人公の女の子ジェスがベッカムのファンで、 いつか同じピッチでプレイできたらと空想しているから。 部屋中、ベッカムのポスターだらけ(ベッカム様本人はほんのちょこっとだけ出 演)。 サッカー大好きで、いつも公園で男の子たち顔負けのプレイを披露している。 でも、ジェス一家はイギリスに住むインド人。 インドの厳格な風習を守って生きている。女の子が、人前で短パンでサッカーす るなんてもってのほか。 ある日、イギリス人の女の子ジュールスから地元女子チームに誘われたジェスは 、両親に内緒でチームに所属。天性の才能と努力でチームのエースに。 でも、両親にばれちゃって、サッカーか家族かとせまられ…。 主人公ジェスが段々キレイになっていく。 好きなことに全力で挑戦して、恋をして、友情を育んで、悩んで。 生き生きしてる。キラキラ〜。 やっぱねー、自分らしく生きなきゃダメね。 後悔しない様にしなくっちゃ。 壁にぶちあたっても、自分らしさをなくしちゃダメよ。 あと、インド人家族の古風でカラフルでキッチュな感じが新しい。 結婚式とか婚約パーティとか踊りまくり。 サリーも色とりどりでカワイイです。 お客さん10人ぐらいだったけど、若者たち、もっと見に行くべし。 ジェスの元気を分けてもらったような気持ちになる、爽やか作品。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) サッカーだけどインドってとこがパンチが効いてる。ジェスとジュール スの「おかん」がイイ感じです。 |
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http://www.albatros-film.com/movie/beckham/ |
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2003/4/18〜 2002年イギリス作品 |
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トリプルX |
私の友人が言う事には「俺の好きな映画は、バンバン爆発、エッチなシーンあり 、宇宙人登場」。 オトコの意見だ。 「トリプルX」ってさー、宇宙人はさておき、なーんかそんな感じよねー。 そう思って借りると、エッチなシーンは全然無いのでちょっとガッカリして下さ い。 でも、爆発シーンはてんこもりよ。 アクションもすんごいさ。もうおなかいっぱい。 そのかわりストーリーはあまり期待しないで。 スキンヘッドで首に3つのXが重なった刺青がある主人公ザンダーは、命知らず のアクションを自分で撮影したビデオをネット販売して稼いでいる。その運動神 経と何者も恐れない性格を買われてアメリカ政府のシークレットエージェントに なりチェコの秘密組織に侵入する。そこでは世界征服恐ろしい陰謀が。 って「あれ、どっかで聞いたことあるような…」カンジ? まあ何がイイって、主役のヴィン・ディーゼル。 同じ監督作品の「ワイルド・スピード」のワル役もなかなか良かったけど、この ザンダー役はさらに良い。 何か、ちょっとカワイイんだもん。 見た目はいかついんだけど、笑ったらカワイイのよ。 ファッションも、今までのアクションヒーローと一味違う。 「MI:2」のトム・クルーズなんか、もうダッサくて見てらんないよ。 アクションの切れもイイ。 スカイダイビング、スノーボード、バイクと「それはありえへん」ってアクショ ン満載。 どーせ、なかみナシのアクション映画なら絶対こっちの方がいいよ。 (written by よこたようこ) |
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★★★ そりゃ第2弾もできるっしょ。かるーくビールのおつまみとして見る映 画。 |
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http://www.xxx-triplex.com/ |
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2002/10/26〜 東宝洋画系 2003年アメリカ作品 |
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ズーランダー |
とにかくベン・スティラーがスゴイ。 おバカ大爆発。 全然男前でも何でもないのに、何とスーパーモデルの役なのだ。ちっちゃいしね ー。 なんて人を喰ってるんだ、全く。 ベン・スティラー演じるデレク・ズーランダーは3年連続ベストモデル賞に輝く 男性スーパーモデル。 しかし、最近はライバルのハンセルにおされぎみ(こいつもかなりのアホ)。 一見華やかな世界だが、実は裏には長年にわたる陰謀が渦巻いていた。 えーっと、ほぼ「オースティン・パワーズ」です。 単純なストーリーも、有名人がたくさん出演してるとこも。 でも私は「ズーランダー」の方が好き。 何が面白いって、ただでさえちょっと笑えるファッション界を、とことんオーバ ーにおちょっくてる。 ズーランダーの「キメ顔」っていうのがあるんだけど、「ブルースチール」って いう名前で、もーおかしいって。 おちょくり過ぎ。 ベストモデルの授賞式もMTVとかのまんまパクリだし、モデル仲間がガソリン スタンドでスローでガソリンのかけあいっこするとことか面白すぎ。 しかも80年代のなつかしのヒットソングがガンガンかかります。 まあ見て。 最近ちっと凹んでたので、元気を出すために見てみました。 あまりのバカバカッぷりに、少し凹みの角度が緩みました。 しかし、あまりにアメリカ的笑いなので、合わない人も。 「メリーにくびったけ」とか「オースティン・パワーズ」とかがダメな人は笑え ないかも。 アメリカのTV番組とかCMとかが好きな人はツボです。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) ビデオ・DVDの最後に特典映像ってのが入ってんだけど、これまた かなりパロってて可笑しいっす。 |
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http://www.uipjapan.com/zoolander/ |
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2002/9 2001年/独=米=豪 作品 |
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tokyo.sora |
今日ビデオで「tokyo.sora」を見た。 東京で一人暮らしをする20代の女の子6人の物語。 日本語学校に通う台湾人の留学生。 めがねでオーディションを受けまくる売れないモデル。 胸が小さいことに悩む美大生。 コーヒーがまずい喫茶店で働くウエイトレス。 小説家を夢見るランパブ嬢。 シャンプーしかさせてもらえない美容師見習。 台詞が少なく、淡々とした映像なので眠くなる人も多いはず。 本当に、地味で普通で何の変哲も無い、誰にでもあるような日常を描いてる。 東京に夢を持って出てきたものの、現実は厳しい。 ちっとも思いどおりにいかない日々。 友達もいなくて、狭いアパートにひとりぼっち。 悩みを打ち明ける人もいない。 それぞれが、ふと見上げる東京のそら。 予定していたお花見が延期になり、私は週末にぽっかりと穴が空いた。 ひとりぼっち。 だれともしゃべらず、家の中でぼんやりとビデオを見ていた。 孤独だった。 満開のサクラの下、お花見を楽しむ家族連れの声が遠くに聞こえた。 私の生きている意味ってなんだろう。 友人たちは皆、結婚して幸せな家庭を築いている。 私は、結婚もしていなければ、子供もいない。 仕事に情熱も無い。友人も少ない。 3食きちんと食べて、呼吸して。 意味があるのか? この映画の主人公たちも、同じような思いで生きている。 もっと行き詰まっているけど。 でも、そんな中で小さな幸せがあることも、この映画には描かれてる。 「生きてるのが重くなることがあるか?」と聞いてくれる人がいたり、ボーイフ レンドにキスされてぎゅーってされて「よろしくお願いします」っていわれたり 、お隣さんが差し入れを持って来てくれたり。 私も、そんなちっちゃくても幸せな時がくることを信じて生きていきたい。 5月病になりそうな人、なりかけの人は見るべし。 春の空の下、何だかじーんとくる映画です。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) 美大生のエピソードはかなりかわいいです。みんなこんな経験あるん じゃないかなー。 |
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http://www.tokyo-sora.jp/ |
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2002/夏 |
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抱擁 |
今年もまたホワイトデーのお返しがもらえそうにない。 この時期、本当は「抱擁」などというタイトルの映画を見に行ってる場合じゃな いのだ、私は。 何故こうももらえないんだ、毎年。 今年は一個しかチョコあげてないから? だってもう義理チョコいらんでしょ。(関係ないけど、義理チョコ制度は廃止に すべきだ) ラブストーリーばかり見て、恋愛強化月間などと謳っている場合ではなかった。 しかし「抱擁」は美しかったー。 ビクトリア王朝時代の詩人アッシュの研究をしているローランド。 ある日図書館で偶然アッシュの書いた手紙を発見する。 愛妻家で知られているアッシュが妻以外の女性に宛てたラブレター。 相手と思われる詩人ラモットの研究者モード(グィネス・パルトロウ)と一緒に 調査を進めていく。 詩人たちの秘められた恋を解き明かしていくうちに、研究者二人もしだいに相手 を意識するように。 うつくしー。 研究者二人も詩人カップルも才色兼備。 キレイすぎ。 しかも詩人だからラブレターの言葉も素敵なのよ。 電話もメールも無い時代。 恋愛は大変でした。しかも不倫だし。 運命のすれ違いが何度となく起こったはずです。 それでも、相手の才能に惹かれ、熱い想いを美しい文章に込めて密かに送りあう 二人。 素敵です。 その詩人たちの研究をしている学者二人は、いい歳して恋に臆病。 愛情に身を焦がされることを恐れている。 失恋続きで恋に臆病な私と違って、こちらは美男美女のくせに何故かどちらも腰 が引けてる。 でも、詩人たちのほとばしるような想いに溢れた手紙を読み、自分たちも次第に 恋に落ちていく。 理想。正に私の理想とするところです。 二人で謎を解いていくなんて、何てロマンティックかつアカデミック。 そりゃ、あんなイイ男と研究小旅行なんかに行った日にゃ、恋に落ちるに決まっ てる。 現在と過去の映像が美しく展開するラブストーリー。 詩とかに興味無い人、手紙とかめんどくさーいと思ってる人には全くわからん超 キザな世界です。 でも、ケータイなんかですぐに答えが出る便利な恋愛と違って、時間がかかるぶ ん想いが深まる恋もある。 全然ヒットしないと思いますが、なかなかに良い映画です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 観客も10人以下で快適に見れました。何でこんなちょっとイイ感じ のラブストーリー、みんな見ないんだろ。 |
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http://www.minipara.com/movies2002-4th/hoyo/index.shtml http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=2752 |
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2003/3/1〜 (2002年アメリカ作品) |
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小さな中国のお針子 |
絶景映画です。 一言で言うなら絶景映画。 もー、舞台になっている中国の村が美しいのなんのって。 文化大革命の頃の中国。 都会から、再教育のため山奥の村に送られてきた青年ルオとマー。 お金持ちでインテリの二人は、慣れない農作業に悪戦苦闘。 そんな中、村のお針子の少女に恋をする。 外国の本を読むことを禁じられているなか、二人はお針子を変えようと密かに手 に入れた本を読み聞かせる。 彼女のお気に入りはバルザック。 バイオリンを楽器だと知らないくらい、外の世界を知らない村の人々。 純粋で、無垢なお針子。 でも好奇心旺盛で、都会青年たちから様々なことを学ぶ。 もちろん恋も。 切ないのは、男が二人だったってこと。 これが一人だったら、万事上手くいってたのに。 当然三角関係に陥ってしまうのだが、二人はそれぞれ愛し方が違っていた。 積極的にお針子を誘うルオ。典型的ヒョロヒョロ優男。 これに対し、口には出さずに、バイオリンを奏でながら温かくお針子を見守るマ ー。 マーはいつも一歩出遅れてる。 私も出遅れタイプなので、マーの方についつい同情してしまう。 今となっては、もちろんマーの良さがわかるし、マーのような人を好きになると 思うけど、若い頃はとかくルオのようなタイプに目がいきがち。 何て、過去の三角関係を思い出したりするほど、三人の演技は瑞々しくて、良い 感じです。 しっかし、予告編には負けるね。 予告編の方が断然切ないもん。 何でかなー。本編にはもひとつガツーンとくるものが無かった。 中国映画じゃないもんね。 舞台は中国だけど、フランス映画なのよ。実は。 フランス映画にしては中国は絶景すぎた。細かい心の動きより、景色のスケール の大きさが凄すぎたのか。 でも「青いパパイヤの香り」とか「愛人 ラ・マン」とかが好きな人にはお薦め 。 切ない三角関係続行中の人、過去にそのような経験がある人も是非。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) 村一番の美人のお針子が一昔前の演歌歌手みたいで、ちょっとツライ。 |
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http://www.albatros-film.com/movie/ohariko/ |
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2003/1/25〜 2002年フランス作品(中国語) |
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Mr.ディーズ |
実は私、それでもアダム・サンドラー結構好きなんです。 アダム・サンドラー演じる主人公ディーズは、田舎町でピザ屋を営んでいる。 純真で心優しい彼は、素朴な田舎町の仲間たちに愛され、日々グリーティングカ ードの言葉を考えて暮らしている。 誕生日や結婚記念日などに贈るあのカードに印刷されている、ちょっと心温まる メッセージを考え、仲間たちに発表するのが趣味なのだ。 ある日、NYで大成功した彼の叔父が亡くなり、彼は莫大な遺産を相続すること になり、マスコミにも大きく取り上げられる。 相続手続きのため、初めて訪れた大都会。そこには彼をスクープしようとするT Vリポーター(ウィノナ・ライダー)が。 彼女に騙されてる事も知らず、恋に落ちてしまうディーズ。 この映画も含めて、アダムの作品はハッピーエンドなものが多い。 しかも彼の役どころで多いのが、少年の心をもった独身男。 このディーズもびっくりするくらい純粋で、ポスト「トム・ハンクス」狙いか? ってくらい絵に描いたような良い人役。 でも、単純でロマンティックな言葉に弱い私のようなアホ女はすぐに彼を好きに なってしまうのだ。 私は、「俺は飛ばし屋プロゴルファーギル」を見て以来アダムのファンで「ウェ ディング・シンガー」やら「ウォーターボーイ」やら彼の出演作品を見まくって 、しまいに「アダムって、私とちょーお似合い」と勘違いしているアホ女なのだ 。 でも最近、ちょっとその少年キャラ飽きてきた。 好感度アップもいい加減にしとかなあかんよ、アダム。 でも世の男性諸君は、いくらクサくっても、女性がどんなことで喜ぶかを知るた めにはアダムの作品を見ることをお薦めします。 「女ってこんな男に弱いのかー。こんな奴、ホントはおらんのに」と思っても、 女は意外とこういう単純で解かりやすい言葉に弱いもんなので。 というわけで、飛行機の中で見るのに丁度良いくらいのラブ・コメです。 カップルでデート中に時間が空いたら見ても良いでしょう。 しかし、それならば、暖かい部屋で、ビデオで「ウェディング・シンガー」を見 た方が、二人の愛は確実に盛り上がると思われます。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) 時の人ウィノナ・ライダー出演(万引きで捕まる前)。 |
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http://www.mrdeeds.jp/ |
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2003/2/15〜 (2002アメリカ作品) |
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スコルピオンの恋まじない |
恋の呪文は「コンスタンチノープル」「マダガスカル」 最近まで私は、映画愛好家にも関わらず、ウディ・アレンの作品をあまり見たこ とがなかった。 大学時代、仏文科の同級生に「カイロの紫のバラ」を強力に薦められて見たのだ が、10分ももたず寝てしまった経験あり。 しかし、あの頃に比べて私も大人になりました。 ここ何年かで何本か彼の作品を見ましたが、何と面白いではないですか。 「ちっちゃくて、ぐちぐち喋る気味悪いおじさん」が「ウィットに富んだ魅力的 なおじさん」に見えるようになったから不思議です。 主演はもちろんウディ・アレン。 彼演じる腕利きの保険調査員C.W.ブリッグスは同僚のベティ・アン・フィッツ ジェラルド(ヘレン・ハント)と犬猿の仲。 調査員をリストラしようというフィッツジェラルドに激しく抵抗し、顔を合わせ るといつも口論に。 しかしある日、同僚の誕生日パーティで、二人は魔術師に催眠術をかけられ、呪 文を唱えられると、お互い相手に恋するようになってしまう。 そんな中、彼らの会社が保険契約をしている宝石の盗難事件が相次ぎ…。 前述の「猟奇的な彼女」に続き、今月は立て続けにラブコメディです。 何せ強化月間ですから。 しかも、「猟奇的…」が若者向けなら、こちらは大人向けです。 見に来てる人達の年齢層も少し高めで、主役二人の皮肉たっぷりな台詞や呪文に 翻弄される姿に、くすくす笑いが何度も起こってました。 是非、気になってるあの人と美味しいディナーの後にでも見に行って下さい。 楽しめます。 ドリームワークス製作なのに、そのCG技術はほとんど使われていません。 昔ながらの男女のウィットに富んだ会話が楽しめる大人のラブコメディ。 量より質を重視した、高級なチョコレートの一粒みたいにビタースウィート。 私にも催眠術かけて〜。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 私が見に行った映画館では「スコルピオンの恋占い」という催しがあり 、私も占ってもらっちゃいました。映画の内容共々ちょっぴり幸せな気分になれ ました。 |
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http://www.gaga.ne.jp/scorpion/ |
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2002/12/21〜 (2002アメリカ作品) |
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猟奇的な彼女 |
バレンタイン・デーにチョコレートをあげる人もあげない人も、貰えた人も貰え なかった人も、カップルになった人も失恋した人も、見に行きましょう。 2月は恋愛強化月間です。 何で人は何度も恋してしまうんだろうね。 悲しい結末に終わって、もう二度と恋はしないと決めても、いつしか傷が癒えて 、また誰かを好きになる。 それでいいんだよって、肩を押してくれるのが、この「猟奇的な彼女」です。 猟奇的な「彼女」はかなりカワイイです。 スタイル抜群、ストレートさらさらロング、これならナンボ暴力振るわれても男 の人は嬉しいのでは? パンチや平手は当たり前、そのうえ言葉も暴力的。 お酒に弱くて、何度も泥酔。正義感が強く、見知らぬ他人でも、老人に席を譲ら ない奴や援助交際する奴には鉄拳制裁。 そんな「彼女」に振り回される主人公、大学生のキョヌ。 中盤までは、韓国版吉本風こてこてシーンが多くて、ちょっと眠くなったりする ところもあるのですが、これが終盤がぜん良い展開を見せるのです。 韓国発インターネットから生まれた大学生の実話ラブストーリー。 本国では小説化されベストセラーに。その上この映画化でしょ。しかもスピルバ ーグのドリームワークスがハリウッドで映画化するってんだから。 とにかく見て下さい。 冷血漢の私が、久しぶりに映画館でほろりときてしまいました。 恋する女性(あるいは片思いの男性)はハンカチ必携で。 「彼女」は確かに普通の人よりかなり猟奇的で変わってますが、誰もが二人の恋 する過程には何かしら共感できる部分があるはず。 このバレンタイン・デー前後の恋心が微妙に動く時期、見るしかない。 恋してなくても、この際OK。 必見です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) 韓国映画あんまし得意じゃない人も大丈夫です。今月映画デートはこれ でほぼ決まりでしょう。 |
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http://www.ryoukiteki.com/ |
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2003/1/25〜 (2002年韓国作品) |
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恋は負けない |
私は、高校卒業まで瀬戸内の田舎町で育った、れっきとした田舎モンだ。 大学入学で神戸にやって来た。 神戸のお嬢様女子大に通うこととなった私は、最初もの凄く浮いてた。 この映画の主人公、ポールみたいに。 その当時の写真は見るのも恥ずかしい。 自分でもビックリするようなセンスの服を着てるし、化粧っけもなく、「神戸の 出身じゃありません」と顔に書いて歩いてるようなもんだった。 私の周囲のお嬢たちは、それはそれは美しかった。 雑誌に載ってる服を華麗に着こなし、何十万もするバッグを持ち、平気で外車に 乗っていた。 そんな中、私は恋をしていた。 彼は、そんな私をヘンな娘扱いせず、私のことを解かろうとしてくれた。 田舎育ちでぼんやりしてるだけなのに「優しい」と言ってくれた。 スローな私の行動を「安心する」と言ってくれた。 そんな都会で育った彼に、長い間片思いしていた。 この映画を見た時、びっくりした。 ポールは、当時の私みたいだったから。 彼ほど周囲から浮いてはいなかったけど、その不器用さもダサさも、片思いの仕 方も似ていた。 NYの大学にやって来た田舎者ポールが恋する、都会っ子ドーラは教授の愛人。 気の良い彼女と優しいポールはすぐに友人になるのだが、ポールはあくまでも良 き親友止まり。 彼女を楽しませようと色々するのだが、ドーラにとっては「ポールっていいひと ー」。 「いいひと」止まりで苦しんでいる人。いつかきっと自分のことをわかってくれ る人が現れるはず。 美人や、おしゃれな人や、お金持ちだけが幸せになるとは限らない。 田舎者でも、ダサくても、優しさを持って真面目にがんばっていれば、神様がご 褒美をくれるはず。 そう信じれる映画です。B級だけど、なかなか心温まりますよ。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ ポールがパーマ頭になってたとこは微笑ましかった。ベタな内容です が、カップルでビデオ鑑賞するには嫌味がなくて良い感じです。 |
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*http://www.spe.co.jp/movie/loser/ |
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2001/10/6〜 (2000年アメリカ作品) |
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刑務所の中 |
山崎 努、サイコーっす。 初日舞台挨拶に行ってきました。 ナマ崔洋一監督と山崎努。 二人が映画館の外を普通に歩いてたら、たぶん私は気がつきません。 挨拶では、撮影中のエピソードなどが聞けました。 その中で印象的だったのが、山崎氏の「僕は今までに50本くらい映画に出てい るが、その中でも自信を持って主演したといえる数少ない映画のうちの一本です 」という言葉です。 言葉どおり、ホントに面白いです。 原作はコミックです。 受刑者番号222番、花輪和一。 彼の刑務所の中での生活を淡々と描いた映画です。 今までの刑務所モノとは全然違います。暴力シーンや派閥争いなど全くありませ ん。 言い方はヘンだけど、ものすごくほのぼのしている。 多分、外の世界より平和。 厳しい規則はあるものの、従っていれば3食きちんと食べれて、昼寝ができる日 もある。 雑誌も読めりゃ、テレビや時には映画も見れて、おせち料理や「アルフォート」 も食べれちゃう。私の大好きなミルミルも飲める。 そのディテールにこだわった、きちんとした描写が面白い。 そして、山崎努の全く普通の人感覚の演技。 スゴク良い。 花輪にやたら好感を持ってしまうくらいヤバイ。 同室(?)の受刑者たちもコミカルだし、坊主頭つながりか窪塚クンもちょこっと 出てきます。 いっぱい笑えて、何故かじんわり温まります。 多分これを見た多くの人が、刑務所ってなかなか良いとこだなーって思うはず。 でも入りたいからって、悪いことしたらダメですよ。 監督が、昼間の撮影中に土手から落ちて怪我したら、夜の撮影場所が何と整形外 科の隣だったりとか、山崎氏は仲良くなった網走の刑務所博物館の館長に今も野 菜を送ってもらったりしているとかいう映画さながらのくすっと笑えるエピソー ドもあったそうです。 キネマ旬報の2002年邦画部門第2位に輝いたらしい(東京では2002年1 2月7日公開)。 納得。面白いです。おすすめ。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) 映画館の売店で、実際に食べられてる「刑務所FOODS」販売中でし た。 |
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http://www.keimusho-no-naka.com/ |
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2002/12/7〜 |
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カンパニー・マン |
「CUBE」という映画を見たことがありますか? 見てない人は、是非レンタルしてみて下さい。 面白コワイ映画です。 「カルト」とか「店長のおすすめ」とかいう棚によく置いてあります。 巨大な立方体に閉じ込められた人々の映画です。 そんな、ワケわからん設定なのに、見ているうちにどんどん引き込まれていく、 テーマも映像も超斬新な映画で、当時私も今までにない驚きを感じました。 その、「CUBE」のヴィンチェンゾ・ナタリ監督の5年ぶりの作品。 普通、試写会って女性が圧倒的に多いのに、マニア系男性(失礼)が4割近くい たし、かなりの期待度だったのですが…。 主人公モーガンは、ハイテク企業の産業スパイとなるのだが、その仕事は会議を 盗聴するという、ちょーチョロい内容で高収入。 名前を偽り、今までの地味ーな自分とは違う新しい自分を演じながら、スパイを 楽しむモーガン。 でも、盗聴を重ねるうちに頭痛とフラッシュバックのような悪夢が彼を苦しめは じめる。 そして、彼が今までの自分を見失いかけた時、謎の女が「あなたは洗脳されてい る」と告げにやって来る。 確かに、その斬新さは健在でした。近未来の映像も美しい。 でもねー、オチに無理がある。 展開はハラハラするし、前日3時間しか寝てなくても「どーなるんだろー」って 最後まで睡魔に襲われることもなく見れたけど。 「アリー・マイ・ラブ」「チャーリーズ・エンジェル」でおなじみのルーシー・ リューのヅラが可笑しいっていうのもある。 「金庫」に入る時の階段が笑えるっていうのもある。 でも、そんなオチ無いわ。がっかり。 近未来では、「自分探し」も大変です。 ビデオで良い。しかも、借りるならできるだけ頭がスッキリしてる日にした方が 良いです。鑑賞後、かるーい疲労感があるので。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) 邦題って誰が考えてるんだ!? 「カンパニー・マン」って…。原題の「CYPHER」もわかりにくいけども、もうちょっとカッコ良くても…。 |
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http://www.companyman.jp/ |
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2003/1/18〜 |
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火山高 |
「その映像は『マトリックス』以上、面白さは『小林サッカー』以上」という謳 い文句。 そんなこと無いです。それはちょっと言いすぎだけど、私こんなの嫌いじゃない です。 最近、元気がいいアジア映画。 でも、まだまだ同じストーリーを撮るならハリウッドには技術的には敵いません 。 やっぱり、ここはアジア独自の面白テイストを出した方がいいでしょう。 でも、もうジャッキーのカンフーは見飽きたってことで「火山高」ですよ。 「小林サッカー」のベタ過ぎる笑いがOKの人は大丈夫。 あー、でも「笑い」だけを取ったら「小林サッカー」の方が、断然面白い。 笑いのシーンは少なめだけど、ワイヤーアクションとCGでは、全然負けてない よ。 主人公ギョンスは、過去退学9回。 普通の高校生活を送りたいだけなのに、そのとてつもないパワーのせいで、いつ もトラブルに巻き込まれる。 今度こそ…と「火山高」に転校してくるのだが、ここでもまた派閥争いに巻き込 まれていく。 という何てことないストーリーなので、内容を求めて行くと失敗します。 ここは、頭を空っぽにして、そのバカバカしいまでに凄まじいアクションを楽し みに行きましょう。 ほんっと、もうマンガなんだってば。 学園モノ少年漫画に良くある「そんな奴、おらんで〜」とこだま・ひびきに言わ れる様な、ちょー強い不良(めちゃくちゃ滞空時間長いジャンプとかできる)が 、わんさか出てきます。 しかも、美少女との恋あり。しかも美少女も激ツヨ。 その美少女も含めて、韓国の若手スターたちが、すごく良いのです。 学生服を戦闘服に戦う姿は、かなりカッコ良いです。 フレッシュな演技という点では「マトリックス」より「小林サッカー」より高得 点でしょう。 こむずかしい社会派を気取った正月映画より、何も考えずに見に行った者勝ちで す。 (written by よこたようこ) |
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★★★ 映画会社の人にお願い。チラシに「制作費48億ウォン」と書いてあ るのですが、わかりにくいので円で書いて下さい。 |
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http://www.kazanko.com/ |
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2002/12/21〜 2002年韓国映画 |
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jam Films |
思ってたより良かったよ。「jam Films」 現在の日本映画を代表する監督7人が、それぞれテーマやジャンルに拘らない7 本のショートストーリーを製作。 その7人の監督(代表作)とは、 飯田譲治…「アナザへヴン」「らせん」 岩井俊二…「リリィシュシュのすべて」「スワロウテイル」 北村龍平…「ダウン・トゥ・ヘル」「VERSUS」 堤幸彦…「ケイゾク」「TRICK」 篠原哲雄…「はつ恋」「命」 望月六郎…「新・悲しきヒットマン」「鬼火」 行定勲…「GO」「贅沢な骨」 まあ、豪華な顔ぶれ。 作った作品もバラバラ。 普通のオムニバスじゃないとこは、なかなかイイ。 同じテーマで7本はちょっと眠くなるので。 イギリスで、ロンドンの地下鉄をテーマに作られた「チューブテイルズ」は、オ ムニバスの中ではかなり面白かったけど、ちょっと寝てしまった。 どれも、そこそこ良かったけど、私が一番好きだったのは篠原哲雄監督の「けん 玉」。 篠原監督は、以前も「月とキャベツ」で山崎まさよしを主役に撮ってるんだけど 、今回も相性抜群。 山崎まさよしのめちゃくちゃ自然体な感じと篠原涼子のふつーな感じがスゴク良 い。 作品の面白さと言う点はさておき、その監督の世界が確立されてるなーと思った のは、岩井俊二監督の「ARITA」。 一番ヒット作が多いっていうのもあるけど、監督名がクレジットされなくても、 たぶん多くの人が岩井作品だとすぐに気付くくらいカラーが出てました。 広末や妻夫木クンも出てて、なんだかお得な感じの「jam Films」。 どの作品も良くできていて、好き嫌いはあっても、退屈せずに最後まで見れます 。 お正月映画の中では、お薦めです。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ オープニングもカッコイイ。第二弾も製作されるらしいです。デート にも良し。 |
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http://www.jam-films.com/ |
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2002/12/28〜 2002日本映画 |
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アイリス |
夫婦って、スゴイよねー。 だって、一生その人と生きていくんだよ。 結婚ってスゴイよ。 ホント、この作品を見ると感じるね。 やっぱ、「愛」がなきゃダメだよ。 この映画の主人公アイリス・マードックは実在の人物。 作家であり哲学者の彼女は、「イギリスで最も素晴らしい女性」と形容されてい る。 彼女の夫であるジョン・ベイリーが、出会いからアイリスが亡くなるまでの結婚 生活を描いたベストセラー小説を映画化。 アイリスは知的で、自由奔放で、美しく、恋愛経験も豊富な女性。 これに対して、ジョンはびっくりするぐらいカッコ悪い。 ちょっぴり太めで、頭も薄め。黒縁眼鏡で赤ら顔。 おしゃべりにも慣れてなくて、言葉もなかなか出てこない。 典型的なモテないタイプ。 でも、純粋でアイリスを誰よりも愛している。 そんなジョンが自分の一番の理解者だと気付き、アイリスは結婚する。 結婚してからは、さすが作家夫婦だけあって、言葉を大切にし、言葉遊びをしな がら会話を楽しむ様なおしどり夫婦。 それなのに、アイリスはアルツハイマー病と診断され、次第に言葉を失っていく 。 若き日のアイリスを「タイタニック」でおなじみのケイト・ウィンスレットが、 老いてからのアイリスを「恋におちたシェイクスピア」のジュディ・デンチが見 事に演じています。 ケイト・ウィンスレットは、「タイタニック」よりこっちの方がかなり良いです 。痩せたしね。若くて生命力に溢れたアイリスを好演してます。 でも、テーマが重過ぎるせいか、時間が短すぎるせいか、もう一つ盛り上がりに かけるのよ。 確かに夫婦愛ってスゴイよねーとかは思うんだけど。 結婚した相手が、アルツハイマー病になっても、愛し続けられるかなー。 ジョンが「君の病気のせいで僕は大変なんだー!」って怒鳴るとこがあるんだけ ど、本音だよねー。 でも、怒鳴っても、どんなに大変でも、ずーっと側にいたいと思う、アイリスと ジョンのような夫婦って私にとっては理想の世界。 2003年こそ、そんな相手とめぐりあうぞー。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) デートムービーとしては重すぎるかも。重すぎて相手に逃げられるか、 結婚に向かうか、二つに一つって感じっす。 |
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http://www.shochiku.co.jp/iris/ |
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2002/12/21〜 2001イギリス映画 |
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運命の女 |
結婚して11年の夫婦、エドワードとコンスタンス。 彼らには、郊外の素敵なマイホーム、9歳になるかわいい息子、広い家でしか飼 えない大型犬。幸せを絵に描いたような生活。 しかし風の強いある日、コンスタンスは息子の誕生日プレゼントを買いにNYへ 。 運命のいたずら。 強風で前が見えずぶつかってしまったポールは本の売買を仕事とする若くて魅力 的な青年。 夫には内緒で彼と密会を重ねるコンスタンス。 しかし、不倫はいつかバレるもの。嫉妬に駆られたエドワードはポールに会いに 行くのだが…。 まず言いたいのは、あんな風の強い日になんじゃい、そのミニスカは!! その短さは確信犯だと思われても仕方ないぞ。 コンスタンスには最初から不倫願望があったと言われても弁護しきれん。 それとねー、はまりすぎ。 そんなに良いかなー、ポール。 確かにソーホーに住んでて、アート系の仕事に就いてて、フランス人。 これまた、ヤラシイことにちょっとフランス語で喋ったりすんのよ。 ほんでもって「右の棚の左から4冊目の本の23ページを開いて」とか言ったり して。 これ多分何百回も使った口説きテクなのに、コロっと騙されすぎよ、大人の女が 。そんなの暗記してるなんておかしいやん。 まあでも皮ジャン、ジーンズ、無精髭のポールに対し、旦那のエドワードはベス トにネクタイ。 気持ちはわからんでもないが、典型的な「ないものねだり」ですな。 リチャード・ギア、ダイアン・レインに、監督はこの手の不倫話といえばのエイ ドリアン・ライン(「危険な情事」「ナイン・ハーフ」)。 日常生活に退屈してる奥様は見てみたら? しかしビデオでも充分です。 (written by よこたようこ) |
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★★ 試写会場で隣だった女の人は号泣してたので、そういう経験ありの人は 、ハマれるかもしんない。でもタイトル負けだな。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/unfaithful/ |
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2003/1/11〜 東宝洋画系 (2002年アメリカ映画) |
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チアーズ |
私は、生まれ変わってアメリカ人になれたら、絶対に太らない。 そして、ハイスクールでチアリーダーになるのだ。 そんな私の彼はアメフトのクォーターバック。 卒業プロムでキングとクィーンに選ばれ、卒業アルバムのベストカップル賞もゲ ット。 夢見て悪いかよー。そこで「チアーズ」です。 5年連続優勝のチアチームのリーダーに選ばれたトーランス。大会に向けて猛特 訓中。 しかし、先輩たちから引き継いだ振り付けがライバル校のパクリだったことが判 明。 大会までもう時間が無い。新しい振り付けにするか、そのまま盗作で出るか悩む トーランス。 そこに恋のトラブルも加わって…。 もー「マブしーっ」って言って目を保護したくなるほど、キラキラです。 元気いっぱい。 主演のキルスティン・ダンストは、以前「スパイダーマン」の回でも書きました が、こっちの方が3.7倍くらいカワイイです。ホントです。 チアリーディングって、ビックリするくらいハードなスポーツ。 しかも基本は「応援」なので超笑顔で飛んだり跳ねたり、下敷きになったりしな くちゃなんないのよ。 ハイ、みんな声出していこー。 ライバル校との戦いも白熱。本格的です。 私のようにシケたクリスマスと年末を迎えている人。 元気を出すには「チアーズ」です! 楽しー!! 友達同士で集まって見るのも良いかもね。 来年はがんばるぞーって気分になるよ。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ こんなかわいいアメリカ青春コメディ映画大好き。音楽もこれまたキラ キラで良いです。 |
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http://www.cheersmovie.com/ |
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2002/08/04〜 2000アメリカ映画 |
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ハッシュ |
もーお酒は飲みません。 毎年 年末の時期、私は決まって泥酔する。 クリスマスのイルミネーションがそうさせるのか。 思えば今年は3回も泥酔した。 春お花見では酔っぱらって木に登り、失恋の後遺症から夏にもバカ飲みした。 そして先週、また天井が回るほど飲んだ。 二日酔いは苦しい。 週末、ガンガンする頭と後悔で痛む心を癒すため「ハッシュ」を見た。 泣けた。 肝臓にしみた。 「ハッシュ」は家族についての映画。 そば屋で偶然ゲイのカップルの直也と勝裕に出会った歯科技工士の朝子は、勝裕 に子供を作ろうと持ち掛ける。 最初、強引な朝子に戸惑う勝裕だったが、朝子の熱意とゲイである自分の人生、 直也との関係から、真剣に考えるようになる。 やがて、それぞれの家族や同僚を巻き込んで話が複雑になっていく。 私も30過ぎて独身で、しばらく恋人もいない。 この時期、いつもぼんやりと将来の自分を考えてみたりする。 私は一人っ子なので、いづれ両親が亡くなればこのままでは本当に独りぼっちに なってしまうという漠然とした恐怖をいつも感じる。 親戚づきあいも決して良い方では無いし、家族と言えるのは今は両親と長年添い 寝してくれてるクマのぬいぐるみだけだ。 「ハッシュ」の3人のように、いびつだけど温かい関係って憧れる。 30過ぎて独身で孤独な朝子に、つい感情移入してしまう。 私にもこんな関係でそばにいてくれる人がいたらなーと憧れる。 家族の形ってこれって決められないし、いつもそばにいてくれる心が通う人々を 家族って呼んでもいいんじゃない? それが恋愛とか結婚とかいう形じゃなくても。 傷ついた朝子が一人ぼっちの時、ゲイ二人が部屋に訪ねて来てくれるシーンには 泣きました。 この時期、寂しくてやりきれず、泥酔してる人は是非見て下さい。 家族に優しくなれたり、元気が出たりします。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 田辺誠一、片岡礼子も良いんだけど、高橋和也がこんなに上手いって知 ってた? |
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http://www.cine.co.jp/hush/ |
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2002/4/27〜 2002日本映画 |
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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ |
これ、是非、年末年始のお休みにレンタルしてみて下さい。 ビデオのパッケージ写真がスゴ過ぎて、何だか手に取ったら呪われそうな感じで すが、全然そんなことないです。 特に音楽好きの人。いいですよー。 切ないです。 ヘドウィグは東ベルリン生まれの女の子みたいにかわいい男の子。米兵と恋をし て性転換手術をうけ女として結婚し、アメリカに渡るが夫に捨てられ、おまけに 股間には切りとられ損ねた1インチが残っていた。 生活のためにバンドを始めて、新しい恋人もできるが、彼はヘドウィグの作った 曲をパクって、一躍スターになって去っていく。 怒ったヘドウィグは自分のバンドを引き連れ、彼の全米ツアーを追っかけてコン サート会場の近くのファミレスチェーンでライブ活動。 まず、ヘドウィグの歌声が素晴らしい。 男でも女でもない、孤独で切ない歌声は思わずサントラを買ってしまいそうにな るほど。 歌詞も心に染みる。 監督・脚本・主演のジョン・キャメロン・ミッチェルの才能、恐るべし。 元々ニューヨークのオフ・ブロードウェイでミュージカルとしてロングラン上演 されていたものの映画化。 マドンナやデビッド・ボウイも見に来たという。 ストーリーも歌詞にそっててわかりやすく、最後までぐんぐん引っ張っていく勢 いがある。 あんなキワキワファッションのヘドウィグを最後には美しいと思わせてしまうと ころがまたスゴイ。 音楽が好きで、純粋に愛を求めているヘドウィグは性別を超えた存在。 その生き様は、可笑しくて切ない。 何度も立ち上がるヘドウィグの姿に、元気が出ます。 だまされたと思って、借りてみて。 サントラ買いたくなるから。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 「これ、実話?」とか思ってHP見て調べちゃう人も多いはず。それぐ らいリアルに上手く作られています。 |
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http://www.gaga.ne.jp/hedwig/ |
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2002/2/23〜 2001アメリカ映画 |
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運動靴と赤い金魚 |
私はクリスマスがあまり好きではない。 クリスマスの前は毎年ロクなことが起こらない。 その年の私の男運の無さを象徴するような出来事が度々起こるシーズンなのだ。 そのため私は家に閉じこもって、じっとクリスマスが過ぎるのを待つ。 外出厳禁。人込みの中でクリスマスの風に吹かれるなど、もっての他だ。 「運動靴と赤い金魚」は今何かと話題のイラクのお隣の国、イランの映画だ。 主人公の少年アリは、お使いの帰りに妹の運動靴をうっかりなくしてしまう。 イランは貧富の差が激しい国。 アリの家は貧しく、新しい靴を買う余裕は無い。なくしてしまった靴だって修理 を重ね、これでもかってくらいボロボロなのだ。 なくした事を両親に打ち明けられず、一足しかないアリの運動靴を妹と交代で履 くことにする。 そんな時、小学生マラソン大会の三等の商品が運動靴だと知ったアリは、妹の靴 のために参加を決意する。 私は偽善者だ。 私には奉仕の精神があまり無い。 毎年2回ボーナスシーズンに、ユニセフに幾らか寄付をして自負心を満たしている。 行動ではなく、お金でボランティア精神の無さを埋めようとしている。 そんなある日、地下鉄で「あなたの古着で温かいクリスマスをプレゼントしませ んか?」という広告を目にした。 なんばウォークという商店街が毎年行っている、古着を貧しい国々へ届けるイベ ントだ。 「運動靴と赤い金魚」をビデオで見た直後だった私は、早速、週末家族にも呼び かけ、家中の古着をかき集め、なんばウォークに持って行った。 会場には、切れ目無く古着を持った老若男女が訪れていた。 温かい気持ちになった。 受付のお姉さんたちの笑顔。黙々と段ボール箱に詰め直す作業をするボランティ アの人々。重そうに何袋も古着を抱えてやって来る人々。 その人達には全然及ばないが、私の小さなボランティア活動(この程度でお恥ず かしい)。 でも私のちょっとほつれたセーターや、買ってみたものの似合わなかったフリー スのおかげで、アリ兄妹のような靴を買うのも大変な子供達が温かいクリスマス を送れるなんて、素敵だ。 私の方が癒される感じだ。 今年はいつもよりちょっぴりクリスマスが好きになれそうな気分だ。 この映画に描かれてる家族・兄妹を思いやる気持ちが、私を動かし、温かい贈り 物をくれた。 一足早いクリスマスプレゼントを受け取った気分。感謝。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) イランは子供が主人公の映画が多い国。「ともだちの家はどこ?」も良 いです。 |
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http://www.asmik-ace.com/ChildrenOfHeaven/ |
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1999/7/〜 (1997年イラン作品) |
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リリィ・シュシュのすべて |
痛い映画です。凄く。 とても美しいガラス細工をさわったら、一瞬で壊れて指に突き刺さって血を流す。 傷は細くて深い。 そんな痛みが何日か残る映画です。 主人公の雄一は田園風景が美しい町に住む14歳。 リリィ・シュシュというアーティストの大ファンで、自らインターネット上にフ ァンサイトを開いている。 サイトの掲示板での交流だけが、唯一の楽しみ。生きている実感。 現実の世界では、イジメの対象。 中一の夏休みまで同じ部活仲間だった星野にイジメられている。 「僕にとってリリィだけがリアル」 物凄く美しい映像です。 岩井俊二監督が「遺作を選べるならコレ」と自ら言ってしまうほど、今までのど の作品とも違っていて、美しいです。 もともと岩井作品の映像はどれも美しいですが、これは別格。 目が回りそうになるくらい鮮やかな田園風景。 それに反して、窒息しそうに行き詰まった学校生活。 美しいものと汚いもの。 光と影。 もう全然10代でもない、いい大人ですが、心に刺さった。 刺さったトゲは何日か抜けませんでした。 パソコンのキーを打つ音。リリィの歌声。ドビュッシーのピアノ。 何日も耳に残る。 時が止まってしまったかのように。 14歳のリアル。 今14歳の人。かつて14歳だった人。 これは誰もが感じる痛みを映像と音で私達の中に流し込む映画です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 体調悪い時は「Love Letter」「四月物語」の方をお薦めします。岩井流恋愛映画。幸せな気持ちになれます。 |
(非公式) |
http://www.yomiuri-you.com/you_b/cinema/liliy.html |
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2001/10/27〜 |
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ゴスフォード・パーク |
第一次世界大戦後のイギリスが舞台。 「ゴスフォード・パーク」と呼ばれる貴族の豪華なお屋敷に招待される人々。 泊りがけでの狩猟パーティが行われる中、そのお屋敷の主人が何者かに殺害され る。 ロバート・アルトマン監督です。 もー、ビックリするぐらい登場人物が多いです。 お屋敷に集まる貴族だけでも、何人出てくるんだ。 その上、その貴族たちがそれぞれ自分の家から使用人を連れてくるんですよ。 しかも、旦那様と奥様は別々の使用人よ。 ほんでもって、その使用人達に二人部屋だけど泊まる部屋が与えられんのよ。 全く、何部屋あったら足りるんだー。何LDKなんだ、この屋敷は。 ちょっとギャラ高めなキャストだけで13〜4人は出てきます。 最初はあまりの多さにわけわからんくなって眠くなってしまったりします。 でもね、そこは群像劇監督のアルトマン。 見事な捌きっぷリ。 ストーリーが進むにつれて、一人一人のキャラがわかるようになってます。 アカデミー脚本賞にノミネートされただけのことはある。 不倫あり、恐喝あり、嘘あり、嫉妬あり。 見た目は華やかだけど中身は薄っぺらな貴族の生活と、そんな貴族に仕えながら も冷ややかな目でみつめる使用人達の様子を皮肉たっぷりに対比させて描いてい ます。 コスプレ時代劇好きな人にはお薦め。 貴族たちの豪華なドレスや、かっちりした乗馬服。 使用人たちの伝統的でシックな黒のワンピースやグレーのコート。 華やかで退廃的なお屋敷のインテリア。 きちんと作られてて安っぽくなく、雰囲気はとても良いです。 ただ、推理物としては犯人は途中で何となく解かってしまうので、そこはちょっ ぴりがっかりかな。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) アルトマンの群像劇で私の一番のお薦めは「ショート・カッツ」です。よ く撮影当日に脚本を変更したりするらしいのですが、こんなに人数多いのに良く ぞここまでと感心させられます。 |
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http://www.uipjapan.com/gosfordpark/ |
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2002/10/26〜 |
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マイノリティ・リポート |
行って参りやした、予告編から観たかったこの話題作。 うーん良く出来てますのー。もちろん監督、役者も良いですが脚本がいい。 西暦2054の近未来のアメリカ。 そこではITの集積とも云えるテクノロジーがさもありなんとぞろぞろお出ましで、 各企業、大学が必死こいて研究開発しているようなバーチャルリアリティ, 網膜認識システム、電子広告(的確な表現が出て来ません)、マグ=レブ交通システム、 映像表示技術(立体投影及び平面ディスプレイ)などが うーんあり得る、 そうなるんだろうって感じで且つ無理のない形で映像化されてます。 実に近未来の描き方が非常に具体的かつ実際的でクール。 流石はスピルバーグ+ドリームワークスです。 現状で考えられるほぼ達成可能な50年後の世界はきっとこうなんでしょう。 圧巻は映像表示及び操作技術。透明なホロスクリーン又はカード(状メディアor装置) に写し出される映像、そして全身で映像を操作するオペレーション。 新しいコンピューティングの予感。 「ガタカ」でも近未来の描写で、それは遺伝子技術の発達の先での 人間の優劣の選択が行われると云う展開でしたが これでは技術の発達と人間の淘汰(発達)の結果の社会、 偶然の副産物として犯罪を予知するシステムが開発され、 安心で平和な世界が訪れたかに思えるのだけれど・・・。 犯罪予防局チーフのトム・クルーズ演ずるジョン・アンダートンの心の傷、 犯罪防止に対する正義感そしてこのシステムへの信頼が 全てにおいての伏線でしょうか。 音楽も壮大かつエネルギッシュで映像の迫力を引き立たせています。 はやりスピルバーグとくればジョン・ウィリアムズでした。 ちょっと残念だったのは序盤からハイペースで飛ばしているせいか 終盤ペースダウンしたかに思える所はもったいない気がします。 わたしの「マイノリティ・リポート」でした。 ちゃんちゃん。 (written by DAI) |
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★★★★ この冬の話題作ナンバーワンでしょうけど、2時間半はちょい長いです。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/minority/ |
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2002/12/7〜 東宝洋画系 |
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ジョンQ 最後の決断 |
もし、自分の家族が「心臓移植しないと助からない」と宣告され、しかも手術費 用は年収10年分くらいかかると言われたら。 デンゼル・ワシントン演じるジョンQは、日々の生活で精一杯の鉄工所の社員。 不景気で給料もカット。 でも、しっかり者の奥さんとかわいい息子が心の支え。貧乏だけど幸せな生活を 送っていた。 しかし、突然息子が心臓病で移植手術が必要だと言われ、医療保険では補えない 高額な医療費を請求される。 お金が払えないと、移植リストにも載せてもらえない。 思い余ったジョンQは病院のERに人質と共に立てこもり、息子の手術を要求す る。 うーん。 確かにデンゼル・ワシントンの演技は素晴らしいですよ。アカデミー賞俳優の名 に恥じない名演技です。 本当は良い人なのに無理して立てこもっちゃった的な感じも凄く出てるし、息子 とのじんわり泣けるシーンもあります。 でも、結末は多分皆さんが想像してるとおりです。 2時間のドラマなんで仕方ないんですけど、ちょっとそれは展開しすぎじゃない ?っていうハリウッド流の作り方です。 ヨーロッパ映画ならこうはいきませんよ。多分3日は引きずるくらいの悲惨な結 末でしょう。 まあ、こういう大味な感じがアメリカで、ハリウッドなんですよ。 ロバート・デュバル、ジェームズ・ウッズ、アン・ヘッシュほどの豪華キャスト を持ってしたら、もっと・・・と思ってしまうのは私だけ? 試写会場では、あちこちですすり泣きが聞こえていたので、多分多くの人たちは 感動できる映画だと思われます。 またまた冷血漢だと思われそうな感想ですが、ちょっと話が出来すぎてるので、 私の涙指数は40パーセントでした。 でも、もし私に子供がいて、同じような事態に陥ったら、私もジョンQ並に暴れ るかもしれないなー。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆3(.5) 社会制度の矛盾の方が身につまされて、考えさせられました。 |
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http://www.john-q.jp/ |
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2002/11/23〜 東宝洋画系 |
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狂気の桜 |
一週間くらい前に見たのですが、なかなか考えがまとまらず、そして今もまとま っていません。 窪塚洋介が企画段階から参加したということで、どんなもんか見てやろうという 気になって映画館に足を運んだ。 極妻シリーズみたいに「テレビで見るヤクザ映画」しかない今日この頃。 まあ、ヤクザ映画とはちょっと違うけど、日本の新しい暴力映画が大スクリーン で見るだけの価値があるかどうか、見てみたかった。 Vシネ並の暴力映画だったらやだよ窪塚くんと思いながら行った。 窪塚演じる山口は、幼馴染みの市川と小菅と共に白い特攻服に身を包み、「ネオ ・トージョー」と名乗り、「日本をダメにする」中途半端な悪さをするクズたち を暴力で制圧する。 山口は自らをナショナリストと呼び、武道を学び、肉を食わず、日本古来の文化 を愛する。 右翼の首領青田に目をかけられるが、山口は組織に属することを嫌う。 他の二人はそこまでの思想が無い。 市川は消し屋三郎(江口洋介)、小菅は組織のNO.2兵頭に傾倒してゆく。 暴力を持って日本を良くするという志は、やがて大人たちのより大きな汚れた暴 力にひねり潰されていく。 うーん。 窪塚が原作に入れ込んだ気持ちも解かる。 「イデオロギー磨いてますから」「ニッポンはアメポンになってしまった」等、 今の窪塚の気持ちに近いであろう台詞がたくさん出てくる。 でも、なんかバラけちゃってて、一つ一つがあまり響かない。 「GO」で日本という国のこと、国籍のことを考えたのも解かる。 腹立つ奴等を暴力で教育するというのも解かる。 でも、言いたいことが多すぎるのか、大きな一つのテーマの流れが見えん。 かといって私の後ろに座っていた女子高生4人組(平日の昼間なのに学校はいい のか?)のように「全然わからん。面白くなあーい」と大声で感想を言う気分に もならない。 Vシネよりは良いと思うが、果たして1800円払って見に行った人の何人が満 足して帰ったのだろうか。 それとも私が年を取りすぎてて、窪塚の真っ白で純粋で青臭い想いに共感できず 、窪塚・江口の「ダブル洋介」対決なんかの方に興味が行っちゃってるのがダメ なのかしら? (written by よこたようこ) |
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★★★ ネオ・トージョーのメンバーを演じるRIKIYA、須藤元気の新鮮 な演技、CMでおなじみの高橋マリ子が良い感じです |
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http://www.toei.co.jp/kyokinosakura/ |
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2002/10/19〜 |
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ワンダフルライフ |
あなたの今まで生きてきた中で一番の思い出は何ですか? 家の近くの万博公園の外周を自転車で走りながら考えた。 10月の天気の良い水曜日。 美術館に行こうと有休をとったのだが、あいにく休館日だったことをうっかり忘 れていた。 そこでサイクリングをしながら考えた。 私の一番の思い出は何だろう。 「ワンダフルライフ」の世界は「あの世」と「この世」の中継地点。 人は亡くなるとそこへ行き「あなたの人生の中から大切な思い出を一つだけ選ん で下さい」と言われる。 「あの世」に行くまでの一週間で、思い出を選び、それを職員たちが映画にし、 小さな試写室のようなところで鑑賞する。 すると人はその時の気持ちだけを持って「あの世」に旅立てる。 学校のような建物の中で、職員たちが面談しながら、エピソードを丁寧に1人ず つ聞いていく。 やはりお年寄りが多いが、若い人も中にはいる。 様々な人々が、様々な思い出を選択する。 なかなか選べない人もいる。選ばない人もいる。 私なら、どんな思い出を選ぶだろう。 案外、何の変哲もない今日みたいな日を選ぶかもしれない。 10月の天気の良い水曜日。 お気に入りのシャツを着て自転車に乗り、MDを聞きながら通り過ぎていく景色 を眺める。 少しずつ色を変え始めた木々。 髪の毛を軽くなびかせる風。金木犀の香り。 温かい日差し。行き交う車に反射する光。 青空を低く後ろに流れていく白い雲。 すれ違う部活のランニング中の高校生たち。 エキスポランドの大きな観覧車。 世界は美しい。そう感じられる日。 そんなことを考える一日をくれる映画です。 ゆっくりと時間をとって考えてみるのも良いのでは。 あなたなら、どんな思い出を選びますか? (written by よこたようこ) |
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★★★★ 「ピンポン」のARATAが出ています。髪の毛センター分けで今より 少しやせてます。 |
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http://www.kore-eda.com/w-life/ |
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1998 ;2000/6/21〜 ビデオ販売 |
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ザ・ロイヤル・テネンバウムズ |
この秋一番のお薦め。 オシャレで、ヘンテコで、カワイクて、何だかイイ感じの余韻も残すファミリー ムービーです。 かつて天才児兄弟といわれたテネンバウム家の3兄弟。 長男チャスは小学生の時から不動産売買をして財をなした元天才ビジネスマン。 長女で養女のマーゴは12歳でデビューした元天才劇作家。 次男のリッチーは全米大会三連覇の元天才テニスプレーヤー。 しかし、ろくでもない父親のロイヤルのせいで一家離散。その父親が余命6週間 と宣告され、大人になった兄弟は再び嫌々集結することに。 欠点だらけのヘンテコ家族の再生物語。 とにかく、オシャレです。 古くて新しく、オシャレでダサく、キッチュでゴージャス。 以前、「シネボード」にも書きましたが、そのファッション、インテリア、小物 に至るまでマニアの臭いが立ち込める、物凄いこだわりが感じられます。 編集にも、カメラワークにも執拗なまでのこだわりが溢れてます。 恐るべしマニア系監督ウェス・アンダーソン。(しかし監督の私服はGAP・バ ナリパ系) 特に私のお気に入りは、3兄弟のスポーツブランド・ファッションの中でもチャ ス親子の体操服みたいな赤のアディダス(これしか着ないが、お葬式用に黒もあ り)。 3兄弟の部屋もすんごいです。 リッチーが描くヘタウマな絵が家中に飾られてて、章ごとに出てくる家族の似顔 絵も「どーなんだ」って感じで、笑えます。 キャストも超豪華。ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、グィネ ス・パルトロウ、ベン・スティラー、ビル・マーレー等々。 様々な映画賞も受賞しています。 あんまりオシャレ、カワイイ等などと書くと、「アート系で難しそう」「オシャ レなだけでよく分らんのでは」と思われるかもしれませんが、誰が見てもわかり やすい単純なテーマで、誰もが持ってて、上手く伝えられない家族への想いが、 オモシロ悲しく描かれてる、ちょっとイイ話です。 デート・ムービーにもお薦めです。 でもこの映画をチョイスしてくる男は83点。すごく良いセンスだけど、オシャ レ系に敏感すぎてちょっぴりキモイので−17点。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) パンフレットがこれまたすごくカワイイのでぜひ買って下さい。 私の行った劇場では「ラコステ」を着て行くと当日券200円引きでした。 |
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http://www.movies.co.jp/royal/ |
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2002/9/7〜 |
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エンジェル・アイズ |
あのジェニファー・ロペス主演ですよ。 ジェニファー・ロペスと言ったら、 @ゴージャス系美人…ラテン系情熱的超美人 Aスタイル抜群…今回は警官役なので、マッチョさもアピール B露出度も抜群…叶姉妹級、もちろんラブシーンあり Cお騒がせ度満点…スピード離婚調停中にロマンス 以上の理由で、多くの女性を敵に回す人気シンガーです。 しかし、どうして歌姫たちは揃って映画に出たがるんでしょう? マドンナ、ホイットニー、マライア、ブリトニー。 皆歌だけで充分すぎるくらいなのに、中途半端な映画に出て、どーなのだ?? しかも、今回のジェニロペのヤラシイ所は、「暗い過去を持つ、普通の女性」を やたらアピールするとこなのよ。 そんなべっぴんで、もう普通さなんて元々無いんだから、開き直って傲慢で華々 しい役を選んだらえーがな。 「ザ・セル」みたいな中身の薄い、衣装とっかえひっかえのプロモビデオみたい な映画に出てる方が「らしい」のに。 ストーリーは、過去に傷を持つジェニロペとジム・カヴィーゼル演じるキャッチ (そんなに暗くて汚くて良いのか?)という男が運命的な出会いで恋に落ちると いうラブ・ストーリー。 お互いの暗い過去に悩まされながらも、乗り越え、愛を育む。 終盤、近くに座ってたカップルの女が号泣。 これしきの話で泣いてちゃ、「サザエさん」でも泣けるわい。 しかし、男はこういう「その涙、女優?」っていう女に弱いのよねー。 ある意味、彼女はジェニロペと同じ種類の女。 しかし何がツライって、ジェニロペと号泣女の性質を、色気ゼロの私は多少は見 習った方が良いと思われるところかなー。 ぐすん。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) しかも噂の恋人はベン・アフレック。ジェニロペにハリー・ウィンス トンのブレスレットを贈ったらしい。許せん!! |
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http://www.angel-eyes.jp/ |
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2002/10/12〜 |
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チェンジング・レーン |
その名もズバリ、車線変更の話です。 ベン・アフレック演じる主人公は若手エリート弁護士。 妻の父親が経営するウォール街の弁護士事務所でバリバリ働いてる。 ある日、法廷に行く途中、ムリヤリ車線変更しようとして、サミュエル・L・ジ ャクソンの車に接触してしまう。 こちらはアルコール依存症で、妻に離婚訴訟を起こされて法廷に向かう途中。 正反対の境遇の二人の人生が、事故によって交錯する。 最悪の日って誰にでもある。 これでもかって、次々に嫌なことが起こって。 普段は絶対にしないようなミスをして、取り返しがつかない事態に陥る。 「神様ー、時間を戻してえー」ってなことになって、嘘ついたりごまかしたりし て、事態はもっと悪くなる。 そんな、絶体絶命状態のベン・アフレック。良いです。 最近気付いたのですが、何か顔も間延びして、アゴも割れてて、ハンサムとは言 い難いけど、ちょっとタイプかも。 「グッド・ウィル・ハンティング」「偶然の恋人」などと同様、「俺の人生、あ んまし上手くいかねーなー」みたいな根は良い人役、似合ってる。 サミュエル・L・ジャクソンをはじめ、脇も皆演技派だし締まってます。 そんな訳で、こじんまりとしてますが、上手くまとまった面白い映画です。 SFX何か使わなくても、きちんとした映画作れるじゃんハリウッドって感じで、 無駄が無く、ストーリーもバラけず、最後まで退屈せずに見れます。 時間が短いのも良い。 小作品で、大してヒットもしないと思われますが、超大作に辟易してる映画ファ ンにはピッタリです。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 人はピンチの時ほど大切なことが解かるもんですなー。 |
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http://www.uipjapan.com/changing/ |
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2002/11〜 |
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サイン |
超大作嫌いの私ですが、なぜか見に行ってしまいました。 感想は「どーなんだ、M・ナイト・シャマラン(監督)」です。 ネタばれ系映画なのでストーリーは詳しく書けませんが。 妻が事故死し、神を信じられなくなった元牧師(メル・ギブソン)の農場に、あ る日突然巨大なミステリーサークルが出現する。 その日を境に、不思議な出来事が次々に起こる。 これは、何かの「サイン」なのか? 監督は「シックス・センス」「アンブレイカブル」のM・ナイト・シャマラン。 今回も出身地のフィラデルフィア近郊を舞台に、突然のでっかい音とじわじわ映 像で恐怖を演出。映画館で大音響で見るのをお薦めします。 びみょーです。微妙。 面白いといえば面白い。面白無いといえば面白無い。 つかみはOKなんだけど、途中から「やっぱり?それって予想どーりすぎじゃな い?」的に話が展開。 私はコワい系映画は何でもコワがる方ですが、後から思い出してみると、「っち ゅーかマンガやん」みたいなとこもあり。 前作がコケたからか?ブルース・ウィリスでは無く、暑苦しさでは負けていない メル・ギブソンが主演。まあ、どっちでもいいけど。 注目はメル・ギブの弟役のホアキン・フェニックス。 実兄のリバー・フェニックスに全然似てないみょーなルックスですが、兄より演 技派。 「グラディエーター」のアホ独裁者ぶりもはまってましたが、今回は普通すぎる 役なのに充分面白テイスト出してます。 兄弟つながりネタでは、メル・ギブの息子役はマコーレー・カルキンの実弟ロー リー・カルキンです。 今回も精神的な主題があるのですが、でっかい音の恐さの方が先にたって、感動 すべきメッセージが最初あんまし伝わってこなかった。後から思い出してみて実 感。 まあそこそこに仕上がってます。今回は前2作と違って笑いを狙ったシーン多し。 そこが良い。特に帽子(?)に注目です。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) 「スケール大きくなりすぎやねん、そのB級アメコミ路線でどこまで行くねんシャマラン」と言いたい。 |
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http://www.movies.co.jp/sign/index.html |
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2002/9/21〜 |
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インソムニア |
「インソムニア」とは「不眠症」の意味。 アラスカのナイトミュートは夏は太陽が沈まない。白夜の町。 その田舎町で17歳の少女の死体が発見される。 死体は髪を洗われ、爪を切られていた。 捜査は難航。 アル・パチーノ扮する主人公ロス市警のベテラン刑事とその相棒が応援にやって 来る。 犯人を追い詰めるが、霧が濃く、相棒を撃ってしまう。 罪悪感から眠れない夜が続くが、ある晩、犯人から電話がかかってくる。 「メメント」のヒットで一躍大物俳優が使える立場になったクリストファー・ノ ーラン監督。 アル・パチーノはもちろん、地元の女刑事役のヒラリー・スワンクも「ビバリー ヒルズ青春白書」に出てたとは思えない熱演だし、俳優陣は皆これでもかってほ ど演技派揃い。 中でもロビン・ウィリアムズ、初の汚れ役。らしい。 でも私、ロビン・ウィリアムズがどーも好きになれんのよねー。 何かあざといまでに良い人役が多いし、そのくせ毒舌発言してみたり、ちょっと 狙いすぎな感じがして。 役選びのあざとさはトム・ハンクスレベルに臭う。 「メメント」的な凝ったストーリー展開を期待していくと、あまりに正統派なの で、ちょっと物足りないかも。 もっと、斬新な感じかと思ったのに。 面白くないわけでは無いです。 ただ、「メメント」が衝撃的だったので。 サスペンスとしては丁寧で重厚な仕上がりです。 同じ監督の作品とは思えんけど。 終了後トイレの列に並んでいる女性達の感想の多くは「何か長かったなー」「こ っちが眠くなるわ」でした。 不眠症の映画なのにね。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) これ見なくても、「メメント」は見た方が良い。 |
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http://www.insomnia-movie.jp/ |
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2002/9/7〜 |
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アバウト・ア・ボーイ |
「ブリジット・ジョーンズ」の男性版という謳い文句。 まあ30代の独身者の本音という点は共通してるけど、やはり男女の考え方の相 違はある。 ブリジットはいずれは結婚したいけど、こちらの主人公ウィルはそうじゃない。 ウィルは38歳、独身。 親の遺産で生活してるので働いた経験が無い。ずーっと無職。 おしゃれなフラットに1人暮らし。趣味はテレビのクイズ番組を見ることと、後 腐れ無い女性との恋。 しかし独身女性は何かと結婚したがり、身軽でお気楽なままでいたいウィルとは 長続きしない。 そこで、ウィルはシングルマザーに目をつけ、さっそくナンパ開始。 ひょんなことから12歳の少年マーカスと知り合い、無責任生活のリズムが狂い 始める。 「男の身勝手な本音を描いてイギリスでは大ヒット」とチラシに書いてあった。 男の本音ねー。わからんでもないけど。 他人に多くを求めない分、自分の生活にも干渉して欲しくない。 深入りされるのも、するのも恐がってる。 でも、寂しい。誰かを愛し、愛されたい。 その気持ちは、私にもある。共感できる。 でも勘違いしてもらっちゃ困るよ、男性諸君。 これはヒュー・グラントだからOKなのよ。 38で独身で無職で無趣味で、しかも結婚したくないなんて、普通ダメに決まっ てるじゃん。絶対。 真似してはいけません。 場内では何箇所か笑いが起こってたけど、私的には大笑いするシーンは無かった です。クスクスッ程度。 でも最後は良い感じです。 マーカス少年もブサイクでカワイイです。 原作はニック・ホーンビイ。 「僕のプレミアライフ」「ハイ・フィデリティ」どちらも映画化され、「ハイ・ フィデリティ」は今月BSでも放送されますが、映画より原作の方が何倍も面白 いです。 どれもちょっと癖ある独身30代男性が主人公。 隣に座ってた、私同様1人で来ていた30代らしき男性は、最後拍手してました 。そんなに共感したのか。ヤバイぞ。 (written by よこたようこ) |
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★★★☆(3.5) カップルでも1人でも友達同士でも見に行けるホンワカストーリー 。 |
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http://www.uipjapan.com/aboutaboy/ |
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2002/9/14〜 |
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リターナー |
観終わった直後、まず思ったのは、 樹木希林と岸谷五朗が、 ハリウッド進出成功すんじゃないか?ってこと、 芝居のできる役者がいてよかった。 特筆すべきは、岸谷五朗、やはり 『ブラック・レイン』の松田優作とか意識したのかねぇ 馳星周×三池崇史『漂流街』の吉川晃司を思い出させる、 見事なキレっぷり、しかも、嫌味がない よかった 残念なのは杏ちゃん、人類絶滅の未来から来た割には 肥えすぎ、健康的に見えるもの 子どもっぽくなっちゃったのは役作り? 芝居は上手くなってます。可愛いしね。 ミヤモトのコートは動きにくい格好。 プロのリターナーとしてリアルさに欠けて残念。 そんなこったから『マトリクス』と比べられんだぜ! 唯、現代も未来も背景ってか、世界観が中途半端で 説得力がなかったです。 突っ込みどころも、沢山あって書ききれないんですが、 複線があってのどんでん返し、 「借りを返しに来ていたんだ・・・」ってのは、 よかったです。 時間が在ったら、観てもよいです。 世界的な映画シーンでの邦画の新しい芽を 感じさせてくれます。 黒澤・北野に比べハリウッドに同じ路線が在るので ある意味真っ向勝負なのかも、 是非とも、樹木希林だけ残し ヒロインと敵役を変えて ミヤモトの名前の秘密・・・ ミヤモトと謝の関係・・・この辺を明かす続編が観たいです。 どちらかといえばタイムトラベルや未来の道具は、無しで 現代劇のハードアクション映画がいいな。 (written by きまたん) |
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★★★★ 台湾・香港、ヨーロッパの反応が楽しみです。 |
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http://www.returner.net/ |
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2002/8/31〜 (世界配給決定) |
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穴 |
久々に来たよ、予告編負けが。 もー、予告は見てるだけでドキドキするのにー。 イギリスの名門校の生徒4人が行方不明になり、2週間後にそのうちの1人が憔 悴しきった姿で発見される。 ズタボロの女の子が歩いてくるシーン。その道に張られた行方不明者の顔写真入 りポスター。学校に辿り着き、警察に電話をかけ、第一声が「キャー」絶叫。 そして「大切なものは中に置いてきた」の文字。穴を覗き込む高校生男女4人組。 閉じる蓋。バタン。 ねー、おもしろそーでしょ? それねー、まんまオープニング映像なの。 唯一助かった女子高生リズの証言でストーリーは展開。 リズは、学園のアイドルのマイクに恋をしている。 泊りがけ課外授業をサボるため、学校の敷地内にある地下室「穴」に3日間隠れ ていようと親友で超美人のフランキーと男子はマイクとジェフを誘う。 もちろんそれはマイクと接近するためで、フランキーは餌でジェフは人数合わせ。 2対2。ようするに「穴」で合コン。 しかし、なにがつらいって、そんな状況になってもマイクはなかなかリズに興味 を持ってくれんのよ。 それどころか親友で美人で餌のつもりだったフランキーといちゃついてみたり。 こういうことは私も何度も経験しました。身につまされて泣けてくる。 しっかし事態は急展開。軽い合コン旅行気分が「穴」の蓋が開かなくなっちゃって。 でも、最終的には「あー、やっぱりねー。イイ振りなのに何だろなー」って終わ り方です。がっかり。 一応ネタばれは避けてこれ以上は言えません。 まあ、テレビ放送・レンタルビデオでなら見ても良いと思います。 唯一の救いはリズを演じるソーラ・バーチ。 上手いです。20歳。そん所そこらのティーンアイドルと違い、演技はしっかり しすぎてるぐらい。 「ガラスの仮面」でいうなら紅天女候補、北島マヤって感じかな。 でも、どーせその演技力を確かめるなら「アメリカン・ビューティー」か「ゴー スト・ワールド」で。 どちらも好評レンタル中。内容も楽しめます。 (written by よこたようこ) |
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★★ 「コーラあるならもっと早く出せよ」とツっこむ人多数あり。 |
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http://www.a-n-a.jp/ |
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2002/7〜 |
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青い春 |
前述の「ピンポン」に続き、この「青い春」も松本大洋原作である。 「ピンポン」が「光」ならば、こちらは「闇」だ。 でも、物凄く澄んでいる「闇」。 チラシに「新世代の不良たち」と書いてあったが、ダサい。 「不良」って。死語じゃないの。 朝日高校(男子校)の屋上には「しあわせなら手をたたこう」とかいてある。 「ベランダゲーム」という屋上の手すりの外で、両手を離し手を叩いた回数が最 も多い者が学校を仕切るというルール。 松田龍平演じる九條は物凄い絶望感を持っている。 そのため、このゲームに難なく勝利するが番になることに興味も無い。 恐ろしく閉塞した世界、学校。 その中で皆苛立ちながらも、外の世界に出ることを恐れている。 幼馴染みで九條に憧れつつ嫉妬もある青木。甲子園の夢破れてやくざの道に進む 木村。族に入ってる大田と雪男。ぱしりの吉村。 変わらない事を望む九條。変わっていく仲間たち。 松本大洋の世界には、空と飛行機が欠かせない。 青い空を眺める行き場の無い少年たちが切なく悲しい。 学生という身分は特殊で、苦しく、でも守られている。 私も進学校の落ちこぼれで、360人中301番だった。 数字で判断されるだけの学校で、こんな私でもビックリするぐらいの虚無感はあ った。 生きていてどうなる。自分は何のために存在している。 毎日、桜の花の散る様子や、落ち葉が舞う様子だけを窓から見て過ごした授業中。 未来への不安と現在への不満。苛立ち。 そんな気持ちを思い出し、胸が痛くなる映画。 ミッシェル・ガン・エレファントの耳を劈くようなロックに、叩きつけられるよ うな映像。 タイトルを見てひいてる人も多いかも。 アツクルシイ青春映画じゃないですよ。どちらかといえば涼しくなる映画です。 たまにはいいんじゃないのかな、こういうの。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ そん所そこらのSFX超大作夏休みバカ映画より、よほど刺激的です。 |
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http://www.aoiharu.com/ |
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2002/6/29〜 |
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ピンポン |
私のあだ名は「ペコ」である。 そう、この映画の主人公といっしょ。 30過ぎた今ではそう呼んでくれる友達も少なくなったが、私はバドミントン部 時代、正にこの「ペコ」だった。 そんな誰にでもある夏の部活のあの空気感がこの映画にはある。 ペコとスマイル。正反対の性格・プレイスタイルの幼馴染み。 二人とライバル達がただただ卓球する映画。 でも面白い。 スピード感があり、飽きさせない。そして切ない。 何と私は2日続けて見た。こんなこと邦画では初めて。しかもサントラも購入。 この夏休み映画で唯一見たかった作品、大当たり。 脇もちゃんとキャラ立ちしてて、誰もが登場人物の誰かに共感できる。 ペコは「この星の一等賞になる」スマイルは「卓球なんて死ぬまでの暇つぶし」 ドラゴンは常に王者の孤独感を抱え、アクマやチャイナは才能の無さに挫折感を 覚える。 脚本がクドカンだとか原作が松本大洋だとか全然知らんくても楽しめる。CGも 違和感なし。 この映画を見るまで「この先、生きてて良いことあるかなー」とまたまた凹んで た私なのだが、失恋も(引きずりすぎ?)人間関係のドロドロも、とおくに感じた。 私も「もっと高く飛びたい」と年甲斐もなく思ってしまった。 マダ、トベルヨ。オカエリ、ペコ。 私が片瀬高校にいたら間違いなくスマイルを好きになる。 関係無いですが、男性諸君が叶姉妹の姉と窪塚の熱愛報道から学ぶべきことは 「女だって、オッサンより若い男の子の方が良いに決まってる」ということだ。 私だってお金と美貌があればスマイルやペコみたいな美少年と南の島に行ってみ たいよ。 日頃「女はやっぱり若くないと」とか言ってる男性諸氏は「ピンポン」を見て少 年の心を取り戻せー。 (written by よこたようこ) |
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★★★★★ 全てのスポーツを愛する人に。見てくれろ(ペコのマネ)。 |
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http://www.pingpong-movie.com/ |
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2002/7/20〜 |
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セントラル・ステーション |
「手紙」は特別な伝達手段ですね。 私にとってはそうです。本当の気持ちを出せる唯一の伝達手段。 私の愛の告白は100%手紙です(全体数が少ないけど)。 私は自分を話しベタだとは思わない。 かつて営業職だったこともあり、話すのは苦ではない。 社会人として必要な表面上の会話もできる。 親しい人を楽しませるために、おもしろエピソードを話すことも嫌いではない。 でも、肝心なことは何一つ言えない。 口に出して自分の気持ちを表現することが苦手。恥ずかしいのだ。 愛の告白でなくても、感動したり、怒ったり、とっさに言葉が出てこない。 どうでもいいことはいくらでも喋れるのに、本当の気持ちはじっくり時間をかけ て文章にしないと表現できない。 「セントラル・ステーション」は手紙にまつわる映画。 駅で手紙の代筆屋をしている元教師のドーラ。ある母子の手紙を代筆するのだが、 事故で母親が亡くなり、一人残された少年と共に父親を探して旅に出るロード ムービー。 ブラジルではまだ読み書きが出来ない人が多いらしい。 代筆を頼む人たちのエピソード、その表情がとても楽しい。 家族に、恋人に、神様に。送る相手は様々。内容も千差万別。 ブラジルの荒野の風景も素晴らしい。その色、光の差し方。 旅心を掻き立てられる。 そして子供のいない中年女性と少年の心のふれあい。 手紙って良いなーとじんわりと感じる映画です。 ただの紙切れだけど、口から発する言葉と違って形として残り、何度でも読み返 すことが出来る。 いつまでも持っていたい様な手紙を受け取りたいし、心に届くような言葉に溢れ た手紙を送りたい。 手紙を送るのも、もらうのも好きになる名作です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) 98年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品 |
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http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/new1999/centraldobrasil/ |
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1999/2/ |
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サウンド・オブ・ミュージック |
夏休みですねー。 近頃の自由研究はどんなのが流行ってるのか知りませんが、この際ビデオ100 本感想文なんてのをやってみるのはどうでしょう。 大学時代、専門ではないのですが興味があって児童文学の講義を選択していました。 その夏休みの宿題が児童文学100作品感想文(図書リスト形式)で、はっきり いって死にました。なのでビデオ100本もお薦めできません。 でも、夏休みお薦め名作ビデオ100のリストを作るとしたら必ず入れますよ 「サウンド・オブ・ミュージック」は。 以前ちょこっと書きましたが、私はミュージカルが苦手です。 でも、名作と言われるものは見ているし好きです。 「マイ・フェア・レディ」「王様と私」「雨に歌えば」などなど。 一番好きなのが「サウンド・オブ・ミュージック」です。 修道女見習のマリアが厳格なトラップ家の家庭教師となり、子供たちに音楽を教え、 閉ざされた家族の心を開いていく。 JRのCMのせいで、長野の高原で「ひとりサウンド・オブ・ミュージック」し てしまった私ですが、そんなになっちゃうほど皆が知ってる名曲に溢れ、音楽が どれほど人間にとって大切かを教えてくれる名作中の名作。 夏休み家族で見て、絵日記に書きましょう。 私も昨日と今日の二晩に分けて見ましたが、やっぱり歌ってしまいました。 しかし主人公マリアは「赤毛のアン」同様、私にとってはちょっと熱すぎて身近 にいたら仲良くなれるか甚だ疑問なタイプと改めて気付いてしまいました。 でも、ある意味憧れでもある。 (written by よこたようこ) |
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★★★★★ 一番好きな歌は「すべての山に登れ」か、主題歌かなー。 |
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http://www.foxhome.com/soundofmusic/som.html |
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1965/6/26〜 |
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ノット・ア・ガール |
アロハー。 夏休みをとってワイハに行ってきました。 飛行機と言えば、映画です。 行きの飛行機は「アイ・アム・サム」だったので爆眠。帰りは「ビューティフル ・マインド」と「ノット・ア・ガール」でした。 機内誌に載っていた上映予定では「ドラゴン・フライ」だったのですが、まあ予 定は予定ですもんねー(ハワイボケ)。 「ノット・ア・ガール」ですが、はっきり言うとブリトニー・スピアーズのプロ モビデオ90分。MTV製作だしね。 機内誌に「コメディ」と書かれてるのを知ったらブリちゃんも怒ってくるでしょ うが、嫌味ない青春よくある風ロードムービーです。 まあ、ブリちゃんのキュートさは、そんじょそこらのワイキキビーチを歩いてる 金髪ギャルでは敵わないもんがあります。 常にGパンはローライズです。 カワイイッす。 内容的には特筆すべき事は無いですが、まー飛行機の吹き替え映画なんてこんな もんでいいのではーって感じで、これ映画館でお金払って見てたら激怒りです。 レンタルビデオでも、どーかなー。ブリファン以外は借りないことをお薦めします。 でも、マライアの「グリッター」を借りる人より好感は持てます。 (written by よこたようこ) |
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★★ ビジネスクラスで「アイスエイジ」が見たかった。 |
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http://www.britney-jp.net/notagirl/ |
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2002/5/18〜 |
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シュレック |
アカデミー賞最優秀アニメがついにレンタル開始です。 でもねー、時期が悪いんだよねー。強力ライバルの「千と千尋…」と同時期なん だよ、これが。 非国民な私は「千と…」を見ていません。 それもこれも「シュレックいいよー。見て見てー」という私を皆が無視したから だー!! 「千と千尋、いいよねー」って皆に口を揃えて言われるとイヤになっちゃうんだ よねー、見るの。 そんな私と同じ思いを持ったあなた。「シュレック」派です。 そのヒネクレ度。まさにシュレック。 ついでにディズニー映画、ちょっぴり苦手でしょ。 私とシュレックはかなりキャラかぶってる。 醜い容姿に非常にコンプレックスを持ち、人に会うのを嫌い、沼地で引篭り生活。 素直になれないヒネクレ者。 嫌々フィオナ姫を救出に行くんだけど、そんなシュレックをちっとも醜いもの扱 いしないロバのドンキーとフィオナ姫と少しずつ打ち解けていく。 見た目ではなく、本質が大事。 美しい姫と王子のラブストーリーなんか感情移入できねーよ、という人にお薦め。 かなり反ディズニー的なくだりもある。 大人向きアニメ。全編に適度にブラックな笑いあり。ミュージカルではなく(コ レ大事)、テンポ良い。 声のマイク・マイヤーズ(オースティン・パワーズ)とエディ・マーフィーは実 写より良い仕事振りだと思うのは私だけ? 結末はわかってるけど、ジーン。 私的最優秀アニメ賞もあげちゃう「シュレック」。 アニメでは久々の「当たり!!」です。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ これくらい毒あり大人向きアニメがひねくれた私にはちょうど良い。 |
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http://www.shrek.jp/ |
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2001/12/15〜 東宝洋画系;2002/7/5〜 DVD,ビデオ販売 |
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ノー・マンズ・ランド |
普段は全然考えもしないことを、あの同時多発テロの時に考えた人も多かったの では。 戦争になったら、どうしよう。 「ノー・マンズ・ランド」はボスニア紛争の最前線を描いた人間ドラマ。 ボスニア側でもセルビア側でもない中間地帯に取り残された3人の兵士の物語だ けど、ほとんど戦闘シーンは無し。狭い空間に敵の兵士と取り残され、うち一人 の下には動くと爆発する地雷が埋められている。そんな状況下で両軍や国連防護 軍やマスコミなどを巻き込んで起きる出来事を描いている。 私は、戦争映画が嫌いなのよ。 最近のもので好きなのは「スリー・キングス」ぐらい。 まずCGを駆使した大迫力生々しすぎ戦闘シーンが嫌い。人が死ぬところを描く 映画も時には必要かもしれないけど、残酷シーンは基本的に苦手。 あと、「感動の…」とか書いてて、良い人から順番に死んでいく(国に家族や恋 人を残し、その写真を肌身離さず持っているなど)展開のものも、イヤ。 でもこの映画は異色です。戦闘シーンがほとんど無く、しかも笑えるシーンがた くさんある。でもそれはそれはブラックで辛らつな笑いなんだけど。切ないほど。 雑誌には「シチュエーション・コメディ」と表現してるものもある。 戦争ってこんなに笑えるぐらい本当にアホらしい行為だというメッセージが確実 に伝わってくる。 私みたいに、「ニュースでは難しくて分からない」と敬遠してる人も大丈夫。 「ボスニア紛争」について何の知識も無くても、そのメッセージは十分に伝わりま す。 ボスニア出身の30歳、実際紛争に参加した経験があるらしい無名の監督ダニス ・タノヴィッチ作。何と大本命だった「アメリ」を破ってアカデミー賞最優秀外 国語映画賞に輝いたりしちゃいました。でも、納得です。 戦場の兵士が雑誌を読みながら「ルワンダって大変だなー」って言うシーンがあ る。私達のボスニアに対する意識みたいに。 私達みたいな普通に暮らしている人々が巻き込まれていく戦争。 同時多発テロから何ヶ月か時間が経過し、あの時の思いを忘れがちな今日この頃 。世界のどこかで今も戦争は起こっている。この映画で、人間の愚かさを改めて 見せつけられて、ズーンと考えさせられました。 結構カップルで来てたけど、一般的なデートムービーには適さないし、隣に座っ ていたカップルはビールかなり残してました。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ 是非、敬遠せずに見て欲しい。 |
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http://www.bitters.co.jp/noman/ |
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2002/6/〜 |
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メメント |
記憶があるから今がある。小さな記憶の積み重ねが今を作ってる。 学生時代、一人の人のことを何年も想っていたことがある。 何度もけんかして、何度も仲直りして。たくさんの時間を親友としても共有して きたので、小さな小さな思い出が雪のように降り積もっていた。でも、卒業して 別々の道を進むようになり、別々の生活が始まり、会って話しても段々私だけが 覚えている事が多くなり、彼は雪が解けるように、二人の思い出を忘れていった。 私一人が思い出の中に生きてる。電車のホームから落ちて、記憶喪失になって、 その人のことだけ抜け落ちるように忘れてしまえばいい。もちろん実行はする気 なかったけど、苦しさのあまり、そう考えたこともあった。もうラクニナリタイ。 しかーし!!今そんなことを思ってる人は、今すぐ「メメント」をレンタルしな さーい! 記憶を無くすってのはエライことですよ。 妻を殺され、自分もその時の傷が元で記憶障害になってしまった男レナードが主 人公。事件以前のことは覚えているのに、今起こったことが思い出せない。真犯 人を探すため、メモや刺青で必死に覚えていようとするのに、すぐに忘れてしう。 ホンマにすぐ忘れるので、見てるのが切なくなる。「もー、今言ってたのに、だ まされるなー」って、いーってなる。 しかも、遡りストーリーなのよ。過去に向かっていく展開。これが意外とよく出 来てる。最初はクドイ感じがしてわかりにくいけど、「で、その前は?」ってど んどん引き込まれます。斬新です。綿密に計算されて作られた映画。誰がホント の事を言ってて、誰がウソをついてるのか? 私は持っていないので腹立たしいのですが、DVDが見れる人はそっちでレンタ ルした方が良いらしい。遡りではなく時間の経過通りに編集した特別編(わかり やすそー)付き。 そんな訳で、つらいことがあっても人間は忘れる生き物なので大丈夫。案外覚え ていたいことでも忘れるもんです(レナードほど速くないけど)。些細なことで も記憶しているっていうのは素敵なことですな。くれぐれも職場や学校などで都 合が悪いことが起こった時「わざとメメント現象」を起こさないように。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ クリストファー・ノーラン監督 注目です。 |
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http://www.otnemem.jp/memento/index.html |
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2001/5/ 2002/5/22 DVD,ビデオ リリース |
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小林サッカー |
おんもしろかったー。どーせやるなら「スパイダーマン」もこれぐらいやってほ しかった。まさに劇画を超えた漫画っぽさ。これぞ香港エンターテーメントムー ビー。香港映画苦手の私ですが強力推薦。 あらすじは少林寺拳法を世界に広めようとする主人公が、かつての名選手を監督 に兄弟弟子たちとサッカーする、そんな感じの単純明快ストーリー。 いやー、主演・監督・脚本のチャウ・シンチーは香港の筧利夫だし、悪役デビル チームの監督はなんちゃってやしきたかじんだし、それだけでも笑える。 しかも、何と489箇所、香港映画史上最多CG、ムダ使い(笑)。そんなCG いらんやろーってシーン満載で、腹の皮もよじれんばかりの面白さ。 その上自ら「ワイヤーアクション?」とか「雑誌に書いてた」とか言っちゃって 、もうこのアホさかげん大好きー。ちょっぴり「踊るマハラジャ」入ってたり。 でもやっぱ一番の笑撃シーンは「兄弟達が目覚めるシーン」ハッキリ言って上半 期No.1。 サッカーが分らないあなたも、香港映画はちょっと…と思ってるあなたも、ホン ト笑えるので(ベタだけど)是非見に行って下さい。 中国は何年後かにはあんなチームになっちゃうかもよー。 (written by よこたようこ) |
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★★★★★ 上半期大笑い部門文句なしNo.1 |
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http://www.shorin-soccer.com/ |
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2002/6/1〜 松竹・東急系 |
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愛しのローズマリー |
私にとっては今年最大の問題作。永遠のテーマ「ルックスか?中身か?」 ハルはスーパーモデル級のルックスの持ち主とつきあうため日夜ナンパに明け暮 れている。そんな彼が偶然知り合った心理学者に催眠術をかけられ「心の美しい 人が美しく見える(意地悪な人はブサイクに見える)」ようになる。そこに体重 100kgを超えるローズマリーちゃん(優しくて賢い)が現れるのだがハルの 目にだけは超美人ナイスバディ(グィネス・パルトロー)に映り、周囲の人々の 驚きをよそにアタック開始。 「メリーに首ったけ」「ジム・キャリーはMrダマー」のお下品兄弟監督ファレ リーブラザースにしては今回は抑え目で「ちょっとイイ話」風に仕上がってる。 ブラックな笑いも少なめ。いつもハッピーエンドなんだけどね。 かく言う私も生まれてこの方ルックスに自信が無く、全然男の人に対して積極的 になれない。 常に「男の人はどーせ美人が好き、私なんか」と諦めてる。 ローズマリーちゃん程ではないが標準体重は上回ってるし、心優しい体脂肪計は 「やや肥満気味」と気遣ってくれてるが、私の考え出すダイエット法は職場では いつも「どうせまた痩せられない」と笑いのネタになっている。おまけにくせ毛 だし、足も短い。 どうがんばっても友達止まり。どんなに親切にしたって、がんばって話盛り上げ たって、好きになる男性の目は常に私より美人を追いかけている。 なので、最初ローズマリーちゃんがナンパされた時「からかってるの?」と言っ て逃げ出すのが凄くよく分かる。 この催眠術、是非全国に普及して欲しいものだ。 でも長年ブサイクでいると心もスサンでくるのよねー、報われなさすぎて。多分 、今この催眠術が普及しても私ってあんまりキレイに見えないだろーなー。もし かして、今よりブサイクに見えるかも(涙)。 果たして、二人の恋の行方は…。続きは是非劇場でどうぞ。私の隣に座っていた バカップルは「お前はカワイイから関係無いなー」と締めくくってました。 (written by よこたようこ) |
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★★★★ デートムービーとしても良いかも。 |
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http://www.foxjapan.com/movies/shallowhal/ |
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2002/6/1〜 東宝洋画系 |
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アイ・アム・サム |
予告編を見て物凄い号泣を予想してタオルハンカチ持参で出かけてのに、流れた 涙は7滴でした。タオル使わず。 サムは7歳の知能しか持っていないため、社会福祉員に子育てできないと判断さ れて愛する娘と引き離されてしまう。不運も重なり、娘は施設から里親へ。サム は娘を取り戻すため、裁判を起こす。 確かにうっっとくるところは何箇所かあるんだけど、2時間が長い感じがして途 中入り込めなくなった。 最初からもうあざとさが臭う設定だし、かといって感動するには中途半端に話が バラけすぎてて各登場人物を掘り下げた描写もなく、父娘のもっと深い絆シーン があっても良いかなーみたいな。。。って書いちゃうと「この冷血人間!!」っ て思われそうなので、感動したとこも書いときます。 流れた涙7滴のうち、4滴は弁護士役のミシェル・ファイファーがサムに自分が いかにダメ人間かを告白するシーン。ここが一番感情移入できて泣けたー。 残り3滴は、里親(ローラ・ダーン!!久しぶり)に「母親が必要だと思ってた 」とサムが言うシーンです。 手持ち風カメラワークがサムの気持ちを表してるんだろうけど、ゆれ過ぎ。一番 前の席で見たら気分悪くなるかも。 うーん。何が足りないんだろ。ショーン・ペンはアカデミー主演男優賞にノミネ ートされるほどの熱演だし、かわいそーな話なんだけどなー。ハリウッド的すぎ るんかなー。娘が大人びすぎてんのがアカンのかなー。かわいいんだけどねー。 予告編の方が泣けます。 今回は予告編の方が良かった。予告編大好きの私としては予告編の出来には★4つ。 (written by よこたようこ) |
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★★★ 予告編負けその1。予告編の方が泣けます。 |
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http://www.iamsam.jp/ |
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2002/6/8〜 |
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スパイダーマン |
大変遅ればせながら「スパイダーマン」です。 全然見る気無かったのですが、偶然タダで見る機会があって。 これ、1800円、どーやろか。 サム・ライミ好きなので期待してたけど、「ダークマン(お薦め)」「キャプテ ン・スーパーマーケット」みたいなダークヒーロー・サム・ライミ風アメコミワ ールドっぽさは最初の頃だけだし、何かどっかで見た風な感じでストーリー的に は退屈。 まー、でもCGはスゴイよね。「ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス」万 歳みたいな。日進月歩。ドリーム・ワークスに負けるなーっという感じ。 でも、あんだけビルの間をビューンってターザンみたいに飛び回れたら、そら楽 しいわさ。しかし、その楽しいシーンは全部予告編で見たゾ。 しかも、キルスティン・ダンストって「チアーズ(お薦め)」の時の方が断然か わいかったし、ウィレム・デフォーも越後屋みたいに大笑いし過ぎだっつーの。 演技派俳優? アンタが一番笑えるよ。 手に毛が生えるなら「ザ・フライ」ぐらいボーボーに。あの毛は、出し入れ自由 自在なのか? 何で至近距離での爆発にマスクが破れただけで傷ナシなの? 今から見る人は、くれぐれも1800円出さないように。映画の日などのサービ スデーか「彼がどうしても見たいって言うから(もちろん彼のオゴリ)」と言う ようなやんごとなき状態の時に見るべし。 予告編を劇場で見た人は、あれ以上の迫力シーンはもう無いのでご注意を。 今回は予告編の方が良かった。予告編大好きの私としては予告編の出来には★4つ。 (written by よこたようこ) |
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★★☆(2.5) 予告編負けその2。 どうしても大画面で見たいのなら今からでもどうぞ。 |
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http://www.spider-man.jp/ |
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2002/5/11〜 |
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シーズン・チケット |
いよいよワールドカップが始まりましたねー。 「小林サッカー」見る気満々で劇場に足を運んだところ、なんと満席。世間の人 々はもうすっかりサッカーフィーバー(死語)みたいなので、サッカームービー でお勧めのものを。 サッカームービーといえども、プレイするシーンはほとんどありません。スポー ツムービーではなく、普通の人々の生活をサッカーを通じて描いた映画です。 「シーズンチケット」は、地元のサッカーチームをこよなく愛する少年が、シー ズンチケット(年間予約席)を手に入れようと親友と悪戦苦闘する話。 主人公ジェリーんちは英国の社会問題を凝縮したような家庭。親父は失業してア ル中、母親は暴力振るわれ病気、姉はシングルマザーとヤク中。ジェリーも不登 校。 唯一の希望が地元サッカーチーム。親友のスーエルと万引きやらサギやらしてチ ケット購入資金を貯めようとするのですが…。 わかるなー、その気持ち。熱狂的プロスポーツファンならシーズンチケットホル ダーになるのは至上の喜びだもんねー。 今まさに色々な国の選りすぐりのサッカー馬鹿が日本に上陸してますが、チーム を愛し、チケットを手に入れようと必死な姿は微笑ましい。同じスポーツ馬鹿と して(私はホッケー)、是非この映画を見ることをお薦めします。普通の人が、 日々の生活のいろいろな問題に直面しながらも、サッカーを心の支えにして生き ている。 初めてスタジアムに行った思い出を語るシーンには、涙がこぼれます。 最低だと思っててもあきらめなければいつか希望の光が見えてくると勇気づけら れるハートウォーミングな一本です。 最低といえば、チームのエースの音楽の趣味は笑えます。 スポーツ好きじゃなくても、見て下さい。温まります。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) ハートウォーミングなサッカームービー |
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http://www.seasonticket-cinema.com/index.htm |
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2001/4/28 ビデオ/DVD販売 2002/10/26〜 |
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バグダッド・カフェ |
凹んだ時に無性に見たくなる映画ってありませんか? 「バグダッド・カフェ」 はそんな時、私が見たくなる一本です。 私がよく陥りがちな凹みは「ココニ私ハ必要カ?」という思いです。 先日、私は失恋したのですが、私の好きな人にとって私は透明人間でした。30 cmの距離に接近しても、その人の目に私は全然映っていなかった。 彼にとって私は「全然必要無い、いてもいなくてもどっちでもいい人」でした。 全く無関心。 そこで、恋愛技術年齢小学生の私なりに精一杯がんばってアピールしたつもりが これまた無反応。およびでない。彼の心の思い出アルバムに私の出演シーン、ゼ ロ(あってもカット)。 過去に職場でも時折その感じを味わうことがあり何度か転職もしました。誰がや ってもできる仕事。代わりはいくらでもいる。 特に何かに秀でているわけでもなく、もう若くもなく、美人でもない。気さくな 優しい人でもなく、お金も無い。 このままいなくなっても誰も気付かないかも。 私を本当に必要としてくれる場所はあるの? そんな時、「きっとこんな私でも必要としてくれる人がどこかにいるにちがいな い」と思わせてくれる映画が「バグダッド・カフェ」なのです。 アリゾナ砂漠の中にある一軒のドライブインにふらりと現れたドイツ人の女性。 太っちょで心に傷がある。そんな彼女が同じように生活に疲れた女主人と次第に 分かり合い、周囲の人たちを幸せにし、ドライブインは別世界のようなカフェに なっていく。 自分が唯一無二の存在だと感じられる場所があるという素晴らしさと美しい砂漠 の風景と主題歌「コーリング・ユー」が三位一体となって心がジーンとする一本 です。いつか私を呼ぶ声が聞こえるかも(という錯覚?砂漠だけに蜃気楼かも)。 (written by よこたようこ) |
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★★★★☆(4.5) 今日も見て癒されました。オススメデス。 |
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1988 ビデオ販売 1991/11/21〜 |
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E.T. 20周年アニバーサリー特別版 |
いやー、泣けたっ。 20年経って部活帰りのセーラー服じゃなくなってても、結末がわかってても、 やっぱり泣けたっす。 いくつか修正されたシーンがあり、最も分り易いのは月をバックに飛ぶシーン。 涙腺が緩みます。 スピルバーグ的には、警官が持っていた銃をトランシーバーに変えて大満足。 校長先生役でカメオ出演してるらしいハリソン君のシーンはまたしてもカット。 20年経っても見れませんです。 しかしまあ、子役の演技が自然なこと。BSのメイキング番組でやってたけど、 撮影はストーリーの流れどおり行われる「順撮り」らしくて、子役たちは感情移 入がしやすかったらしい。ホントにカワイイ。20年前には気付かなかった「お 兄ちゃん」の良さに驚きでした。私も大人になりました。 子役たちの近況については、エリオット役のヘンリー・トーマスは「すべての美 しい馬」「ギャング・オブ・ニューヨーク」(ディカプリオの親友役)に出演。 お兄ちゃん役ロバート・マクノートンは舞台中心みたいで金髪ドレッドになって ます。妹役のドリュー・バリモアについては皆さんご存知のとおりの大活躍。プ ライベートもバツ2の大活躍。 忘れてたとこもいっぱいあったけど、一番笑えたのはハロウィンのE.T.がヨーダ に駆け寄るとこかな。 ジョン・ウィリアムス最高っス。一生忘れないであろうあのメロディ。あの曲を デジタルサウンドで聴きながら大人も子供もぜひ劇場で観るべき愛ある映画です 。 最近のスピルバーグ作品はあまり見る気にならないのは私だけでしょうか?「E. T.」を含めて「激突」や「ジョーズ」「インディ・ジョーンズ」なんかは娯楽作 品として超一級だったのに、最近の作品は賞狙いの匂いがするようで、敬遠しが ち。もっと、心躍る映画が見たい。 あと、ユニバーサルスタジオのアトラクションはなかなか映画に忠実に作られて ることも、改めて発見でした。 (written by よこたようこ) |
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★★★★★ 名作。 |
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http://et20.lycos.co.jp/ |
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2002/4/27〜 東宝洋画系 |
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キューティ・ブロンド |
んな、アホなとあなどるなかれ。確かに「そんなことないやろー」っていう展開 はいっぱいありますが、ここはひとつ頭を空っぽにして笑って日々のストレスを 忘れよう。 エルは典型的西海岸脳天気ブロンドギャル。 大学ではファッション販促専攻、社交クラブのリーダー、家はビバヒルでプール 付き。こちらもある意味全員ヘソ出し。 ところが彼氏に「ブロンド女は政治家の妻にふさわしくないし、僕ハーバードの ロースクールに行っちゃうしねー」とあっさり捨てられてしまう。でも、んなア ホなっていう勉強法とPRビデオでエルもハーバードへ。 最初の30分ぐらいは、エルちゃんのアゴが気になってしかたないですが、「恋 も勉強もがんばるから面白い」っていうキャッチコピーどおり、テンポ良くすす むストーリーはなかなか面白い。 学ぶところも多いです。頭でっかちで、オシャレもせず理屈ばっか言ってるハー バードの女の子たちと自分がダブって、周囲から浮いちゃってるけど素直であり のままのエルちゃんを見て「やっぱりカワイイ女はこうでなくっちゃいかんよね 」と初心に返って反省しきりです。 特に男性吸引率98%の「かがんでパッ」の技は必見です(笑)。 ちっちゃい笑いも随所にあるコメディー。仕事や恋に凹んでる人は是非笑って、 一緒にオシャレ(?)で知的な女性を目指しましょう。 んなアホなついでにパート2も製作決定らしいっす。 しかし、主演のリーズ・ウィザースプーン、カワイイからってあなどっちゃいか ん。実生活でもスタンフォード大学(中退だけど)で、しかもライアン・フィリ ップの奥さんなのよー。でも二人が競演してる「クルーエル・インテンションズ 」は見る価値無し。リーズが見たけりゃ「恋のから騒ぎ」(ビデオ)がおすすめ 。) (written by よこたようこ) |
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★★★★ 劇場で見るなら、コレ(女子編) |
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http://www.foxjapan.com/movies/cutieblonde/ |
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2002/4/27〜 松竹・東急系 |
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ワイルドスピード |
男の人が好きそうな映画です。車・車・車です。 イカすクルマあるところに、イカす女あり。もー、全員ヘソ出してます。しっか し、非合法一般道レースならば非合法なんちゃってレースクイーンうじゃうじゃ 。そんなことねーよ。ありえへん。男の幻想です。 ストーリー的には「ハートブルー」(キアヌ・リーブス主演)のカーレース編で す。トラックを狙った強盗団の潜入捜査をする主人公が、そのリーダーに友情ら しきものを抱く。リーダーは非合法路上レース界のカリスマ。おまけに妹は超美 人で、フォーリンラブ。うーん、男の夢ですなー。 でも、カーアクションはちゃんと撮れてます。女の私が見てもワクワクもんです 。特にトラックの下に入っちゃうとこなんか上出来です。 ロブ・コーエン、「デイライト」の監督らしいぞ。爆発好きですなー。 (written by よこたようこ) |
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★★★ レンタルビデオ、見るならコレ。(男子編) |
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http://www.uipjapan.com/wildspeed/ |
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2001/10〜 東宝洋画系 2002/5 ビデオレンタル開始 |
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ムルデカ 17805 |
まず、「ムルデカ=MERDEKA」とはインドネシア語で独立を意味します。 そして、「17805」は1945年8月17日を意味します。日月年の順で表記して いますが西暦だと17845ですよね、05とは何かと云うと今では日本人でも使わない 紀元(皇紀=神武天皇の即位をもとにする)で2605年(日本って歴史があったのですね) の事なのです。私は以前本でインドネシアの紙幣には紀元で独立記念日が記されていると 読んだ事がありますが、17805はまさにそれなのです。 題から分かる通り、インドネシアの独立に関するお話なのです。 第二次大戦での日本の敗退後、インドネシア部隊のうち2000人あまりの日本兵が インドネシアの独立のために対オランダ独立戦争に参加した事実に基づく物語です。 主役は山田純大(杉良太郎の長男、水戸黄門4代目格さん役)で監督の藤由紀夫氏が 眼光の鋭さで選んだと云う通り、父親譲りか?射す様な視線は異彩です。 彼は「大地の子」の上川隆也に感銘を受け、尊敬しているそうですが、演技を観てると 何か分かるような感じもしないでもありません。さて、その山田演ずる島崎中尉と保坂 尚輝演ずる宮田中尉の生き方が物語の伏線になります。実際には反日感情もあったでしょうが ほとんどの日本人が知らない歴史的ドラマがあったんですね、そちらは本編でと云う事で。 近年の邦画では珍しく長期海外ロケと派手な戦闘シーンで戦争の悲惨さをくどいまでに 描いています。しかしながら、実際にあったと云う民族を超えた独立を巡るヒューマン ドラマを連動させて、戦争の苛酷さを伝えると云う誰しも避けたいテーマをえぐり、 感動を呼び起こさせているのは流石だなと思います。 (何ケ所か泣けるシーンもありますが、シーンとは別で戦争って惨すぎると泣けてきました) 帝国主義の日本は朝鮮の植民地化など嫌な話題に事欠かないですが、こんな良い話が 本当にあったんだとちょっとばかり心温まる気がしました。 個人的に戦争映画は好きでないので久々に観ましたが、私のような人たちで興行的に影響 がない事を祈らずにはいられません。たまには戦争について考えてみるためにもこの映画 をご覧になる事をお勧めします。(特に若い世代の人たちに) (written by DAI) |
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★★★ (スケールの大きさでは近年の邦画ではかなり健闘してるんじゃないでしょうか?!) |
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http://www.tokyo-fp.com/ http://www.toho.co.jp/movie-press/merdeka/welcome-j.html |
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2001/5/12〜 東宝邦画系 |
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ショコラ |
この映画を見た後、 ラッセ・ハルストレム監督はやっぱすごい!と感嘆してしまった。 登場人物全員がいきいきしていて、無駄なシーンがひとつもないの。 前作の「サイダーハウス・ルール」は私はいまいちだったんだけど… 「ギルバート・グレイプ」好きなら必ずや、満足するはず。 この映画の世界はまさにおとぎ話のような世界。 チョコレートなんて誰も口にしたことのない、伝統を重んじる保守的な村に すべての人を幸せにしてしまう不思議なチョコレートを売る母娘がやってきた! という物語。 人によってはすごく”甘すぎる”世界に思えるかもしれないけど、 私にとっては観終わった後、最高にハッピーになれたの。 ほら、物事がうまくいかなくて落ち込んだときでも おいしいものを食べれば、それがすごく慰みになることってない? そういう食べ物が持つあったかいパワーを ラッセ・ハルストレム監督は”おとぎ話”を通して教えてくれたんだよね。 チョコレート売りに扮したジュリエット・ビノシュは アカデミー賞助演女優賞を獲った「イングリッシュ・ペイシェント」よりもずっと かわいくて、魅力的。 ジュリエット・ビノシュが作るホット・チョコレートを口にすることによって、 笑顔を取り戻した”かたぶつおばあちゃん”にジュディ・デンチが扮し、 最後には涙を誘う印象的な役どころを務めている。 私は彼女の素晴らしい存在感を観て、 絶対今年はジュディ・デンチがアカデミー賞助演女優賞を獲ると思ったね。 (written by Gotoh Harumi) |
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★★★★★ (今年見た映画のはやくもベスト2かな) |
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http://www.chocolat-jp.com/ |
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2001/GW 松竹系 |
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ハンニバル |
今、原作を一生懸命読んでます。 映画を見たあと、原作を読むと行動の裏の部分、 特に感情の奥深いところが細かく描写してあるので、 前とは違った視点から映画を振り返れるような気がします。 今回、映画の全体的な感想をいえば ”脳みそのシーン”(これはどんなシーンか見てのお楽しみ) 以外は「羊たちの沈黙」を超えるものは ありませんでした。 でもあえてそのシーン以外に「羊たち〜」よりも面白かった部分をあげるなら ハンニバル・レクターとクラリスとの距離感。 恋なの?友情なの?ただの追われる側と追う側なの? レクターはクラリスを本当に殺したいと思ってるの? などなど、観ていくうちに想像は膨らむ一方。 レクターが自由な身である分、 そのドキドキ感も倍増。 この二人、どうなっちゃうんだろみたいなスリルが 最初から最後までずっと貫かれていて良かったです。 ジュリアン・ムーア扮するクラリスはジョディ・フォスターに 比べて色っぽかったですね。 (written by Gotoh Harumi) |
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★★★ (ゲイリー・オールドマンとの対決がちょい物足りなかった!) |
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http://www.hannibal.ne.jp/ |
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2001/4/14〜 松竹・東急系 |
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ミート・ザ・ペアレンツ |
全米4週連続No.1大ヒット!新記録達成と云うコピーが付いていますが、 向こうで公開された時期が端境期であったのかとも思ってしまった。 如何に宣伝文句に操作されるかの一例でしょうね。 さて、前置きは別に文句ではありませんので早速ご報告します。 監督は「オースティング・パワーズ」のジェイ・ローチ、演ずるは 役者バカ ロバート・デ・ニーロ(悪い意味ではありません、ファンの方 すいません。昔とんねるずの番組で本人自ら「役者バカ」と書道してました。) と「メリーに首ったけ」で日本での知名度も上がってきたベン・スティラー。 この監督さん日夜、笑いから幸せを届けるべく作品を作っているのでしょうか? ベン・スティラーは監督そして脚本家としても評価のある役者さんですが、 「メリーに首ったけ」と同様、悲惨な役柄が妙にはまっています。 その運の悪い恋する男と決定的な存在感で威圧する恋人の父デニーロ、 このふたりの取り合わせが実に面白い! ホームコメディでありそうな感じですが、実に良く出来たキャスティングで 監督、役者とも技を感じさせるところがあります。 つきあいはじめたカップル、そして倦怠期のカップルにもお勧めかな?? ばか笑いするところは少ないですが、さりげなく笑いを誘うシーンが 散りばめられ退屈はないと思います。 また、「RONIN」とまでは行きませんが、ささやかなカーアクションシーン、 「トップガン」を追い出させるシーンなどあり楽しめます。 舞台はシカゴかと思いきやすぐにニューヨークへ、でもロケにはそうお金は かかっていなさそうで、そこがよくあるホームコメディ風に取れるのかも...。 (written by DAI) |
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★★ |
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http://www.uipjapan.com/mtp/ |
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2001/3/31〜 東宝洋画系 |
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キャスト・アウェイ |
監督はロバート・ゼメキス。お正月に公開された 「ホワット・ライズ・ビニース」はいまひとつだったが、この映画を 見たとき、”ゼメキス、これにかけたのね!”と思ってしまった。 話はトム・ハンクスの乗った飛行機が不慮の事故に遭い、 ひとりだけ生き残って無人島に漂着してしまうというもの。 そこから「ロビンソン・クルーソー」みたいなトム・ハンクスのサバイバルが 見どころになるのだが、 この映画で特筆したいのは、無事無人島から家に戻ってからの話が 面白いんですよ。 トム・ハンクスが無人島で生活したのは4年間。 彼の家が生まれた本国でも同じ時が流れ、 恋人だった愛する女性は彼が死んだものと思い、ほかの男性と結婚してしまう。 彼は無人島でも孤独だったけど、家に帰っても孤独なんですよね。 そして彼は最後にどういう道を選ぶのか…?? 25キロ減量し、無人島でずーっと一人芝居をやってのけたトム・ハンクスには 今度こそ”アカデミー賞主演男優賞3冠”を達成してもらいたいもの。 (彼は今まで、「フィラデルフィア」、「フォレスト・ガンプ/一期一会」で受賞。 3度とったらアカデミー賞史上初となる) 無人島での友達、”ウィルソン”の存在もなかなかよかった。 (written by Gotoh Harumi) |
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★★★★ |
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http://www.uipjapan.com/castaway/ |
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2001/2/24〜 東宝洋画系 |
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サトラレ |
この映画、もとは漫画で、設定が面白い。 安藤政信扮する主人公は”サトラレ”で、 ”あっ、あの子かわいい!”とか、”この仕事やりたくないな”とか 頭に思い描いたことすべてが半径数メートル以内の人に聞こえてしまうという 特殊な能力を持った人物である。 映画ではそんな”サトラレ”が日本では7名発見されていて、 安藤君の場合はその7人目の”症例7号”。 ”サトラレ”はすべてIQ180以上の天才で、国になんらかの利益をもたらす 存在と考えられている。 だから国では”サトラレ”が自分の能力を気に病んで自殺しないように、 ”サトラレ”が”実は自分がサトラレだ”と気づかせないようにする法律がまかり 通っている。 共演の鈴木京香はその”サトラレ”である安藤君を守る役。 この特異な存在”サトラレ”がどうやって一般社会と共存するのか、というのが 映画のテーマになっている。 「踊る大捜査線」の監督、本広克之がこの ”サトラレ”を泣けるエンターテイメントにしたくてがんばって作った。 しかしがんばったのはわかるが、いかんせん説明がくどい。 映画ならではの大画面がもつ空気を、 もっと大事にしてもいいのでは、と思ってしまった。 ちょっと泣いちゃったけどね。 (written by Gotoh Harumi) |
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http://www.satorare.com/ |
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2001/3/17〜 東宝洋画系 |